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書庫チェロ好き達の宴

世界の宮田 大

イメージ 1(チェロのプレーヤーズビュー)

 期待の新星チェリスト、宮田 大のテレビ番組を途中から観た。小澤征爾の指揮でハイドンのチェロ協奏曲1番に挑んだドキュメントだ。

 宮田は前回のロストロポービッチ・コンペティションで優勝している。いま最も権威のあるチェロコンクールで一番になったわけだから、もちろんスゴイんだけど、ハイドンのチェロ・コンチェルトを弾くというのもスゴイ。最終第3楽章なんか、超絶技巧が求められる。クリーム時代のクラプトンとか、全盛期のチャーリーパーカーとかウェス・モンゴメリーくらいスゴくないと弾けない曲だ。

 でも、体調不良のせいもあったのか、小澤征爾は練習のときから宮田の演奏が気に入らない。
 しかし、「もっと下品に弾きなさい」って言われても、困るだろうなあ。要はきれいに弾きすぎるとか、小さくまとまってしまっているとか、っていう意味なんだろうけど。

 先年亡くなったロストロポービッチは小澤の親友だった。しかもオハコのひとつがハイドンのチェロ・コンチェルトだった。あの巨匠と比べて25歳の新人をイジめているみたいにちょっと見えた。

 挙句の果てに、小澤は最初の公演を振っただけでリタイア。その後は無指揮演奏会になり、開演前には会場からお客の怒号が飛びかうという、お気の毒な凱旋公演になってしまった。フレーフレー 宮田 大!

 YouTubeをザッピングしていたら、ハンナ・チャンのハイドンがスゴかった。自分のソロが始まる前、緊張を見せるどころか、バイオリンのほうを見ながらニコニコ笑っている。こんな人、初めて見た。アドレナリンがもたらす幸福感に浸っているのだろうか。

 速弾きのソロが始まってからも、ハンナ・チャンが指揮もバックも呑みこんでいる感じだ。まだ本人が審査委員長だったロストロポービッチ・コンクールをわずか11歳のときに制したのがハンナ・チャン。3歳くらいからやっているチェリストは、弦の太さとテンションに鍛えられて、こういうふうに指先がふくれてスプーンみたいなカタチになります。
http://www.youtube.com/watch?v=-aoUxKfHS9I
下野康史(かばた・やすし)
下野康史(かばた・やすし)
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