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単焦点レンズの愉悦

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SIGMA 300mm F4 APO Telemacro

またぞろシグマの機材をヤフオクに出すことにした。迷ったが、300mm F4やDP2 Merrillも出すことにした。

理由としては、以前書いたように、クワトロ・MC-11+SONY α時代になって、旧式のレンズのAFが効かなくなった、というのが一つ目。もう一つは、クワトロセンサーが、少なくとも僕の考える「最高の画質」を達成しているので、それ以前のメリルセンサーや、さらに前の470万画素センサーに戻る理由があまりないということだ。

実際、今回かなり機材を手放して(DP1s、DP2、SD14、SD1 Merrill、DP2 Merrill、DP1x、DP2x:計7台)、手元に残ったシグマのカメラはSD15とsdQHだけになった(それプラス便利カメラとしてα7II)。SD15を残したのは、スポーツイベントを撮るときのために、連射の利くレフ機を残したかったから。sdQHで運動会を撮るのは正直かなりキツイ。α7IIは連射も速いし優秀だけれど、画質で考えたらRAW現像したSD15の方が僕は好みだ。

今回手放す中で一番思い入れがあるのは300mm F4。おそらく世界を探してもこのレンズ+シグマのカメラをメインで撮っていた人は僕しかいなかったと思う。flickrでもこのレンズを常用していた人は見かけなかった。


望遠単焦点というのは、通常は鳥や飛行機、スポーツなどを撮るのに使うと思う。ズームよりはレンズに明るさがあるので、速いシャッターを切れるし、ISOも低くできる。被写界深度も薄いので、主題を中心に画面を切り取ることができる。

その反面、サンニッパと比べると明るさが足りないとなってしまうので、画質を最優先し、機材の重さを気にしない人はサンニッパに行くだろうと思う。ある意味では中途半端なレンズなのだ。おそらくそのせいだろう、サンヨンというスペックのレンズは現在キヤノンやニコン、ペンタックスといった、カメラメーカーからしか出ていない。互換レンズメーカーは出していないのだ。売れないからだろう。

しかし僕は、サンヨンというスペックのレンズが好きだ。なぜかというと軽いので「スナップ」に使えるからだ。サンヨンでスナップというとものすごく奇妙に響くと思うけど、僕はこのレンズをカメラに付けてプラプラと街を歩くのが好きだった。


単焦点レンズの最大の特徴は、焦点距離を変えれないということ。焦点距離は変わらないので、何か被写体を見つけたときに、迷わずシャッターが切れる。撮るときには構図だけを考える。そのスピードが自分には合っていたし、その不自由さがゆえに、工夫をすることで写真が上達したと思う。

スナップの場合は特にそうなのだけれど、だいたいの写真は一枚目が一番良い。撮りたいという気持ちがそのまま画面に出るから。撮りたいという気持ちを持ちながら、じゃあ絞りはどうしよう、構図は、焦点距離は、とやっていると、肝心の気持ちや被写体がどこかに行ってしまう。そうやって撮られた写真は、そつなく撮られているかもしれないけれど、どこかで見たような、心に届かないものになっていることが多い。



画面を操作できる余地があると、人は知らずに自分の心地よいものに向かってしまう。気づけばいつも同じようなものしか撮れなくなり、写真そのものに新鮮さを感じなくなってしまう。



ズームを使うとこういうことが起こる。「同じようなもの」しか撮れなくなる。単焦点はそうはいかない。なぜなら不自由だから。画面を「合わせる」ことができないから。だから工夫ができる。だから、自分にしか撮れないものが撮れる。僕はそう思う。

ある程度、そういうものに慣れてくると、ズームを使っても同じようなことができるようになると思う。しかし、写真を始めたばかりの時は、やはり単焦点でひたすら撮るという経験が必要なのではないか。

僕は「サンヨンでスナップ」という、おそらく他の人があまりやっていない撮り方でたくさん写真を撮って、自分なりの表現に近づけた。それが50mmや35mmや28mmだったら、たぶん僕はどこかで止まってしまっていたのではないかと思う。

ということで、このシグマ 300mm F4 APO Telemacroというレンズには感謝しかない。このレンズがあったから僕は今でも写真を撮っている。じゃあなぜ手放すのかというと、僕はもっと先に行きたいからだ。手元にあったら、たぶん僕は同じところにずっと居続けたままになってしまう。

たぶんカメラやレンズだけでなく、人も、仕事も、色々なものも、そうやって通り過ぎていくのだろう。成長というのは何かを失うことだと、誰かが言っていた気がする。たぶん僕は、少しずつ前に進みたいのだ。

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シグマ製品をヤフオクに出すことにしたので、なんか名残り惜しいから思い出などを書いてみよう。

DP2

初めて買ったデジカメ。これは思い入れが深い。絞り・シャッター速度・ISO・RAW現像、全部これで覚えた。写真の全てをDP2から学んだと言っても過言ではないくらい。



この写真はtumblrでもかなりバズられたり、内外のネットニュースで良く使われてた(昔は写真全部クリエイティブコモンズに指定していた)。当時は今みたいなコピペまとめサイトみたいなのがあんまりなくて、ネットの写真の使い方も良心的だったと思う。

最初は起動が遅かったり、AFが遅かったり使い勝手が悪かったけど、ファームアップでだいぶ良くなった。画質は今でも十分通用すると思う。


シグマの画質はISO100のRAW現像に限定したら「時代を超えてずっと通用する」んじゃなかろうか。4Kは800万画素だから等倍でもちょい足りないけど(DP2の解像度は470万画素)、アプコンしたら十分見れる気がする。

DP2で写真を撮り始めて、ネットに上げるようになったら、いろんな人に写真を見てもらえるようになった。たぶん、当時も今も、フォビオンの画質というのは時代を超えた何かがあるんじゃないかなと思う。僕はほとんどSPPしか使わないんだけど、SPPだけでここまで仕上げられるカメラというのは、今でも他にはない。

特にMerrill以降にシグマのカメラを使いだした人は、470万画素の旧センサーの取り扱いやすさというのは体験してほしかったり。今のパソコンだとホント現像速くて楽だし。


SD14

DP2で写真が面白くなったので一眼レフが欲しくなり、手に入れたのがSD14。当時は中古があまり出回っておらず、eBayでわざわざオーストラリアから中古を購入した。当時は大学休学(というか無職)してたのでお金がなく、新品の一眼レフなんか買えなかった。



SD14と同時に300mm F4を手に入れて、それでかなりたくさん写真を撮った。シグマのサンヨンは3分の1倍マクロなので、かなり近い距離でも写せる。昆虫撮るのは今でも最高のレンズじゃないかな。はやくグローバルビジョンで新型のサンヨン出してほしい。

ちなみにこの蝶の写真はシルキーピックスのお試し版で現像して、設定を忘れてしまったので今でも再現できない(笑)



SD14はとにかく色が良い。デフォルトの設定だとセンサーの飽和までかなり余裕があって、常に露出を+0.7で撮って、SPPで露出を下げていた。それでもハイライトが飛んだ記憶はあまりない。低感度で撮ったとき、今でも一番色がいいカメラはSD14なんじゃないかなと思う。



逆にちょっとでも感度上げるとすぐに色がダメになる。上の写真も夕方の競馬場で撮ってシャッター速度がいるからISO400にしたら、もうカラーでは見れない。仕方なくモノクロに逃げた(けどまあ、それはそれで良い写真になった気もする)。


DP1s


DP2とSD14だけだと広角が足りないということで、DP1を買おうかどうか悩んでいた。当時はDP1は逆光に弱くフレアに特徴的な「サッポロポテト現象」が出るとの評判で、導入をためらっていた。で、そのサッポロポテトを改善して、多少逆光に強くなったのがDP1sで、これなら大丈夫かなと買ってみた。



逆光に強いDP1s。レンズが良いので写りもすごい。ただ、動作が遅かった。DP1sはDP1のコーティングとフィルタを改良して逆光に強くした(だけ)のカメラで、中身はほとんどDP1と同じだった(QSボタンに相当するカスタマイズもあったけど)。DP2に入ったイメージプロセッサのTRURIIはDP1sには入らなかったので、書き込みが遅い遅い。でもじっくり撮る分にはホント良いカメラだと思う。




DP2、SD14、DP1sとカメラがだいぶそろってきたので、機材の面で撮影に困ることはほとんどなくなってきた。ただ、当時はSD14に安いズームしか使っておらず、明るい単焦点が欲しくなった。


ということで導入したのが30mm F1.4 EX DC。

小さくて軽くて良く写る。周辺が甘くて歪曲もちょっとある。けど、中央だけならDP2にも負けないくらいの解像度。かなりベストセラーになったレンズ。



明るいレンズだと、薄暗がりでもISOを上げずに撮ることができる。癖があるけど、持ち出しやすいので良く使った。




でも、もうちょっと長くて明るいの欲しいなということで、50mm F1.4 EX DGを買った。

これはすごいレンズだよなあ。今でもすごい。ボケがすごい。空気感がすごい。本当にすごい。



今でこそ、シグマは純正以上の高性能レンズを作るメーカーという認識があるけど、当時は「サードパーティー」で、1ランク落ちる会社みたいな印象がまだ残っていた。確かフィルムの頃は、型落ちの一眼レフにシグマのズーム付けて割安で売る、みたいな扱いをされてたと聞いたことがある。

なので、互換レンズ会社には「純正と同じスペックのレンズを売ってはならない」みたいな不文律があったとか。あくまでもスペックの隙間を狙っていくしかなかったらしい。それを変えたのが、このシグマの50mm F1.4 EX DG。純正のスペックにガチンコ勝負を挑んで、しかも画質でも負けない。今でいうアートシリーズの走りみたいなレンズだったと思う。


新型のArt 50mmもすごいらしいけど(持ってない)、ボケの滑らかさだったらこっちの方が上なんじゃないかな、という印象。


標準から望遠あたりの焦点距離はだいぶカバーしてたんだけど、広角は28mmのDP1sしかなかった。なので、それより広い広角を試してみようということで導入したのが10-20mm F4-5.6。



人間の視界より広く風景を写せるのはとても楽しくて、風景を撮るときにはいつも持ち出していた。初めて10mmを見たときはすごく新鮮だった。

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と、レンズが一通り揃ったところで、SD1の発表になった。開発発表が2010年の9月。その前のSD15の発売が2010年の2月だったから、SD15を買う資金を貯めているときに、SD1の発表があった。

今でも思うけど、やっぱりSD1の発表は早すぎたよなあ。SD15が発売して半年も経たないうちにSD1だから、僕みたいに買いあぐねてた人はみんな様子見したと思う。そして、SD1の発売は約1年後の2011年6月。で、伝説の定価70万円。当時のネットの阿鼻叫喚といったらすさまじかった。



僕は当然ながら70万円なんか用意できなかった。分割(60回払い!)で買おうとしたけど、当時働き始めたばっかりでクレジットカードの審査が下りなかった(笑)。上の写真はネットで知り合ったSD1買った人と撮影会に行って、その時貸してもらった時に撮ったもの。「複眼までバッチリ見える!」と驚いた。

で、SD15を買おうかSD1の値段が下がるのを待とうかあれこれ考えた(後から追加で買って分かったけど、SD15は非常に完成度の高い名機だ。でも当時は僕みたいにSD1どうしようか悩んでる人が多かったのでスルーされ続けた。非常に不運なカメラだと思う)。結局SD1を買うことに決めて頑張って働いた。

2012年の2月、CP+直前にSD1 MerrillとDP Merrillの発表があった。そして、これも伝説になった40万円キャッシュバックで、ネット上が祭りになった。SD1 Merrillは20万円を切ってたのでようやく買うことができた。いやいや、長かった。

SD1 Merrill


実は、これもほとんど忘れられてるけど、SD1は発売後のバグがかなりひどかった。かなり頻繁にアップデートがされてて、1年くらい経ってようやく画質が安定した。そして、安定した後にSD1 MerrillとDP Merrillの発売が来たので、この時手に入れた人は画質で困ることはほとんどなかったと思う。僕もほとんど不満はなかった。






SD1 Merrillの本当に改善してほしかった欠点はカードの書き込みの遅さ。これはもう、データが大きいから仕方ないと思うんだけど、それでも何とかして欲しかった。DP Merrillはプロセッサか基盤の改良があったせいか、同じセンサーなのに書き込みがかなり速かった。せめてDP Merrrll並みの速度が出てればなあと今でも思う。


メリルセンサーには得意な色と苦手な色があって、青色は本当に素晴らしい色が出る。



青と比べると、やはり他の色は弱い。解像度は高いけど、色が出にくいというのが、僕の最終的なメリルセンサーの評価。でも、それでもやっぱり唯一無二の画質だと思う。


僕は今後はQuattro Hとソニーαを使い分ける。グローバルビジョン以前のレンズはAFが合わせづらいので、やはり使い勝手が悪い。SD1にQuattroセンサー載せたカメラが出れば、それを使い続けられたんだろうけど、シグマにも事情があるから仕方ない。

シグマのカメラをずっと使い続けてきて、色々勉強できて良かったと思ってる。とても楽しかった、というのが正直な感想だ。でも、さすがにいくつも使わないカメラやレンズを抱えたままにはしておけないし、古くなって調子が悪くなるのを待つくらいなら、売りに出して他の人に使ってもらった方が良い。

今までありがとうございました。これからも、よろしく。





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SIGMA sd Quattro H + 18-35mm F1.8 DC HSM

シグマが2012年にグローバルビジョンレンズを発表してから5年ほどたった。

僕が写真を撮り始めたのが2009年で、グローバルビジョンの発表はその3年後だから、グローバルビジョン前よりも、あとの方が長い時間が経っている。けれども、自分の感覚としては、グローバルビジョンの発表はそんなに昔のような気がしない。不思議だなと思う。

僕は2012年の段階でほとんど全ての焦点距離をカバーできるだけのレンズをそろえていた。10mmから300mmまで、ほぼ途切れなく写せるレンズが手元にあった。なので、どれだけグローバルビジョンレンズの性能が良くても、同じ焦点距離のレンズを置き換えるようなことはあまりしてこなかった。

グローバルビジョンレンズが圧倒的に前の世代と違うのは、その解像度で、これは等倍鑑賞をしない人間には、実はあまりアピールポイントにならない(僕は等倍鑑賞はしない)。USBドックがあるからAFの精度も向上してるんだけど、僕はレンズを買うたびにボディと一緒に工場に送って調整してもらっているので、古いレンズでも全く問題がなかった。そして、グローバルビジョン前のEXレンズも、十分性能が良い。50mm F1.4 EX DGも70mm Macroも50-150mm EX DCも、SD1 Merrillで使って何も問題ないくらい優秀だ。

SD1 Merrill + 50-150mm F2.8 EX DC OS HSM

僕はグローバルビジョンレンズを買う機会を逃し続けたので、Quattroの導入も遅れた。メリルセンサーは発売してから性能が落ち着くまでに結構時間がかかったのを見ていたから、Quattroも様子見をして、性能が安定した頃に買おうと思っていた。そして、sd Quattroは、グローバルビジョン以前のレンズのAFに問題があるということだったので、これもしばらく様子見することにした。

sd Quattro Hが出る頃には、センサーの性能もAFも、ひとまず安定したようだったので、導入を決めた。Quattroを使い始めて、一番最初に感じたのが「色が良い」ということ。圧倒的な色の良さがQuattroの特徴だと、ぼくは思う。

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sd Quattro H + 70mm F2.8 EX DG Macro


「色の良さ」というのは、実は説明が難しい。あくまで感覚的なものだし、今の時代、Photoshopで上手く加工すれば、それなりの色は出せる。けれども、ずっとMerrillで現像してきた僕のような人間からすると、Quattroの色の出しやすさというのは、特筆すべきものだ。苦手な色というものがあまりない。ほとんどの色を自分の思い通りに出すことができる。これは本当にすごいことだと思う。最初にQuattro Hの写真を現像したときに「これからはこれを中心に行こう」とすぐに決断した。

そうなると問題になるのがレンズだ。手元にはグローバルビジョン以前のレンズが多く、しかもAPS-C用のDCレンズが大半だ。Quattro Hで行くとなると、DCレンズでは性能が発揮できない。調べてみたら、18-35mm F1.8の20mm以降と、50-150mm F2.8はHでも行けることが分かった。しかし、それ以外のレンズは厳しい。

Quattro H導入と前後して、仕事用の便利カメラとしてソニーのα6000を使い始めた。これにMC-11を載せれば手元にあるSAマウントレンズがそのまま使える。で、使ってみたところ性能はそんなに悪くはない。悪くないどころか、α6000はミラーレスカメラとしてみたらsd Quattroの何倍も使いやすい。

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α6000 + MC-11 + 50-150mm F2.8 EX DC OS HSM

MC-11の問題は、これもsd Quattroと同じで、グローバルビジョン以前のレンズはAFがあまり合わない、ということだ。最新のファームでかなりマシになったけど、やっぱり今でも70mmマクロはAFが合わない。

このAF問題は改善されるのだろうか?僕はあまり期待していない、というと怒られるかもしれないけれど、やっぱりシグマだって商売だ。グローバルビジョン以降は制御の方法が全く違うのだろう。それ以前のものに全部合わせるのにも、限界はあるし、どこかで線を引かないといけない。

自分の撮影スタイルがどのようなものか、自分の被写体がどのようなものなのか、改めて考えてみた。そして、カメラの将来と、シグマの未来も考えてみた。

Quattroの絵を見て、そして、α6000を使ってみて、やはり自分はシグマを使い続けるだろうと思った。そして、シグマはその開発リソースをフルサイズ用レンズに向けていくだろうな、とも思った。

小型センサーのカメラは、おそらくスマホに飲まれていく運命なのだと思う。ダブルレンズのスマホが広がり、その性能が上がっていけば、小型センサーのデジカメの出番はほとんどなくなっていくだろう。APS-Cとm4/3は小型・軽量・高性能という方面に進化していくと思う。そうなると、シグマの画質最優先・重厚長大という路線はAPS-C ・ m4/3とは合わなくなっていくのではないだろうか。

もちろん、コンテンポラリーシリーズがその役目を負えなくはないだろうけど、現在の高性能ミラーレスはレンズとボディのセットで性能が最大限発揮されるように(特にAFの速度面で)設計されてるように感じる。ソニーのαはやっぱりソニーのレンズが圧倒的に使いやすい。ここはサードパーティーであるシグマには分が悪い。僕はDCのアートシリーズは50-100mm F1.8で終わるんじゃないかと心配してる。

スマホに侵食されず、なおかつシグマの優位性を保てるのは、なので、フルサイズ用超高性能レンズしかないのではないか。

そんなことを考えて、僕はグローバルビジョン以前のDCレンズと、ほとんど使っていないカメラボディを手放すことにした。現在ヤフオクに出品中である。たぶん今後は、作品用の写真はsd Quattro Hで、日常の写真はソニーのαで、撮っていくことになるだろうから。

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sd Quattro H + 35mm F1.4 DG HSM Art

時代は変わっていくし、被写体も機材も変わっていく。けれどもたぶん、僕はこれからもずっと写真を撮り続けるのだと思う。その時僕が使うカメラが、いちばん使いたいと思うカメラが、シグマだと良いなと、やっぱり今でも思うのだ。



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―皆さんこんにちは。Gentec SIGMA Canadaのマイク・ラストです。今日はシグマCEOの山木和人氏にお話を聞くことができました。Gentec SIGMA Canadaへようこそ。お会いできて光栄です。
 
山木:ありがとうございます。
 
―ではさっそく始めましょう。シグマのアートシリーズは、ここカナダでも大きな成功を収めています。過去のシグマの製品から新しいグローバルビジョンシリーズに大きく飛躍するにあたって、いったいどのような考えがあったのでしょうか。
 
山木:新しい方針を決めるにあたって、シグマはどうやってカメラ産業や写真文化に貢献していくべきか、ずっと議論をしてきました。その結果、いわゆる普通のスペックのレンズを作ることが私たちの仕事ではないとの結論に至りました。というのも、ユーザーがそのようなレンズを選ぶときは、大手メーカー製のものを手にするからです。なので、私たちの仕事は、ありきたりではない、高性能なレンズを作ることだと考えました。シグマには優秀なエンジニアがいて、素晴らしい工場がありますから、高性能レンズを作ることが可能なのです。
 
24-70mm F2.8レンズは、ここカナダを始め、アメリカや世界各地で出荷が始まりました。このレンズの開発にはどれくらいの時間がかかったのですか?
 
山木:だいたい2年くらいです。
 
―最終的な製品になるまで、エンジニアはどれくらいの試作品を作るのでしょうか。レンズの形式や配置をいろいろ試したりするのですか?
 
山木:最初にレンズの形式をシミュレーションするのですが、その時点ではあらゆる組み合わせを試します。実際どのくらいのパターンを考えたのかはわかりません。しかし、いったんレンズの配置が決まり、試作品を作ると、そこから構成は変えません。
 
―その時点で24-70mmF2バージョンを試しましたか?
 
山木:今回は試していません。実は別のレンズでF2を試してみたことがあるのですが、その時は非常に困難だと判明し、最終的に中止しました。
 
―つい先日発売になった14mm F1.8 Artレンズが今ここにあるのですが、14mmF1.8というのは世界で初めてのスペックのレンズです。このようなレンズはどうやって製品化されるのですか?例えばエンジニアがあなたの所にやってきて、14mm F1.8を作りたいと言ってくるのか、それとも反対に山木さんがエンジニアの所に行って14mmを作れと言うのか、どのように決めているのでしょうか。
 
山木:これは元々、私とエンジニアが軽くおしゃべりをしていた時に思いついたものです。私は自分のオフィスを持っていません。エンジニアが働いているフロアに私の机があります。そこで、光学設計を担当しているエンジニアとよく世間話をしています。
 
かつてシグマは14mm F2.8というレンズを作っていたのですが、このレンズが生産停止になった後で、新しいバージョンの14mmレンズの需要があることがわかりました。なので、エンジニアに新しい14mmを作れないか聞いたのです。エンジニアは「できます」と言ったのですが、同じ14mmF2.8じゃつまらないよね、という話になりました。じゃあ、F1.8に挑戦してみようかということで、開発が始まったのです。
 
12-24mm F4 Artレンズでは、新しく大口径の非球面レンズを採用しました。これは14mm F1.8レンズにも使われている技術です。12-24mmを開発したときに、この非球面レンズが他のレンズにも応用できると考えていたのでしょうか?
 
山木:実際に12-24mm14mmに使っているのは同じレンズではありません。違うレンズです。しかし、その製造には同じ技術を使っています。12-24mmを開発していた時に、大口径非球面レンズを製造するための技術を新しく採用しました。この経験があったので、エンジニアは14mm F1.8を作ることが可能だとわかっていたのです。なので、同じ技術を使って14mmの非球面レンズを開発しました。
 
―ということは、同じ技術を将来、新しいレンズにも採用していけるのでしょうか。
 
山木:はい。将来もっと高性能な広角レンズを作ることが可能になると思います。
 
―この100年でカメラの技術は大きく進歩しました。しかし、レンズそのものは100年前と比べてもそれほど変化していないように見えます。レンズの生産方式やコーティングなど、大きく変わったものもありますが、高性能でなおかつ小さくて軽いといった大きな革新はありません。レンズの将来についてどのようにお考えでしょうか。
 
山木:良い質問ですね。確かに本当の意味での革新的な技術というのはレンズにありません。理由の一つに、今でもガラスをレンズの素材として使っているということがあります。もちろん、他にもレンズに使われているものはありますが、今の時点でも光を通してイメージセンサーに届けるという意味ではガラスが最適な素材なのです。なので、ガラスを使い続ける以上は、既存の技術を使い続けなければなりません。
 
しかし、私たちは常により良い製品を作るために開発を続けています。将来は、もっと小さくて軽い、高性能なレンズを作ることができると考えています。
 
―シグマがシネレンズに参入したのはなぜでしょうか。
 
山木:そもそも以前から、多くの写真家や動画撮影者がシネレンズを作ったらどうかと話してくれていたのです。その後、18-35mm F1.8レンズを発売して、これは元々静止画用のレンズなのですが、動画で使う人が多くいることがわかりました。なので、これは需要があると判断して、シネレンズを開発しようと決断したのです。
 
―シグマのシネレンズは今後どうなっていくのでしょうか。もっと多くのラインアップが追加されていくのですか?
 
山木:はい、今の時点では10種類のシネレンズがありますが、将来はもっと拡充していく予定です。なので、ユーザーの方々には今後の新製品に期待してほしいですね。
 
―シネレンズでは縦長に圧縮して撮影し、上映時に拡大するシネマスコープでの撮影が主流ですが、シネマスコープを撮影できるアナモフィックレンズへの参入には大きな壁があります。多くのユーザーはアダプターを使ってシネマスコープに対応しているのが現状です。シグマは常に革新的な製品を開発してきた会社ですが、アナモフィックレンズへの参入も考えていますか?
 
山木:実はシネレンズの開発を発表してから、シネマスコープに対応したレンズを作って欲しいという要望が、多くのユーザーから寄せられています。現在はまだ研究段階なのですが、もし大きな需要があれば開発も考えたいと思います。
 
―先日シグマのシネレンズをカナダの映画製作会社に紹介する機会があり、大変盛況でした。シグマのシネレンズのみを使った映像作品で、何か気に入ったものはありますか。
 
山木:シネレンズを発売するにあたって、知り合いの作家に依頼して映像を作成しました。「Blur」という短編映画です。これはシグマのウェブサイトやYoutubeでも見ることができます。これが今のところ私が一番気に入っている作品です。
 
―シグマカナダはSigma ARTisan Seriesという、カナダの作家が制作した映像を集めたサイトを始めました。ご覧になられましたか?
 
山木:はい。とても気に入りました。ストーリーもいいし、映像も素晴らしいです。色、諧調、ボケ、BGM、とても良いと思います。
 
―作品のテーマである職人というのも、シグマや会津工場に通じるものがあります。すべてを自分たちで作っていく。
 
山木:そうですね。
 
―シグマカナダのSNSのフォロワーやユーザーからはEマウントレンズに対する要望が多いです。とりわけFEレンズですね。シグマにはMC-11があるので、これを使えばEマウントやFEマウントでも、多くの高性能なレンズを使うことができます。しかし、Eマウント専用のアートシリーズやコンテンポラリーシリーズのレンズはほとんどありません。
 
また、山木氏自身、ソニーのミラーレスを使っていると聞いたことがあります。将来的にEマウント専用レンズはどのようになっていくのでしょうか。
 
山木:私たちはEマウント専用のレンズをもっと増やしていく予定です。また、FEマウント専用のレンズも発売する予定です。MC-11を開発したのは、キヤノンとソニー、あるいはシグマとソニーの両方を使っているユーザーのためです。将来的にも、このような複数のマウントを使い分けるユーザーはいると思います。
 
しかし、ソニーのEマウントだけを使っているユーザーもいますから、Eマウント専用のレンズを開発しなければならないと思っています。
 
―それは、Eマウントに特化した、例えばより小さなFEマウント用レンズを設計するということでしょうか。現行の50mm F1.435mm F1.4をより小型にしたFEレンズのようなものも発売されるのでしょうか。
 
山木:具体的な製品についてはコメントできません(笑)現在は同じ設計で行くのか、Eマウント専用にするのか、どちらが良いのかを検討中です。
 
―山木氏がシグマのCEOになられてから5年になります。CEOになってからこれまで開発した中で、最も大きな達成や、最も誇りに思うような製品はありますか?
 
山木:35mm F1.4ですね。これはアートシリーズの最初のレンズです。新シリーズを発表するときは、実はとても不安でした。もしこれが成功しなければ、会社全体にとって大きな損失になってしまうのではないかと、大変心配しました。
 
しかし、幸運なことに、多くのユーザーがこのレンズを高く評価してくれました。新シリーズがユーザーに受け入れられたことがわかって、とてもほっとしました。
 
―もし5年前に戻れるとしたら、もう一度やり直したいことはありますか。
 
山木:良い質問ですね。正直わかりません。なぜならいろいろな物事を決めるのは私だけではないからです。経験のあるシグマの社員や、ここカナダのジェンテックといった長い付き合いのある取引先にも助けられてきました。シグマのエンジニアや社員、取引先、そのすべてがベストを尽くしてきたと思います。
 
―山木氏自身も写真撮影を楽しんでいると聞いています。いつも持ち歩いているのはどのようなカメラなのですか。
 
山木:普段はdp2 Quattroを使っています。sd Quattroも使いますね。
 
―個人的に好きな撮影方法や被写体はありますか。スナップや風景写真のような。
 
山木:個人的にスナップ写真が好きですね。もちろん、家族の写真を撮るのも大好きです。
 
―撮った写真をネットで共有したりしますか。それとも現像する時間もないのでしょうか。

山木:時々私のFacebookページに写真を上げたりしていますよ。でも、友達にしか公開していません。正直言って、写真はそんなに上手くないのですよ(笑)
 
―でも楽しんでやっているのですよね。
 
山木:そうです。
 
―それが一番大事です(笑)毎日訪問しているような写真サイトはありますか?
 
山木:dpreviewのような写真情報サイトはいつもチェックしていますね。また、個人的に噂サイトをチェックするのが大好きです。
 
―好きな写真家はいますか。
 
山木:いわゆるファインアート系の写真を見るのが好きですね。例えば、アーヴィング・ペン、アンドレアス・グルスキー、もう少し古い、フランスのジャンル―・シーフの作品。こういったファインアートの写真が好きです。
 
―カナダに来られたのは今回が2回目と聞いています。ここカナダで何かいい思い出はありますか。
 
山木:いろいろな人に会えるのはいつも楽しいですね。とりわけ取引のあるジェンテックの人と会って話をするのがとても楽しいですし、情報を共有したり、将来について話したりするので、とても良い経験をさせていただいています。
 
―山木氏は野球ファンだと聞きました。
 
山木:そうです。大好きですね。学生の時に野球をやっていたのですよ。
 
―そうなんですか。いつ頃されていたのですか?
 
山木:中学校の時に野球部に所属していました。
 
―ポジションはどこですか?
 
山木:ショートです。
 
―素晴らしい(笑)

では次にあげる二つのうち、どちらがいいかという質問をさせてください。簡潔にお答えください。
 
山木:わかりました。
 
―単焦点とズーム、どちらが好きですか。
 
山木:単焦点。
 
―広角か望遠か。
 
山木:広角が好きです。
 
―ビールか酒か。
 
山木:ワインです(笑)
 
―フィルムかデジタルか。
 
山木:良い質問です。うーん、デジタル。
 
―モノクロかカラーか。
 
山木:撮影するならカラー。見るならモノクロです。
 
―良い回答ですね。砂浜で過ごすか雪の日か。
 
山木:砂浜。
 
―質問は以上です。本日はありがとうございました。

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CP+2017の会場で シグマの新製品14mm F1.8を手にする山木CEO



シグマは今年のCP+で4本の新しいレンズを発表した。14mm F1.8 DG HSM Art, 24-70mm F2.8 DG OS HSM Art, 135mm F1.8 DG HSM Art, そして100-400mm F5-6.3 DG OS HSMだ。CP+の会場で山木氏に新しいレンズについて話を聞いた。

―:以前のインタビューで、シグマは広角レンズをもっと発売したいと話されていました。12-24mmや14mmを出したことで、目標は達成したとお考えですか。

山木:そうですね。けれども、まだ満足はしていません。もっとたくさんの広角レンズを作る必要があると考えています。明るい14mmのレンズというのは、ユーザーから欲しいと言われていたレンズの一つです。既存の14mmレンズはF2.8がほとんどですから、F1.8というのは大きな挑戦でした。


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シグマの新しい14mmはこれまで発売された中で最も明るいF1.8を達成している。さらに、既存のより暗いレンズよりも性能は上だという。


―:アートシリーズのレンズを作ることでシグマが得たものは何でしょうか。

山木:性能をひたすら追求したレンズに需要があるということですね。シグマという会社は、他社がやらないような製品を作る会社だと思っています。もし、今売られているのと同じようなレンズばかり作っていたらカメラ業界に何も貢献できないし、ユーザーにもメリットはありません。なので、アートシリーズは最高性能を追求することにしたんです。

アートシリーズはかさばるし重たいです。それは事実です。しかし性能が高いからユーザーに買ってもらえる。そのことが分かったのは良かったですね。

―:シグマはソニーEマウント用にアダプターを発売していますが、将来的にソニーEマウント専用のレンズを開発する予定はありますか。

山木:はい、その計画です。ソニーEマウントのフルサイズ用レンズを開発する予定です。将来的にはEマウントレンズの種類を増やしていくつもりです。ただ、それには時間がかかります。一つのレンズを開発するのに、通常は2年から3年かかるんですよ。なので、仮に今開発をスタートしたとしても、発売は2年後になります。

―:新しいアートシリーズは簡易な防塵防滴性能を持っていますが、何か理由はあるのですか。

山木:ユーザーからの要望があったからですね。レンズマウント内に雨や雪が侵入するのでマウント部をシーリングして欲しいという声がありました。もう一つの理由は最近の傾向に倣ったからです。他社さんも防塵防滴レンズを出していますし。

―:防塵防滴にすることで設計がより複雑になったりするのですか。

山木:いいえ、そんなことはありません。今回のはマウント部にシーリングをしただけです。当社のスポーツシリーズのような完全な防塵防滴ではありません。例えば150-600mmはフォーカスリングやズームリングなど、すべての部分にシーリングを施しています。

―:グローバルビジョンレンズのなかで、開発が最も困難だったレンズは何でしょうか。

山木:12-24mmですね。これはとても大きな非球面レンズを使っているんですが、開発時点ではこのようなレンズを使っている会社はなかったし、そもそもそれを製造する装置すらありませんでした。なので、自社で大口径非球面レンズを製造する装置を開発したんです。しかし、その技術があったおかげで、新しい14mm F1.8レンズを作ることができました。

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シグマの12-24mmは最前面に巨大な非球面レンズを持つ、とても複雑な設計だ。


―:グローバルビジョンをスタートさせてから5年が経ちました。この間の最も大きな達成は何でしょうか。

山木:まず私は今でも満足しきっていません。もっとやらなければならないことがたくさんあります。しかし、ここ最近はシグマが高品質な製品を作る会社だと認知されてきたようで、とても幸せですね。以前はシグマはただのサードパーティーメーカーで、安くて性能の悪いレンズを売る会社だと思う人もいましたから。しかし、人々のシグマに対する見方は徐々に変わってきていると感じます。そのことを大変うれしく思います。

―:キヤノンやニコンの機材を使うプロ写真家はCPS(キヤノンプロフェッショナルサービス)やNPS(ニコンプロフェッショナルサービス)といったサービスを利用しています。シグマも同じようなプロ向けのサービスを行う可能性はあるのでしょうか。

山木:シグマもそういったサービスを行わなければならないと思います。日本ではもうすでにプロ用のサポートを準備し始めています。また、できるだけ早く同様のサービスを全世界で展開したいと思っています。

―:以前のインタビューで、シグマが急成長することを望んでいないと話されていました。そのことによって小さな会社であることのメリットが失われるからです。現在でも同じ考えなのでしょうか。

山木:そうですね、急成長というのはあまり良いことではありません。もちろん私たちの会社も成長していかなければならないのですが、少しずつ大きくなっていくべきです。現在の優先事項は、高品質の製品を製造できる会社にしていくことです。そうすれば、売上高、販売本数、利益は自ずとついて来ます。会社を大きくすることが目的ではありません。製品の品質であり、それを作る技術が大切です。

実のところ、この5年間で生産するレンズの数は減っているんですよ。安価なレンズの数を減らしていったからです。けれども、レンズの生産能力は拡大し続けています。高性能なレンズはより多くの枚数のレンズを必要とするからです。安価なレンズは10枚から15枚ほどのレンズで作れますけど、高性能なものは15枚から20枚、場合によってはもっと多くのレンズが必要になります。一本のレンズを作るのに今までより多くの生産能力が必要になってきています。事実、この5年で生産設備にものすごい投資をしてきました。

―:シグマや富士フィルムはシネレンズにも参入し始めました。この分野の成長率はどのくらいだとお考えですか。

山木:わかりません。実はシネレンズを作る前に市場調査をしたのですが、まったくわからなかったんです。どこにもデータがなかった。大体これくらいだろうという推測しかできなかったんですね。ただ、市場そのものは今後も伸びてくだろうとは考えました。

動画が要求する解像度は静止画よりも低いです。そしてシグマはここ数年、3600万画素以上の解像度でも耐えられるレンズを開発してきました。これは動画にすると8Kに相当します。既存のシネレンズはここまでの解像度は持っていないので、最高性能のシネレンズを手ごろな価格で提供できるのではないかと考えました。

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シグマのシネレンズ18-35mm T2は18-35mm F1.8レンズにギアを取り付けた形になる。スーパー35サイズをカバーし、18-35mmをズームするのに350℃の回転角を持ち、精密な操作を可能にしている。


―:シネレンズのシェア目標はありますか。

山木:ありません。今はこの市場がどのように成長していくか見守っている段階です。もちろんこうなってほしいという夢はありますけど、現実はそうではないですから。



編集後記

山木氏と話をするのをいつも楽しみにしている。その理由の一つはもちろん、インタビューをするときは、ほとんどが新製品の発表直後だからだ。しかし、最も大きな理由は、単にシグマのCEOが素晴らしい人物だからだ。公正で、包み隠さず、シグマの計画や将来について率直に話してくれる。山木氏はカメラ業界ではライバル企業からも敬意を持たれている。

ライバル企業といえば、新製品の14mm F1.8は既存のレンズの性能に飽き足らないユーザーからの強い要望に応えるために開発したように感じた。シグマは広角レンズの開発に長い歴史を持っている。新しい14mmやその前の12-24mmはシグマからの自信を持った回答である。もし、14mmが山木氏の言うような高性能なレンズだとしたら(そして、シグマのアートシリーズの性能が期待外れだったことはほとんどないことから)このレンズは風景、建築、そして星景写真の分野で基準となるだろう。当サイトで近々サンプルをお目にかけることができると期待している。

もう一つ興味深かったのは、シグマが安価なシネレンズ市場に参入したことだ。今の時点では、シグマはキヤノンのシネマイオスレンズのような製品と戦おうとはしていない。シグマは(フジと同様に)ミラーレスカメラを使っているような新世代のビデオグラファー向けに製品を作っている。シグマのシネレンズは静止画向けに設計されたものにもかかわらず、性能はトップクラスだ。しかし、報道や映画といった専門家からは、焦点距離を変えたときのピント面のズレなどが問題となると聞いたことがある。ハイエンドのシネレンズが数百万円もするのには、それなりの理由があるのだ。

シグマの次の製品はどのようなものになるのだろうか。山木氏がさらに広角のレンズを開発しているとしても驚かない。新型の24-70mmも出たので、これに続く70-200mmの新型が近い将来発売になるかもしれない。



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