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書庫地震予知犬

地震予知犬、不発

 見るからに賢そうなウチの犬が、またあの吠え方をしている。おととい(9日)の夕方、クルマで家に戻ろうとしたら、娘からそうメールが入った。散歩に連れていったけど、鳴きやまないという。家に着くと、たしかにあの声が聞こえた。

 ワンワンと吠えるのではなく、空を見上げて何かを訴えるような“遠吠え”だ。前回は夜中の3時から始まった。外に出て、撫でたり、遊んだり、散歩に連れ出したりしても、家に入ると、また始まる。
 メスの柴、5歳。あんなことは初めてだった。悲痛なサウンドなので、放っておけない。だいいち夜の夜中に近所迷惑である。家族全員で困っていると、明け方の5時には鳴きやんだ。

 それから約10時間後、東日本大地震が起きた。三陸沖の海底で、プレート同士がこすれ合っていたときの電磁波的なものが、ハナの脳波的なものに影響を与え、辛抱たまらずあんな吠え方をさせたものと思われる。

 その地震予知犬がまた反応している。今回は前よりずっと時間的に短かったが、一応、十何人かの知人にメールでハナ地震予知情報を送った。

 メールの返信があんなに速かったことはない。地震嫌いの娘さんがすごく心配しているので、前回は地震の何時間前に吠えたのか、すぐ教えてほしいというリクエストもあった。今晩はメガネかけて寝ますという、ナゾの返信もあった。3.11以降、やっぱりみんなナーバスになっているのだ。

 明けて10日のきのう、朝、テレビをつけると、すぐに地震情報のテロップが出た。朝8時過ぎに和歌山で震度4である。ン、これかい……? 敏感すぎないか……。

 結局、きのうは日本のどこでもこれ以上の大きな地震は起きなかった。なによりけっこうなことだが、ハナの地震予知能力(あるのか!?)が、「心配してると、起きない」の法則に敗れた日だった。


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すまん……。
下野康史(かばた・やすし)
下野康史(かばた・やすし)
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