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書庫ランニング

爆笑、東京マラソン

 市民マラソンというと、必ず着ぐるみやカツラを着装して走るお調子者がいる。成績でダメなら、コスチュームで注目を浴びようという作戦だ。

 フジテレビが中継した今日の東京マラソンでは、日本全国の視聴者がひとりのスーパーお調子者に注目したことと思う。スタート直後、強豪ひしめく先頭集団にハゲヅラをつけた若いランナーが混ざっていたのである。もちろん、招待選手でも有名ランナーでもないが、1km3分台のペースについていけるのだから、タダモノではない。でも、ハゲヅラ。でも、先頭集団にいるのだから、テレビ中継としては紹介せざるをえない。いちばん笑えたのは、実況スタッフのひとり、小倉智昭アナに「なんかカブってるんですね」と言わせてしまったことだった。

 その後、“ハゲヅランナー”は6km手前でペースを落とし、集団から下がっていったが、やはりタダモノではなかった。2時間後、ケニアの選手がフィニッシュして、次はゴール目前の女子クラスにスポットライトが移ったとき、なんと女子の先頭ランナーの真横を走っていたのが彼だった。あくまでテレビに露出を図ろうという見上げた根性である。

 女子のトップ選手は小出監督の門下生で、そんなに若くはないが、美人ランナーである。「ワタシはなんでも知っている」的物言いでおなじみの小倉アナは、フィニッシュ後、「あなたの優勝を待っていましたよ」と語りかけていた。それだけに、ゴール前はぜひとも感動的実況で盛り上げたかったはずだが、現実はすぐ隣にハゲヅランナー。フジテレビ的には“台無し感”きわまる爆笑ツーショットだった。

 招待選手ではないので、ゴールゲートが別々だったのは残念だが、当然、彼のタイムも2時間30分をかるくきっていた。間違いなくハゲヅラ世界記録であろう。
 ちなみに、くだんの女子優勝ランナーはインタビューで「まわりにユニークなコスチュームのかたがいたりして、すごくリラックスして走れました」と言っていた。シャレのわかるアスリートである。

下野康史(かばた・やすし)
下野康史(かばた・やすし)
男性 / O型
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