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「東アジア共同体」や「アジア通貨統合」などの構想が遅々として進まないのとは対照的に、ヨーロッパでは6月4〜7まで欧州議会の選挙が行われ、各メディアで盛んな議論が広げられました。今回の投票の結果以下のサイトで参照できます。
1)欧州全体の議席の配分
http://www.elections2009-results.eu/fr/index_fr.html
青が「民主キリスト教」264議席、赤が「社会民主」161議席、緑が「エコロジー」53議席などとなっています。
2)フランスの投票結果
http://www.elections2009-results.eu/fr/france_fr.html
→青が「国民連合」(保守・右派)29議席、赤が「社会民主」14議席、緑が「エコロジー」14議席で、今回の選挙を通じて、フランスでは「エコロジー」が議席を大幅に伸ばしました。
日本美贔屓でもあったシラク大統領以後のフランスを率いるのはサルコジ現大統領ですが、彼の政策の特徴は「敵の政策も飲み込め」というものです。右派・保守派でありながらも「PS社会民主」が掲げてきた政策イデオロギー、例えば一般庶民の生活の改善、社会福祉の拡充などを訴えながら、メディアを使って巧みに大衆心理を誘導するというのが、彼のスタイルと言えるだろうと思います。
その支持母体である「UMP国民連合」、今回の欧州議会の開票結果についてのコメントにも端的に現れていますが、エコロジーの問題も政策に積極的に取り入れています。例えば自動車ではCO2排出量の少ない車種を新車で購入する場合、国からボーナスが支給される、10年以上の古い中古車を廃棄するとこれもまたボーナスが支給、という具合です。
さて、食い意地のはったピンチョスの関心の向かう先といえば、「OGM食品」(遺伝子組み換え農作物)に関するフランスの政策です。フランス政府のホームページはこちらです。
http://www.ogm.gouv.fr/questions/reponses/10.htm
このサイトによれば、現在フランス国内で栽培されている遺伝子組み換えの「とうもろこし」は500ヘクタールだそうですが、これは「自己申告」の結果であるので、厳密な数字とは言えません。また、このフランス政府のサイトでは「1998年には1500ヘクタールであったので、明らかに減っている」と説明しているのですが、相当に疑わしい情報操作があるのではないかと思われます。
そこでOGMの供給元である「モンサント」社のサイトを見てみますと、フランスでの耕作面積が急増していることを述べています。
http://www.monsanto.co.jp/global/europe/france.shtml#a06
France announced Monday it was putting in line a national register of plots of land growing genetically modified organisms (GMO) food crops, which will henceforth be accessible to the general public, according to a statement issued by the French ministry of agriculture and fisheries.
This register gives the exact number and surface areas of GMO plots of land cultivated per district, which is a little more than 19,800 hectares of land declared in 2007 across the entire country.
(July 10, 2007)
コンビニのお弁当やおにぎり、サンドイッチなど、袋の裏に張られた添加物のリストを買う前、食べる前にわざわざ見る人も少ないでしょうが、フランスのスーパーでも事情は同じ、一般の消費者が見るのは価格だけ、あとは梱包した商品に「非遺伝子組み換え」と書いてあれば安心というわけです。
数字のトリック、消費者心理をついた戦術とも言えますが、実際にはフランスでは0.9パーセントまでの遺伝子組み換えの原料を使っても、商品表示では「非遺伝子組み換え」としても問題はありません。
私など一般の消費者ですので、つい「食卓のレベル」や「買い物のレベル」で考えてしまいがちですが、農家の現場ではどのような状況がおきているのか考えれば、実に深刻な問題をはらんでいることが見えてきます。「BIO」無農薬・有機の栽培を取り入れている農家の隣で、「遺伝子組み換え」を積極的に作っているという状況が出てくるのも、今日明日の話かもしれません。
その他の最近のニュース:
サルコジ大統領が音頭を取る「地中海共同体」構想
http://ja.wikipedia.org/wiki/地中海連合
ギリシャ・ローマ時代以前の地中海(フェニキア人の交易)
http://www.hist-europe.fr/Prehistoire/phenicien.html
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