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下野康史(かばた やすし)の「自転車で行こう!」
改正か改悪かわからないのに、「憲法改正」という一般名詞はおかしい。

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入山峠だった

 自転車で走っておもしろいところはどこか? それはズバリ、「一度も走ったことがないところ」である。

 地図を見ていたら、武蔵五日市駅から奥多摩方面へ向かってほどなく、八王子のほうに戻ってくる謎の道を発見した。途中で消えてしまうのだが、10kmくらいは入っていける。うねうねとカーブしているのはわかるが、勾配はわからない。いや、ルートラボなら標高までわかるのだが、あえて調べなかった。最近のカメラマンはグーグルアースのストリートビューを使って“ロケハン”までしちゃうが、探険遊びでそんな無粋な真似をしてはいけない。事前にデータが全部わかってしまうと、未踏ルート探索の楽しみが半減するからだ。
 3連休の初日、以前から気になっていたその道へ行った。

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 入ると、いきなりイイカンジの田舎道である。と思ったら、忽然と地中海料理屋が現れたりした。路上にふるーいアメ車のポンコツが放置されていたりもした。

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 頻繁にダンプがやってくるのは採石場があったからで、そこからの道は「盆堀林道」となる。あとで調べたら、「ぼんぼり」と読む。
 この林道がすばらしい。ずっと渓流沿いを上ってゆく。高い杉林の中を抜ける。狭い谷筋だから日当たりはよくないし、見通しはきかないが、自然が濃い。奥多摩とは逆方向なのに、どんどん山懐へ入ってゆく。

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 渓流の写真を撮っていたら、若いロードバイカーに追い越される。道の情報を聞きたかったが、取りつく島もなくどんどん先に行ってしまう。
 そのあたりから勾配がきつくなる。激坂ではないが、まさかこんなに本格的な峠道になるとは思わなかった。
 視界が開けて、深い谷を見下ろす南斜面(テキトー)に出る。おお、いい景色だ、が、谷の向こうに白いガードレールが見えた。エーッ、あそこまで行くのかよ!

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 でも、その後の勾配はゆるく、心臓が口から飛び出すこともなく、頂上に着く。
 標柱に「入山峠」と書いてあった。この名前は見たことがあるぞ。ここが入山(いりやま)峠だったのか。「名は体を表す」ではないが、まさに名前の通りの峠である。標高600m。高尾山と同じ高さだ。

 さっきのロードバイカーは影もかたちもなかった。盆堀林道は向こうへ下りていけるのである。案内看板には「醍醐」と出ていた。そうか、下りたところが醍醐林道なのか。和田峠へ上がる道だ。このウルトラ方向音痴でも、やっと位置が掴めてきた。

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 峠からの下りは、ダイナミックな山岳路である。開けていて、日当たりもいい。奥多摩の鋸山林道に似ている。向こうは1000m以上まで上がる。こっちはその半分。それで似たような景色が味わえるのだから、たいへんおトクである。
 途中、ビルが林立する町が見えた。あとで調べたら八王子だった。八王子を見下ろすところに、こんなすばらしいサイクリングコースがあるとは。途中、何人かのロードバイカーとすれ違う。みんなニコニコしていた。

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 山を下りきって、盆堀林道の出口に着く。想像していたところとは違っていたが、醍醐林道の麓に出たのは合っていた。その道は通り慣れていたが、T字にぶつかるこんな林道には今までまったく気づかなかった。
 下りてくると、真夏の暑さである。10月半ばなのに、都内は31℃を記録したらしい。渓流沿いの上りなんか、肌寒いほどだったのに。

 未踏区間の距離は15km。しかも入山峠という名峠を発見する。100点満点のサイクリングだった。

(追記:これからの季節、盆堀林道を走る場合、今回のように武蔵五日市側から入ることをお薦めします。反対側から越えると、渓流沿いに下ることになるため、寒いです。冬は凍っている可能性も高く、ダウンヒルは危険ですよってに)


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