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第二弾。その他編。
久野部 道 くのべ どう 名前のネタ: 敵の人形……木偶?→ 『木偶坊』→ でくのぼう DEKUNO BOU → KUNOBE DOU くのべ どう ひきこもりつつ、神(笑)を目指した人。 黒幕にして捨て駒。この後に事は私も知りません。 頭は悪くないらしい。 実は最初は首を集める気がなかったり。 うっかり「君にもっと相応しい顔があれば」とか人形に言っちゃったら、 人形が勝手に首刈りしてきちゃって心がぶっ壊れたという設定があったりなかったり。 彼が殺された時を想像すると、何気に一番ホラーな気がする。 チエ(首刈り人形) ちえ 名前のネタ: リ○ちゃん人形 → ○カ → 理科 → Science → Cie → チエ 敵の人形。 青い(っぽい)ショートヘア、メイド服なお嬢さん。 たぶん、久野部の趣味。彼の手作りの服に違いない。 次美の顔がついても青髪は変えなかったのかな? 戦闘能力は比較的高くない方。脚力、移動力に関しては司奈もびっくりの性能。 特殊能力:異常なタフネス(修復機能?)の実験も兼ねてる。 ちなみに、首刈りをするときは、 1.チエちゃん、ビデオをもって街に出る 2.大通りとかで、女性を撮影。目立たないように注意。 3.帰る。久野部にビデオを渡して彼が気にいったらその女性を探す。気にいらなかったら1に戻る。 4.街中を探して、目的の女性を発見。いちいち目の前まで出て、宣告。 5.その後、怯える所を観察しながら、適当な時期に狩りをおこなう。 って感じ。次美の時は家まで後をつけてから報告して、さっさと狩りに来た。 戦間 縁 いくさま ゆかり 名前のネタ: 機械……エンジン? → エン → 縁 → じゃ、ゆかりで。 ショートヘア、眼鏡かけた理知的な女性。キャリアウーマン風。 年齢は秘密。 スリーサイズ:脱いだらすごいわよ? かなりの変態淑女。それだけは譲れない。 能力はかなり高いはず。 ぽっと出で作ったから、あまり設定がないのが悲しいところ。 ショタ、ロリ、どちらでもOKである。 たぶん、乙女。 どの場面でも唐突に登場させられる、便利な人。 ただし真面目に話が進まなくなる恐れもある両刃の剣。 戦間 玄 いくさま げん 名前のネタ: その場の直感 諸悪の根源その1。 執念の人。 司奈の実の父親。 結構な狂人だったっぽい。娘を蘇らせようと思うこととか。 ただし、司奈にかけた愛情は本物だった。 三賀 瑠曼 さんが るまん 名前のネタ: あえて触れず。 諸悪の根源その2。 たぶん、興味本位で司奈作成を手伝った人。 多くは語れない。 何処にでも出てこれるあやしい錬金術を使える人、を考えたら、自然とこの人に。 たぶん知っている人には有名な、あの人。 もちろん作品内だけの設定で、現実世界のあの人とは関係ありません。 行方不明、生死不明。 生きてても不思議じゃない不思議な人。 以上。 思ったよりも少ないですね。 一応、外伝に備えて源六の妹とか母とか祖父とか恋人候補? とか名前もありますがそれはまたいつか。 |
歯車仕掛けの女の子
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ひとまず完結しました。
総文字数:約8万文字、分速500文字で160分=2時間40分程。
ごゆっくり、ご自分のペースでどうぞ。
総文字数:約8万文字、分速500文字で160分=2時間40分程。
ごゆっくり、ご自分のペースでどうぞ。
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設定集なんて言うのもおこがましい設定集です。
何と言うか、私はこれっぽっちしか考えずに小説書いてます、みたいな。 あくまで暇つぶしの領域ですので、ご了承ください。 ※この作品はフィクションです。 作中の人物の名前が似ているからと言って、実在した人物が同じような人たちだったはずがありません。 また、名前は借りてるだけなので、別に似せようともしてませんのであしからず。 戦間 司奈(司) いくさま しな(つかさ) 名前のネタ: Deus ex Macine → Deus いくさ ましーな → いくさま しーな → 戦間 司奈 → 戦間 司 身長142cm(江戸時代女性の平均身長143〜146cmらしい)。 黒目黒髪、長めの髪を後ろでまとめている。ポニーテール……というよりも、元服前の子ども? パッと見、少年とも少女とも思える。 普段は司を名乗り、男装している。 スリーサイズ:上から ミニマム・寸胴・ミニマム。 自称、永遠の17歳。 戦間 玄作、300年以上稼働し続ける人形。 今のところ、現存する唯一の感情を持つ人形。 好きな物はプリン、人間扱いされること、平賀と作る卵焼き。 嫌いな物は人形扱いされること、人を人と思わない人間。 年齢詐称、性別詐称他、けっこう嘘ついてる疑惑あり。 スーパー司奈ちゃん事≪歯車仕掛けの神≫に変身できる。 絵:蒼霜ことりさん(最終決戦・2011/1/20追加)
平賀 均 ひらが ひとし 絵:お友達のAKARIさん
名前のネタ: 平賀 源内+「ヒト」ってタイプして「均」と変換されたことから。 主人公。 身長171cm(2005年度理科年表、17歳の日本人男子の平均身長より)。 身体的特徴、なし。というか、主要人物の中で唯一思いついてないある意味一番哀れな登場人物。 彼視点のため、作中で自己描写しなくても話が進んじゃって(開き直り)。 あだ名は『平均』。名前を先に決めたらそうなってしまった。 基本冷静なように見えて、結構熱い子。 中学時代、源六と一緒に不良相手に世直しいていた時期がある。 人形の視線恐怖症。 婆ちゃん大好き。 本人いわく、巨乳なお姉さんが好きということだが、司奈にもドキドキなお年頃。思春期です。 松平 源六 まつだいら げんろく 絵:お友達の伊田さん
徳川 吉宗 → 徳川=松平、吉宗=源六(幼名)……とか決めたら、本当に松平って名乗っててびっくり。 決して、健様からとったわけではない。 身長190cm以上。 長身、巌のような顔つき、寡黙。 己を鍛える武士。 あだ名は『将軍』、『暴れん坊将軍』。 何気に、普通状態の司奈と同等の戦闘力を持つ。 お米ラブ。お米があれば何でもできる人。 プロット段階ではそこまでじゃなかったのに、何故か報われない属性がついた不運な子。 ちなみに、最初は「徳川 源六」というそのままな名前だった。 中学時代に均を連れて「正義」して回った過去あり。 弟、妹が1人ずつ。母、祖父の5人家族。 「父上、どちらへ?」「ちょっとそこまで正義しに」で父親帰らぬ人に。 弥十八流古武術次期継承者。 弥十八流古武術は、作中にある通り稲作が始まったころに出来た武術と言われている。 何故弥十八なのかって?「弥十(やそ)」を打ち込んで変換してみればたぶん判ります。 ……って言ったら友人に「出ない」って言われました。まぁ、お米です。 作者の心の中で、「お米神拳」と呼ばれている。 彼が活躍する時は、例のテーマを頭の中で流しながら読むとグッド。 田沼 次美 たぬま つぐみ 名前のネタ:田沼 意次 身長……160cmくらい? スリーサイズ:上から 中くらい・キュ・おっきくないわよ! 視力はそこまで悪くないけど、眼鏡をかける。 髪は下ろしている方が楽だけど、学級委員長だからと三つ編みにする。そんな子。 それらをやめたら美少女なのは当たり前の設定。 料理は上手らしい。 最初はツンデレ設定。ところが途中からヤンデレっぽいのが追加。……たぶん、病んでるのは作者だと思う。 言い訳すると、ツンデレ分は田沼意次と平賀源内との関係性。ヤンデレ分は……『元の濁りの田沼恋しき』? 両親健在(共働き)。姉は……多分いない。 告白してきた男をフッた時、逆切れしてきたので容赦なく蹴り潰した過去あり。 (二へ続く) |
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こんにちは、こんばんは、おはようございます。
作者の倉雁 洋です。
『歯車仕掛けの女の子』、これにて閉幕となります。元々のジャンルはホラーちっくな現代伝奇でボーイミーツボーイ? さて、何個まともに達成できたでしょうかね。
平賀の性格、司(司奈)の正体、田沼の眼鏡取ったら美人設定など、少々王道過ぎる、悪く言えば使い古されたようなネタばかりで構成されたこの物語。実は私が初めて書いた『歯車仕掛けの女の子』をリメイクした作品です。
つまり、本当は『歯車仕掛けの女の子Z』とか『RX』とか『S』とか『SS』とか――最近だったら、『改』というタイトルが正しかったんです!!
という話は置いておいて。あの頃、と言っても今から三カ月程前の話ですが、色々あって小説を始めるにあたり初めは自分が作りやすい書きやすい話を作ろうとしたのがこの話の原型になりました。だから一層意外性が少なく、後から「陳腐だ」と言われるような作品に仕上がったのですが、それもある意味では間違っていません。今後の課題はもっと読者の皆様を驚かせられる作品を書くこと、ですね。
とは言え、しばらくはもう少しこんな話しか浮かばないと思いますけど(泣)
ここまでお読みいただき、誠にありがとうございました。何か私のダメダメな事ばかりを言ってしまいましたが、ここまで読んでいただいた皆様はどう思いましたでしょうか。差し支えなければ、一言でもコメントを賜れればと思います。強制ではございません。ただ、コメントをいただければ私のやる気が増えます(笑)。
それでは皆様。もしお時間に暇がありましたら、今後も私の話にお付き合いくださいませ。では。
2010/09/15 倉雁 洋
P.S. 続編? ネタだけはあります。まだうまく書けないので書いてませんが。
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※まともに想像するとかなりホラーなのでグロ注意。
「ックソ! 何故だ、なんでチエが負けた!」
その部屋は、いつもと変わらず暗闇の中にあった。しかし今までの闇とは違う。かつてはおぼろげなモニタの青い光が僅かに照らしていたその部屋は、今一瞬を閃く紫電の光に照らされていた。バチバチと音を立てて輝く青い電流が、仄暗い部屋を一瞬輝かせる。
電気を放っているのはかつてのモニタだった。何か頑丈な物で上からたたかれ、ひしゃげて中の機械がはみ出している。電流は、そのはみ出した機械から放出されていた。
モニタだけではない。かつて足もとに散らばっていた書類も今は無残なほどに破かれ。暗幕も、すでにその役を果たせなくなっている。
そしてかつて整然としていた部屋の奥は散らかり、激しい異臭に包まれていた。棚にはもうかつての犠牲者たちはいない。彼女たちは今、瓶ごと地面にたたき落とされ、さらに踏みにじられてその原型を無くしていた。すでに、何人の犠牲者がいたのかもわからない状態である。
そうした惨劇の全ては、今部屋の中心で呆然と立ち尽くす男が原因だった。やせ細っていた体のあちこちに傷を着つけ、眼鏡は割れ、ただ血走った瞳でモニタだった物を見つめている。それが、かつてチエに――首刈り人形に主人と言われた男であり、今回の事件の首謀者であった。
「僕が作ったんだぞ! 僕は神なんだ、神が作ったものが負けるはずないじゃないか!!」
あり得ない。認められない。
元々、彼は壊れていた。それでもチエという存在が、否、チエという存在を通してみる己の栄光だけが彼を支えていた全てだった。それがつい先ほど、全て否定されてしまったのである。男という物が、全て。
現実を受け入れなくなった彼は、もう現実そのものを否定するしかできなかった。
「ガァァァァ!」
彼は一人で踊り続ける。相手のいないダンスは、ただ紙を切り、ガラスを割り、棚を壊し、己を傷めつけた。
……そうしてひとしきり暴れ回ってようやく、男は静かになった。肩で息をしながら、血走った瞳で呟く。
「……そうか、チエが完璧じゃなかったのがいけなかったんだ。そうだよ、僕が悪いんじゃなくて、僕が作ったものがたまたま悪かっただけだ!」
……ああ、彼はこの期に及んでも自分の非を認められない。彼は今まで自分を支えていたものですら否定して、夢の中を生きようとする。もはや彼に、利用価値は、ない。
ガチャ。
「誰だ! ……あんたか。ちょうどいい、今連絡しようと思っていたんだ」
コツコツコツ。
その闖入者は土足で部屋に上がるが、男は気にもしていないようだった。すでにそんなことすら目に入らなくなっている。
「そうだ、あんたにもらった『資料』と『材料』であそこまで作れたんだ。もっといい材料をくれれば、最高のモノができる! なあ、頼むよ。今度こそあいつ等を潰したいんだ!」
男が何か言っていたが、それを見る闖入者の目は冷たかった。それはかつて、男が平賀達に向けていた目線。人を人と思わない、凍った目。
人からもらったものを組み立てただけの分際で、神を名乗るなど腹立たしい。闖入者にとって、彼は数多ある実験の一つでしかなかった。ただ彼が試したかった機能を使わせるのに、都合のいい人材を選んだだけである。
「おい! あんた、聞いてるのか! ……なぁ、あんたが持ってるそれ、なんだ?」
「コレか? お前が作った人形だ」
「チエ!」
ドサリ。
闖入者が掲げた大きな袋の中から、上半身だけの首刈り人形が――チエが、姿を現した。首は継ぎはぎされ、右肩から下は全て失っている。残った腕で這いずり、それでも彼女は何も宿さぬガラスの瞳で己の主を見上げていた。表情は、何も変わらない。
「もうしわけございません、ごしゅじんさま」
人よりも丈夫な人形とはいえ、普通はここまで見事に壊されると機能停止する。今まであの組織が戦ってきた人形であったなら終わっていただろうが、今実験を行っていたこの人形は一部新しい機能が付いている。図らずもその成果が確認できただけで、闖入者は満足していた。
「この! ポンコツが! 何負けてるんだ、この! この! お前なんかスクラップだ!パーツもいらん! さっさと壊れてしまえ!!」
男は己の創造物を己の足で踏みつけていた。当然、丈夫な人形がそれで壊れるはずもない。闖入者から見ればあまりにも愚かな行為。しかし彼は、その行為に何か意味があると信じているようだった。
その行為を受け続けても、人形はその瞳で元主人を見上げ続けていた。その瞳は何も映さない。何も感じない。何も思わない。
「ごしゅじんさま」
「知るか! もう僕をご主人なんて呼ぶな! 僕は新しい人形を作るんだ!」
「それは結構。確かに、お前はもう主人ではない」
パチンと、闖入者が指を鳴らす。
「は?」
ドス!
その瞬間、男の胸に激痛が走った。僅かに目線を下げてみれば、そこにあるのは異物。人の腕を模したもの。――己の人形の、腕。
「は……チエ……なんで?」
それがその男の最期の言葉だった。彼が見たのは、自分が作り出した人形の何も映さない瞳。その何も思わない瞳が、ただ自分を冷たく見下ろしている光景だった。
ずるりと、かつて主人だったモノの胸から人形は心臓を抜き取る。闖入者が手を上げると、人形は何の躊躇も無くそれを握りつぶした。
「フン、何も面白くない」
「申し訳ございませんでした、ご主人様。少々、処分に手間取ってしまいました」
人形が血にまみれた体のまま、闖入者の前へと這いずってくる。その姿はまさしく異形。怪談の中の出来事のようだった。
「いや、君の所為じゃない。それにしてももう効果が出てきたのか。これは驚いたな」
闖入者は、ここに来るまでに少しだけチエの頭の中をいじっていた。いい加減に作られたためにねじれた言語機能の修復のため。そして、己が主となるために。
主人変更はともかく、言語機能は本来ならもう効果が出るまでもう少し時間がかかると思っていたが、かなり早く効果が出てきたらしい。
闖入者が思ったほど、元主人は悪い頭を持っていなかったようである。
「――まぁ、今更どうでもいい。さっさと帰ろう。君に新しいパーツを用意しなければな」
「ありがとうございます、ご主人様」
ペキャリ。
その音だけを残して、男たちは去っていく。彼らがいなくなった後、そこに残されていた物。それは犠牲者たちの首の残骸と、胸部を貫かれ頭を踏み潰された何かだけだった。
歯車とは、本来何のためにあるのか?
歯車とは、本来何かを動かすためにある。
では、この歯車は何を動かすのか。
誰もその事を知らないまま、キリキリ、キリキリと。
――今日も、歯車は廻り続ける。
歯車仕掛けの女の子 ――完?
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「まったくね。私の仕事を増やさないでほしいわ。ってことで、はい」
「ござ?」
縁さんがまた鞄から何かを取り出し、司に渡していた。……何処かで見たことのある手帳。
いやまて、それは間違いなく。
「司奈ちゃん、月曜日から倉雁高校2年生だから。住所は面倒くさいから平賀君とこにしておいたわ」
うん。うちの高校の生徒手帳だ。
…………。
「「「ええええええ!」」」
その場にいた縁さん以外の全員が硬直し、一拍置いた後源六以外が綺麗にそろえて声を上げた。ちょっと待て。この人は何をさらっと言ってくれてるのだ!? 高校だけならともかく、うちに下宿なんて聞いていないぞ?!
「なに、乗り気じゃないの? ちゃんと生活費とかはこっちで支給するわよ。もちろん色付けて」
「いやその、そうじゃなくて!?」
「じゃあ何? ……理事長には話通ってるわよ? あの人、うちとの付き合いも古いから二つ返事でOKくれたわ」
理事長、昔から顔が広かったがそんなところにもコネがあったとは。
「で、でも、別に均の所に住まなくったって……近くのマンションとか」
「んー却下ね。一つ、予算がもったいない。二つ、司奈ちゃんの生活能力が微妙。三つ、私が楽しめる。ね? どれをとっても平賀君とこに住むのがいいでしょ?」
「楽しめるってなんですか!?」
「そりゃ勿論、平賀君が口ではノーと言いながら司奈ちゃんのちょっとしたしぐさにドキッとして徐々に徐々にロリぃもしくはショタぃ方向に転落していく様を各機関の最高の科学力を持って作り上げたこの『絶対にばれない隠しカメラ&盗聴器』を使って廃もといハイデジタル録画して同士達に――」
「そ、そそそんなこと聞いてないです!」
「――あらそう残念。後三十分は語れそうだったのに」
もういいです、出来れば黙っていてください縁さん。後俺を勝手に変な方向に持っていく妄想をしないでください。ついでにそんな怪しいものを開発した機関は事業仕分けしてください。予算あげないでいいです。
「あのえと、それに司奈ちゃんは女の子なんですよ!? 一人暮らしの男の子と一緒に暮らすってのはどうかと……ほら、私の家とかなら今部屋余ってますし、なんとか私が両親に言って――」
「却下」
「――あう……」
次美がせっかく世間一般的な常識から縁さんを諭そうとするが、片手を上げた縁さんに止められる。
「一応『戦間司』で転校手続き取ったから。学校では、司奈ちゃんは司君っていう男の子よ? 思春期の男の子と女の子が同棲しちゃまずいでしょ」
「え! い、いや、ええ!?」
縁さんが極めて常識的な言葉で次美を黙らせてしまった。……ちょっと待て、確かに『思春期の男と女が同棲しちゃまずい』という事はわかるが、何かがおかしい。
つまり、学校では昨日みたいに『戦間司』として生活しろということなのか。そうすると、学校側としては俺、つまり男と共同生活してるって認識になる、と。決して同棲ではなく。
……うわ、ものすごい詭弁。
どうしたものかと、ちらりと司奈の顔を見る。すると司奈もこちらを見ていたのか、二人の目があった。俺の目線に、司奈は若干顔を赤らめ何かを期待しているような瞳をしていた。
………。
見つめあうこと数秒間。……少しばかり悩んだが、俺の答えなんてひとつしかないだろう。
「ほら! 均も何とか言って――」
「わかった、うちで構わないんならいいですよ」
「――え! ちょ、均!?」「――平賀殿……」
俺の言葉に次美と司奈が驚く。特に司奈は俺の言葉を聞いた瞬間、大きく目を見開いていた。縁さんは気にせずパフェを食べているが、若干俺を見ている目がにやにやとしている。
「あら、案外すんなり認めてくれるのね。もうちょっと渋るかと思ったんだけど」
「正直、困りますが……何にせよ、楽しそうですから。それでいいです」
「ん……若いうちはそれでいいと思うわよ。司奈ちゃんもいいわよね?」
俺、そして縁さんの目が司奈に向く。司奈は変わらず目を見開いたままだったが、そのまま悩んだように目を閉じ、そしてゆっくりと開いた。
「拙者は……大歓迎でござるよ……!」
その顔に喜色をいっぱいに広げ。精一杯の笑顔を見せた彼女は、本当に嬉しそうだった。
「……うぅう〜。せっかく接近できたのに……どうしてこうなるの!」
「……仲良きことは美しき哉……と言いたいところだが、俺の胃腸は持つのだろうか……?」
次美と源六がそれぞれ何かつぶやいてたがここは無視の方向で。気にしたら負けな気がする。
「それじゃあそういうことで。あ、ここの払いは任せなさい! 経費に出しとくから」
「あ、ちょ、縁さん!? 私はまだ――」
言うが早いか、縁さんはさっさとファミレスから出ていった。いつの間にかあのパフェも食べつくしている。……本当に、最初から最後まで変な人だった。
残されたのは、俺と司奈、次美、そして源六。
時刻は十五時。まだまだ今日という日は長い。
「……とりあえずどうする?」
このまま帰るのももったいないので、俺は何の気なしに他の三人に聞いてみた。
「はいはいはい!」
「おお司奈、元気だな。はい、それじゃどうぞ」
「はい! 拙者、買い出しに行きたいでござる! せっかく平賀殿の家に暮らすようになるなら、いろいろ買っときたいでござる!」
――皆で買い出しに行く。
そういえば、昨日もそう言っていたんだったな。結局あの人形の所為でおじゃんになってしまっていたし、確かにこの機会に行っておくのもいいかもしれない。
「そうだな、俺もそれでいいぞ。次美も源六も、それでいいか?」
「…………(どうやったら私も均の家に住めるようになるかしら……? 手っ取り早いのは、やっぱり両親をキュッと)……え? あ、うん、私もそれでいいよ?」
「……俺も問題ない……が、後で薬局も寄ってくれ。……胃薬を買い込んでおく」
次美はとりあえず了解してくれた。何かブツブツと言っていたが……まあいいか。そして源六。そう切実に言うのは止めてくれ。
「……OK、何か不安もあるがとりあえずウィンドウショッピングとしゃれこみますか。俺も久しぶりに服ほしいしな。新作のジャージとかあるかな?」
満場一致で買い出しに決定。と、なればショッピングモールがいいだろう。あそこなら服から日用雑貨から、大抵の物は手に入る。
「早く行くござるよ! 平賀殿!」
「こら、手を引っ張るな。お前は犬か!」
「あ! 司奈ちゃん、待ちなさいよ! ずるいわ!」
「……ダース単位の胃薬が必要そうだな……」
俺達はファミレスから出ると、皆そろって歩き出した。
一昨日死にかけて以来色々なことがあったが、俺達はこうして誰も欠けることなく今を生きている。きっと、まだこの四人で色々あるんだろう。
俺はふと、この全員の顔を見渡す。大きさも色も全てがばらばらな、四つの歯車。
それらはキリキリ、キリキリと。
――今日も、仲良くかみ合って廻る。
エピローグ 裏へ続く
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