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書庫ノーモア・フクシマ

恐山より恐ろしい

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「ドライバー」誌「ニコニコドライブ」の取材で初めて下北半島に行った。付け根の七戸(しちのへ)からレンタカーで2泊3日。斧のカタチをした大きな半島を海沿いに1周した。

 信心深くないので、最初、恐山はスルーしようと思ったが、冬期閉山6日前、行ってよかった。
 恐山は実に風光明媚なところである。有名な火山岩質のエリアは、きれいな湖のほとりのほんの一部分で、地面が白茶けているから明るいし、お供えの風車があちこちに刺さっていてカワイイ。

 山から下り、大湊の旅館に投宿。食事のとき、宿の人と話をし始めて、「恐山は、意外に」と言いかけたら、「インパクトがなかった?」と向こうが先に継いだ。お客さんがみんなそう言うのだろう。テレビなどで紹介される恐山のおどろおどろしいイメージを真に受けていたら、だれだってそう感じるはずだ。百聞は一見に如かずである。口寄せをしてくれるイタコも、夏の大祭のときくらいしかいないらしい。

 それよりもよっぽど恐ろしいのは、下北半島に集中する核施設だ。六ヶ所村には、今後、日本中から使用済み核燃料が集まってくる再処理工場がある。その近くには東北電力と東京電力の東通(ひがしどおり)原発がある。東電の原子炉は建設中だが、福島どころか、東京から700km近く離れたところに懲りずに新炉をつくろうとしているのだ。
 最北端の大間崎では電源開発が大間原発を建設中だ。青森からだって一般道で160km、マグロしか棲んでいないような最果ての地で、フクシマ並みの過酷事故が起きたら、いったいだれが救援に行くのだろうか。海を隔てて、わずか30km先は函館だ。恐山どころか、恐半島である。

 旅館の食堂で隣に居合わせた人が、電機メーカーで長年、放射線管理をやっている技師だった。大湊にも放射線管理区域のある施設があり、定期的に測定に来ているのだという。

 このメーカーは、モニタリングポストから携帯の線量計までつくっている。フクシマの事故後、仕事柄、あちこちで放射線量を測ったが、どこで測定しても、自分がこれまで注意深く調べてきた放射線管理区域(ある程度、線量が高くても許容される)より数値が高いので「大変なことになっている」と仰天したそうだ。


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 東通原発のPR館「トントゥ・ビレッジ」。原発の見学施設には、必ずこういうカワイイ名前をつけるのが常套手段。向こうの駐車場に止まっているのは、警備会社のパトロールカー。看板の写真を撮っているだけですっ飛んできて、監視中。

  • 原発のある地域での死因の傾向も出てるはずですが、今のような事態になっても決して明らかになりませんよね。

    ret*0*14

    2011/11/21(月) 午前 0:39

  • 顔アイコン

    原発も再処理施設も、都会から目につかない最果ての地につくっておけば良い、というのは滑稽ですね。事故になれば、地球規模の汚染が起きるのに。

    結局、電力会社は既に莫大な投資をしてしまった以上、危険だからと言って今更止めるわけにはいかないし、官僚は折角築いた利権をみすみす失いたくないということなのでしょうが、それならせめて電力会社の本店や電力行政などの関係部門は、原発の敷地内に移転して、そこで危険と向き合って考えて欲しいです。現在の一等地のビルを売れば費用もかかりませんし、過疎化対策にもなるのでいいことづくめだと思うのですが…。

    [ 江間 呑 ]

    2011/11/21(月) 午後 6:52

下野康史(かばた・やすし)
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