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元記事:Sigma DP1 Merrill Field Report Interchangable Cameras Instead of Interchangable Lenses





まず初めに、私がつい先日書いたSIGMA DP2 Merrillのレビューの話から始めたい。もしまだ読んでいないのなら、このレビューを読み進める前に先に読んで欲しい。そのレビューで私はDP2 Merrillを絶賛しているが、それでも実際よりかなり控えめだということをわかってほしい。

本音を言うと、私がこれまでテストしてきた中で、DP2 Merrillは最高のピクセルレベルでの解像度を示している。これは誇張ではない。

ここ数週間の間、私は何人かの著名な写真家とともに行動しており、彼らはDP2 Merrillを自分で購入したり、私から借りたりして他のカメラとの比較をしている。彼らは、DP2 Merrillと他のカメラの画像を並べると一様に頭を振り、ここで見たことをネット上で発表しないように私に頼んでくるのだ。もし比較画像をアップしてしまったら、ネット上に凄まじい論争が巻き起こり、馬鹿馬鹿しい言い争いが続くのは目に見えている。私はそんな悲しい思いをしたくはない。

さて、今回のDP1 Merrillレビューの前書きとして、私はとりあえず簡潔に結論を書きたい。

2000ドルから3000ドルくらいの値段のカメラとの比較では、どのレンズと組み合わせても、SIGMA DP2 Merrillの方が画質は上である。DP2 Merrillはそのクラスのカメラの中では最高の解像度を持っており、それより更に上のクラスのカメラ、例えばニコンD800Eや中判デジタルバックを50x75cmにプリントしたものと比較しても全く遜色はない。

DP2 Merrillの写りがこれほど凄まじいのは、その30mm F2.8レンズの性能によるところが大きい。このレンズは恐ろしいほど切れ味があり、収差が皆無である。さらにメリルセンサーと組み合わせることで生まれる相乗効果は素晴らしく、そこから出来上がる写真には、喜びと驚きが満ち溢れるかのようだ。

もちろん、DP2 Merrillは完璧なカメラではない。操作するときの反応は良いが、データの書き込みは遅いし、ライブビューをさせていると液晶画面がグラグラ揺れる。全体的な操作性はとても良いが、このカメラはやはり素人向けのカメラではない。

これは「写真家」のためのカメラだ。撮影に全力を尽くし、技術と知識があり、常にRAWで撮り、現像の際にSIGMA Photo Proの使い勝手の悪さに耐え、そこからさらに別のソフトで仕上がりを追い込める、そういう人のためのカメラだ。



Foliage. Toronto, September, 2012
Sigma DP1M @ ISO 200



SIGMA DP1 Merrill


DP1 Merrillは19mm F2.8(35mm換算で28mm)のレンズを付けている以外はDP2 Merrillと同じカメラである。読者の皆が知りたいことはおそらく、この19mmのレンズがDP2 Merrillのレンズと同じくらい信じられない性能なのかどうかということだと思う。DP1 Merrillのレンズ性能が劣っているなら買うのを見送りたいと思ってる人もいるかもしれない。

DP2 Merrillの30mmとメリルセンサーはほとんど魔法のような組み合わせである。DP1 Merrillがそれと同等なら、この二台を持ち運ぶだけで、画質に妥協せず荷物を軽くして旅行に行く事ができる。そうやってワクワクしてる写真家は多いに違いない。

私は一週間に渡りDP1 Merrillで撮影をしてきた。基本的にDP1とDP2の違いはレンズだけである。DP1 Merrillのレンズは中央から3分の2くらいまでは極めてシャープだが、周辺はそれほどでもなく、開放で撮ると周辺は甘くなる。F8まで絞ると周辺も十分シャープになる。画像の端は多少暗くなり、収差も少し出る。ただ、これらはLightroomを使えば一瞬で修正できる。

ここで思い出して欲しいのは、DP1 Merrillのレンズは19mm(35mm換算28mm)だということだ。上に書いたような欠点は他の高級単焦点レンズにも同様に起こる。この焦点距離では、ライカやツアイスといった最高のレンズでも、周辺は甘くなるし、わずかな口径食と収差は発生するのだ。単純に、広角単焦点レンズというのは作るのがとても難しいのである。

問題なのはセンサーの性能だ。あまりに厳密に光を記録してしまうので、優れた性能のレンズであってもそのアラが見えてしまう。解像度が低いセンサーなら、レンズの欠点は見えないものである。

唯一の例外はDP2 Merrillだ。DP2 Merrillのレンズは凄まじく、センサーとの組み合わせも完璧だ。DP2 Merrillは歴史に残るカメラになるだろう。そして、周辺まで完璧な広角カメラといった実現不可能なものを求めない限りは、DP1 MerrillはDP2 Merrillの良い相棒になるだろう。この2つの組み合わせは、最強である。


失地回復への道


シグマにとってもっとも大きな問題の一つは、信頼を取り戻すことだろう。昨年のSD1の価格設定にまつわる混乱によって、多くの人が苦い経験を味わった。

つい先日も、地方で小さな小売業を営み、シグマのレンズをたくさん取引している店主と話をしたのだが、その時にSD1の話が出たのだ。

彼は今どんなカメラを使ってるのか尋ねてきたので、私はSIGMAのDP2 MerrillとDP1 Merrillだと答え、それがどれほど素晴らしいカメラか話した。

彼はただ頭を振って、彼がどれほどシグマに対して怒っているか話し、今後二度とシグマのカメラは扱わないだろうと言った。シグマがSD1を発売した時、シグマの営業は小売店に対し、SD1を仕入れるように圧力をかけたのは明らかだ。しかも、その時の販売価格は8000ドルである。

彼は取引先を困らせたくはなかったので、SD1を嫌々ながら一台仕入れた。しかし、SD1は在庫として倉庫に置きっぱなしになり、その後何ヶ月たっても売れることはなかった。いつまでも倉庫に置いておくわけにはいかないので、在庫を処分するために、そのSD1はただ同然の価格で売り飛ばされたそうだ。最終的に残ったのは赤字だけである。シグマのカメラを仕入れると思うと、またあの後味の悪さを思い出すと彼は言った。



A Face in The Trees. Toronto, September, 2012
Sigma DP1M @ ISO 200



DP1 Merrillは誰に向いてる?


誤解があってはいけないのであえて書くが、DP1 MerrillはDP2 Merrillの姉妹機であり、それゆえに素人向けのカメラではない。バッテリー寿命は酷いし、書き込みも遅いし、RAW現像ソフトは使いづらい。しかし、こういったDP1 Merrillの欠点を忘れるか許容出来るなら、中判カメラやシートフィルムに匹敵するような信じられない高画質を手に入れることができる。

これは、私がこの数週間DP1 MerrillとDP2 Merrillを使ってきて、実際に実感していることだ。私は長い間写真を撮ってきたが、単にカメラがどれだけ写っているかプリントして確かめるのを楽しむのは初めての経験である。こういった楽しみは4x5フィルムを大伸ばしした時や、高解像度の中判デジタルバックで撮影した時にか味わえなかった。

しかし今では、シートフィルムも、暗室も、ラボも、高価なデジタルバックもなしで、同じような体験ができる。しかもこれがたったの1000ドルの、レンズ一体型のカメラを使って、きちんと撮るだけで得られるのである。

実用上の問題としては、ベイヤー換算で2400万から2800万画素でプリントできる大きさ以上には引き伸ばせないことがある。これはだいたい50cm x 70cmくらいの大きさだ。プリントがこれより小さい大きさで、ISO100かISO200、三脚を使って撮った写真ならば、世界に存在するどのカメラとレンズであっても対等に勝負できる。それがニコンD800EであってもライカM9と最高のレンズであっても、負けることはないだろう。



Last Corn Standing. September, 2012. Clearview, Ontario.
Sigma DP1M @ ISO 200




ライバル機たち


私の見る限り、SIGMA DP1/DP2 Merrillのライバルは二機種だ。ライカX2と、つい先日発表されたSONY RX1である。ライカX2は1600万画素のAPS-Cセンサーを搭載しており、SONY RX1はフルサイズの2400万画素である。X2のレンズは35mm F2.8であり、RX1は35mm F2のレンズを搭載している。どちらもローパスフィルターを使っている。

ここではレビューをしていないが、私はライカX2をしばらく使ってきた。操作面で言えば、ライカのほうがシグマより多少は使い勝手がいいが、解像度や画質全体での勝負となると全く相手にならない。シグマの画質は最高レベルに達している。しかも、X2の価格は2000ドルであり、これだけあればDP1 MerrillとDP2 Merrillの両方を買える。二台あれば予備機として使えるし、焦点距離の違った写真が撮れる。

SONY RX1は今の時点では操作性、使い勝手、画質などは全く未知数である。しかし、2800ドルという価格は少々行き過ぎのように思う。単焦点カメラということを考えても、この値段は高すぎるのではないか。




DP1 MerrillとDP2 Merrillのある生活


ひどいバッテリーに我慢しよう。遅い書き込み速度に慣れてしまおう。ゆらゆら揺れる液晶は気にしない。画質のことを考えたら、この程度の欠点は十分対処可能である。





閉じる コメント(6)

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まず、タイトルがいいですね。
ベイヤー機にはない表現と解像力にすっかりはまっています。
DP1xとDP2sを状況に応じて使い分けしていますが、
これがMerrillならもっと深みに落ちていきそうです。
SD1Mも欲しいですが、Canonのレンズ資産もあるので、
たぶんDP Merrillへ行き着くと思います。
素敵な記事有り難うございました。

2012/9/29(土) 午後 2:39 [ みみたろう ] 返信する

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>みみたろうさん
コメントありがとうございます。DP Merrillの二台持ちは記事にもあるように最高の組み合わせだと思いますね。

2012/9/29(土) 午後 9:54 [ ka_tate ] 返信する

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検索で来ました。
DP1メリルの詳細な記事ありがとうございます。

現在はDP1xを使っていますが、これの購入動機が単に携帯カメラの画質に満足できず旅行の記念にならないので、偽りのない鮮明な旅行写真(主に風景)が撮れれば良い、という理由だけでした。

私の初の本格カメラでかつジャジャ馬カメラなのに、価格が4万円を切っていたこともあり思い切って買いました。

でもこのカメラを買って、早朝の富士山の赤富士や紅富士を撮影したり、先日は富士山頂の御来光も撮影できたりして、持ち運びが苦にならず、素人でもある程度使いこなせれば腕はともかく光量があれば綺麗に撮れるのでいいカメラを選択したと思っています。
富士山の写真はA3ノビに印刷もしました。

でもDP1x、私のは沈胴式のレンズが出先で保障期間内に2度も故障し(3千〜5千枚ぐらいの撮影枚数)、トリミングと接写になるパーツの撮影が弱いこともあり、もう1台追加購入を考えています。

その矢先この記事を読み、私は旅行先の風景撮影がメインなのでこのDP1メリルを買って、DP1xのほうは予備にしようと思っているところです。 削除

2012/9/30(日) 午後 11:29 [ カクシカおじさん ] 返信する

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>カクシカおじさん
コメントありがとうございます。よく持ち歩いてると故障はどうしても起きてしまいますけど、メーカーのサポートに直接連絡すれば安価で、もしくは無料で修理してくれますね。DP1 Merrillは画素数も増えてるしレンズも明るくなって以前よりも広いシチュエーションで撮影できるようになってると思います。

2012/9/30(日) 午後 11:52 [ ka_tate ] 返信する

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貴重なレポートを拝見いたしました。
購入を迷っていましたが、DP1 Merrillを明日買おうと思います。
ブログは、JPEGで楽しんでいて、フォトショとNX2を多用して、lightroomはあまり使い込んでいないのですが、少し研究いたします。
本当にありがとうございました。 削除

2012/10/28(日) 午前 4:09 [ kei ] 返信する

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>keiさん
コメントありがとうございます。SIGMA Photo Proも使い込めばかなり多彩な表現ができるソフトなのでこっちもいろいろ試してみてください。

2012/10/28(日) 午後 10:20 [ ka_tate ] 返信する

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