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水兵 「提督、今回の作戦も大詰めを迎えようとしています。目の前の七曜岳を攻略すれば、あとはもう 下るだけです、ある意味登りよりきついけど・・・・」 提督 「わかっておる、し、しかし、情け無い事に両足とも攣ってしもうた!う、動けん!ナイチンは 定時で上がってしまったし、仕方ない、今夜はここでビバークじゃ、天幕を張れ!」 水兵 「えぇっ、ビ、ビバークですかぁ?明日会社行かないとまずいっすよぉ!第一天幕なんて持って来 てないし・・・・今日はこれから天気悪くなりますからねぇ、まだ時刻は13時を過ぎたばかり です。気を落ち着けて、ゆっくり行きましょう!」 提督 「おぉ、ダニー、お前も少しは成長したのぉ(涙)」 と言うわけで、両足をマッサージし、堅くなった筋肉をほぐし、再び体を斜面に向けると、 ガ〜〜〜〜ンッ!いきなりの鎖であった。 全身を使って何とか鎖場をクリアし、 前回、ストックを落とした回廊を渡り、 バリゴヤの頭を眺めながら、最後の岩をよじ登ると、 やっと七曜岳山頂にたどり着いた。 本来なら一息入れたいところだが、時刻は13時20分を過ぎた。まだ昼過ぎだと言うのに、すでに 日の光は柔らかく、天頂から明らかに西に向かって傾きつつある。 腰に下げたポカリを三口飲むと、そのままその狭い山頂を後にした。 下りの道は内腿に負担を掛けなかったが、何かこう、力の入らない状態で5分ほど歩いていくと、 奥駆け道と無双洞への分岐に出た。さぁ、これから無双洞まで一気に600mの下りである。 水兵 「提督、大丈夫ですか?もう登りはありません。一気に激下りであります」 提督 「大丈夫じゃ、これしきの攣り。それより、だいぶ日が落ちてきたぞ。油断するな、左直角コーナ ーを見落とすでないぞ!」 水兵 「アイアイサーッ!」 と、激下りの道を歩き始めた。 まだ二時にもなってないのに、木の陰が長く、益々日の光が柔らかくなっている。 新しい行き先表示板、ご丁寧に縁石まで並べてある。この秋に看板類を整備すると言う情報があったな。 ということは、あの左直角コーナーにも当然立てているだろう。何せ一番分かり難くて大切なポイントな んだから。と思いながら先を急いだ(つもりでいた)。が、今度は内腿じゃなくて、両ふくらはぎに違和 感が・・・・。 提督 「まずい、下りでも攣り始めた・・・・」 水兵 「提督、頑張って下さい!今日の晩御飯は、提督の好きなキムチ鍋ですよ!」 提督 「大丈夫じゃ、それより、ひ、左直角コーナーに気をつけろ、このあたりも大分落ち葉で踏みあと が見えなくなって」・・・ズルッ 「おっと、滑ったと思ったらコーナーの目印ではないか!良かった、無事コーナーを曲がれる ぞ。それにしてもなんでここに道しるべを立てんのかのぉ・・・」 落ち葉で分かり難くなった斜面の歩きやすいところを選んで歩く。先ほどから、水の流れる音が聞こえて いたが、その音が段々と大きくなり、それはやがて、急な岩の斜面を流れ落ちる音に変わって行った。 そして、 見覚えのある人工の階段。何とか、降りてきた。 足元は、登山靴を隠すばかりに堆積した落ち葉。 14時を過ぎたばかりだと言うのに、日陰はすでに真っ暗だ。 良かった、やっと無双洞だ、何とか日のあるうちに帰ってきたぞぉ! ここまで来れば、あとはこの流れに沿って降りていけば、三笠の繋留地だ。 水兵 「提督、やりました!無事帰還できましたね!おめでとうございます!」 提督 「ウム、ダニー、お前もよく頑張った、だが、まだ本日の任務が一つ残っておる。 あの、洞窟調査じゃ!」 水兵 「エェッ、高所、暗所、閉所恐怖症の私に洞窟調査せよと言うのですか?」 提督 「ええぃ、意気地の無い!わしについて来い!」 提督 「先ずはこんこんと湧き出でる水で喉を潤してっと・・・」 水兵 「提督も怖いんですか?」 提督 「こ、怖いわけないじゃろ!しかし、ここの水は美味いのぉ・・・」 朽ちかけた梯子を登り、洞窟の入口に立つ。入口は思ってたより小さい。 提督 「ダニー、斥候を命ずる!行けぇ!」 水兵 「やっぱり怖いんだ」 提督 「怖くなんかないわい!」 水兵 「すでに誰かが探検した形跡があります!」 提督 「フム、ここまで入ると、結構暖かいのぉ、よし、今夜はここでビバークじゃ!」 水兵 「だから、明日会社行かないとまずいって言ってるでしょ! あれっ、外に定時に上がったナイチンがいますよ!」 衛生兵「ハ〜イ、提督が気になって来てみたの!無事に帰って来れてよかったわ! 私のマッサージのおかげね。作戦成功を祝して私の好きなスィーツでお祝いしましょ!」 ナイチンのスィーツは美味かった。甘いシロップが喉を通ると、ひくついていた足の筋肉もいつしか 弛緩されて行った。 V字の滝に別れを告げ、すっかり日陰になってしまった谷を下りて行く。 繋留していた三笠が見えて来た。 時刻、ひとよんごぉよん、本日の作戦終了である。 汗で濡れた服を着替え、さっぱりして暮れて行く山を後にした。アクセルを踏む足の裏がヒクヒクしてい る。 提督&水兵 「ねぇねぇ、ナイチン、これから十三のホルモン屋で夜の作戦会議するんだけど来ない?」 ナイチン 「ゴッメ〜ン、私これからミナミのクラブで合コンなの!じゃね、バイビ〜〜!」 提督&水兵 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 ナイチンにふられた提督と水兵は、肩を抱き合い、十三の雑踏にまぎれて行ったのだった。 おわり |
2008大峰山脈
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水兵 「提督、大変です。グズグズしてると、藪の好きなパルチザンに水太覗きから突き落とされます よ!」 提督 「何?この辺りにはそんなやからも出没しているのか?!それは危険じゃ、急がねばのう」 結構歩いたつもりであったが、まだ弥勒岳だった。ここまで大普賢岳から約90mは下ってきている。 この弥勒岳から更に90m激下るのだ。 下る道から見える稲村。視線も水平になってきた。その後、今度は雪道を50m登り返し、 国見岳の裏をトラバース。 鎖の坂を慎重に下ると、 出ったぁ!本日の絶景第四弾!この景色が見たかったのよ! 水兵 「提督、凄いです!今日攻略してきた大普賢岳の山々が一望出来ます。しかし見事なギザギザで す」 提督 「ウム、見事じゃ!敵ながらあっぱれじゃ!」 あまりの見事さにしばらく呆然としていたが、実はこれからが難所だったのだ。 写真を撮る余裕さえ与えぬ鎖場とアングルの連続。 そして、また一気に90m下る薩摩転げ。 水兵 「提督、強烈な下りの連続です。段々、膝が笑ってきました。ここで転がったら、止まらないでし ょうねぇ」 提督 「そうじゃ、まるで”ROLLING STONES”のように、いや、”ROLLING SA TSUMA”のようにじゃ!」 笑う膝とひくつく腿を騙し騙し、降りきって、 大きな苔むした岩を乗り越えると、 やっと稚児泊りであった。時刻は12時54分。大普賢岳頂上を出発したのが11時50分だったから、 すでに1時間4分掛かっている。地図では大普賢から七曜岳まで1時間15分とある。 確か、前回は頂上から無双洞への分岐まで2時間くらい掛かっていたはず。と言う事は、これから更に 30分以上の登りがあると言う事だ。なんとしても暗くなる前にあの左直角コーナーを通過しておかねば ならない。レモンタブをかじり、ポカリをグビッと一口飲むと、休憩もそこそこに、またいきなりの登り 返しに取り付いた。 と、その時であった。段差の大きい木の根に右足を掛け、体を引き上げようとした時である。 右の内腿に、ピキッと違和感が走った。・・・・ヤバッ、攣る!攣ってしまう! 引き上げようとした体を戻し、ゆっくりと右足を下ろす。そのまま刺激しないように腰を下ろし、 違和感が去るのを待つ。・・・が、依然として大腿四頭筋は緊張を続けたままだ。 今まで歩いてる途中で攣った事無かったのに・・・・。 水兵 「提督、大丈夫ですか?!」 提督 「ウム、大丈夫じゃ!激下りに下って来て、急に登りに転じたので、筋肉の収縮が応じきれなかっ たのじゃな、それに水分摂取が不足したために血液が濃くなって、筋肉にたまった乳酸を流しき れなくなったのじゃ。」 水兵 「とりあえず、衛生兵を呼んで手当てさせましょう!オ〜〜イ衛生兵!」 衛生兵 「ハ〜〜イ、誰か呼びましたぁ?」 提督 「だ、誰じゃ、おまえは?」 衛生兵 「私、フランチェス子の妹で、ナイチンゲル子で〜す!派遣で衛生兵やってま〜す!」 提督 「分かる人にしか分からないキャスティングじゃな、それより、このBLOG、硬派のBLOG では無かったのか?!」 水兵 「確かそうだったような、そうでなかったような・・・・」 衛生兵 「そんな固い事言ってないで、お・て・あ・てしましょ!」 そう言って、ナイチンゲル子が渡してくれたのが、この漢方薬だったのだ。 騙されたと思って飲んでみる。そして患部の血流が良くなるように、大腿部のマッサージ。 すると、アラ不思議、10秒も掛からぬ間に痙攣がスッと消えてしまった。 提督 「でかしたぞ、衛生兵!」 衛生兵 「いやっ、ナイチンって呼んで!」(もうムチャクチャ) ナイチンのマッサージが効いたのか、本当に直ったのだ。その効果にビックリしつつ、七曜岳への登り を再開したのだった。 しかし、喜んだのもつかの間、七つ池を通過し、日陰の急登をひたすら登って行くと、再び、違和感が 襲ってきた。それも両足の内腿に。 そして目の前には、泣きたくなるような登り。 提督 「衛生兵!いや、ナイチンを呼べ!」 水兵 「本日はこれから英会話学校の日で、定時退社いたしました!」 時刻はすでに13時を越えた。果たして日があるうちに無双洞にたどり着けるのだろうか? この続きはまた明日・・・・・次回は感動の完結編・・・のはず・・・
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それにしてもなんてポカポカ暖かいんだ。 ずぅっと眺めていたい景色だけど、そろそろ撤収しなければならない。 あまりに気持ちよくて、あっという間に1時間も経っているではないか。 これからの撤収作戦を決めなければならない。 水兵 「提督、撤収作戦、来た道を戻るか、このまま前進して七曜岳経由して周回するかどちらにしま しょう?!」 提督 「ちとゆっくりしすぎたようじゃ、太陽は今まさに天頂にある。日照時間の短くなってきたこの 時期、遅くとも、ひとごぉまるまるには前線基地に帰らねばならん。手元の地図には七曜岳 までは1時間15分とあるが、その間に弥勒岳、国見岳、のニつのピークがあるんじゃ。 更に薩摩転げなどと言う激下りも待ち構えておる。 雪も残ってるし、少なくとも1時間半は見ねばならんじゃろう。 そしてそれからの激下りじゃ、第二前線基地まで50分とあるが、前回はそれ以上掛かった はずじゃ。最大の問題として、前回コースアウトしてしまった左直角コーナーをすんなり 見極められるかじゃ。朝日窟下の道がそうじゃったように、落ち葉で踏みあとが隠されて おったらやっかいじゃのぉ」 水兵 「ん〜〜〜〜、一瞬のミスも許されませんね。来た道をもどりますか?」 提督 「いや、初志貫徹じゃ!腹も出来た事だし、気を引き締めて前進あるのみじゃ!」 水兵 「アイアイサーッ!」 というわけで、充分すぎる休憩を取り、もう一度素晴らしい眺望を目に焼き付けて、 紺碧の青空の頂上に別れを告げ、 七曜岳への道を下り始めたのだった。 稲村方面の稜線の素晴らしさ。 そこから伸びるバリゴヤへの道、帰りの登り返しが大変そう・・・。 雪道をひたすら下る。アイゼンがしっかり雪を捉え、安心して下って行ける。 これから越えなければならないいくつかのピーク。 小普賢岳がジャンダルムのように見える。 尾根に沿って歩いていくと、左側がすっぱり切れた処に出る。 ウッヒョーッ!これまた凄い眺めだ。 振り返れば、何故か大普賢岳の表情が優しい。 が、それに連なるピークは、さすがにシャークティース、圧巻だ。 やっと覗けた「水太覗」前回は視界0だったもんなァ・・・。 更にピッチを上げて前進すると、日陰はやっぱり雪だ。くるぶしを隠す。 青空に張り巡らせたブナの枝が綺麗だ。 気持ちの良い尾根道を急ぐ。 しまった、アップした画像が重すぎた、続きはまた・・・・今日の夜にでも・・・ つづく
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頂上には誰もいなかった。 文字通り独り占めである。この頂上も、この空気も、この青空も、この見渡す限りの山並みも。 これ以上の贅沢があろうか。ザックを下ろし、大きく深呼吸する。腹の底から声を出したくなった。 でも、恥ずかしいからやめた。 提督 「本日の攻略作戦はひとまず成功じゃ。ダニー二等兵、よく頑張った!ここで山飯にするぞ、 火をおこせ!」 水兵 「待ってましたぁ、アイアイサーッ!」 本日の作戦は、過酷を極める事が予想されたので、背嚢を軽くする為、乾燥した兵糧を持って来たのだ。 湯を沸かすコンロの向こうに稲村ヶ岳が見える。 提督 「ダニー二等兵、山飯が出来るまで、偵察じゃ、望遠鏡をもて!」 提督 「先ずは稲村ヶ岳じゃ、隣の大日山が鮫の背びれのようでカッコいいのぉ」 水兵 「今年の4月、残雪でトラバース出来ず、あえなく敗退しましたねぇ」 提督 「次は山上ヶ岳じゃな、頂上のお堂も見えとる」 水兵 「これも4月、山上から一気に稲村まで信じがたい強行軍でした・・・」 提督 「次は八経と弥山じゃ、思えば大峰との戦いは、この山との戦いと言っても過言ではないのぉ」 水兵 「そうです提督、なんだかんだで5回も交えています」 提督 「そして、まだ記憶に新しい七面山じゃ」 水兵 「本当に恐ろしかったですねぇ、あの水墨画のような黒い岩の塊、今日は、何事も無かったように そっぽ向いてます。デコピン一発食らわせてやりたくなりますねぇ」 提督 「見るところ、天気晴朗にして大峰山脈異常なしじゃ!さぁ、飯にするぞ!」 水兵 「アイアイサーッ!」 お湯を入れて、待つこと15分。出来た山飯に早速喰らいつく。 水兵 「いっただきま〜〜〜す!」 提督 「どうじゃ、美味いか?」 水兵 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 基地にある10袋以上の乾燥食料を思うとげっそりした。 つづく
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水兵 「提督、見てください!素晴らしい景色です!八経から、先日冬将軍と戦った七面山、孔雀岳に 釈迦ヶ岳までくっきりと見えてますよ!3ヶ月前に来た時とは全く違う景色ですね!」 提督 「ウ〜〜ム、素晴らしい!3ヶ月前は、ここで山伏の一行とすれ違ったのぉ・・・ あの時は濃霧で全く何も見えんかった・・・」 あまりの景色の素晴らしさに、私は声を失った。空には相変わらず一辺の雲も無く、午前中の これからまだ勢いを増す日の光が、燦々と降り注いでいた。このままこの岩の上で昼寝でも決め込みたい ところだが、今日はそうもしてられない。休憩もそこそこに、極上の展望台を後にした。 道も、日陰に入ると、雪が残っていた。 斜面を伝う雫は、大きなツララとなって牙をむいていた。 いつの間にか小普賢岳をトラバースし、 大普賢岳を目の前にして、お約束の激下り!しかも雪が残ってる!! 水兵 「提督、滑らないでくださいよぉ!」 提督 「大丈夫じゃ、滑るのはギャグで慣れておる」 ズルズル滑る激下りを下り、いよいよ大普賢岳の斜面に取り付こうとした時である。 水兵 「提督、腹が減りました。大普賢岳頂上がすぐそこなのは分かってますが、もう、動けません!」 提督 「仕方がないのぉ、どれ、それならば、この辺でガツンと「男」を入れろ!」 水兵 「ありがとうございます!これは前回と同じクリームパンじゃないですか。ン?この間は 冷たくて味が分からなかったけど、このクリーム、豆腐の味がします!」 男のクリームパンで、「男」を補給し、いよいよ最後の登りに掛かったのである。 提督 「燃料補給が済んだら、全速前進じゃぁ!」 水兵 「アイアイサーッ!」 長い階段で一気に高度を稼ぐ。 そしてあと0.1kmの看板。このあたりになって、いよいよ足が滑り出した。 あと少しだが、後半の下りを考えると早めにアイゼンをつけておいた方が良いかもしれない。 相変わらずおもちゃのようなクランポンを取り付ける。しかし、この効果は絶大だ。 それから、しっかりと雪面を捕まえながら、登っていくと、 フッと目の前が明るくなった。頂上であった。 つづく
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