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以前、「NAVI CARS」誌の自転車連載用に借りたら、メカトラブルで乗れなかったベネリの電動アシストMTBに再試乗させてもらった。 電アシって、こげない人、もしくはこぎたくない人を助ける機構だ、と、ずっと思っていた。だから、坂道の多いところで使う実用車や、子どもを前後にふたり乗せるママチャリなんかを電アシ化するのはわかる、けれども、スポーツ自転車の電アシって、どういう料簡なの!? わけても、電アシMTBって、意味わからん。なぜなら、わざわざ山で自転車に乗ろうって人は、ぼくの知る限り、ロードバイカー以上に健脚だからだ。 というのが、乗る前に感じていた電アシMTBへの疑問だった。 ところが、山でベネリに乗ったら、カルチャーショックでした。いままで乗ったどんな電アシよりも電アシ甲斐があって、楽しかったからだ。 こんなところ、登れるわけないじゃん、と思うようなダートの急斜面を、この自転車ならワシワシこぎ上げることができる。 狭いシングルトラックで、ゆっくり下った直後、すぐに90度曲がって急な登りが始まる、しかも地面には滑りやすい木の根っこが幾条も露出している、なんていう難しい局面でも、アシストのおかげでクリアできる。 斜面でバランスを崩して降車しても、その場から、助走なしのひとこぎで再スタートが可能だ。そういうときなんか、だれもいない山のなかで笑っちゃう。できるはずないと思っていたことができてしまうのだから、楽しいにきまっている。 もちろん、タイヤのグリップ限界以上の仕事はできない。だが、逆に言うと、後輪がスリップするまでは登れる。それも、5段階あるアシスト強度の3で十分。いちど5でやったら、斜面でウイリーしそうになってアセった。そんなヤンチャさは、さすがイタ車のベネリ!? 車重は実測21.9kgもあるが、新標準の27.5インチタイヤで、オンロード性能も高い。行き帰りの舗装路ではほとんど電気を使わず、森林公園で遊んだ38kmツーリングで、バッテリー残量計はまだ6割を示していた。 この外車には“WALK”というおもしろい機能が付いていて、アシストモードボタンを押し続けると、こがなくても微速で後輪が回る。つまり、押し歩きモードである。激坂でギブアップして、押して登るときにも、これがすごく役に立つ。自転車に引っ張ってってもらえるのだ。 しかし、実際に売る日本仕様ではこの機能はキャンセルされるそうだ。日本のルールでは、まずペダリング入力ありきのアシストしか認められていないからである。残念。 しかし、電動を取り入れることで、そういう可能性がいろいろ広がるという意味においても、結論、MTBの電アシはありだと思います。
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今日はファットバイクで行こう



何でもそーでしょうが、技術革新って意外な楽しみ方が出てくるモンですね!
ますますチャリの楽しみが増えそうー!
[ かたたやん ]
2016/11/29(火) 午前 11:43
食わず嫌いは、損しますね。
[ 下野康史(かばた・やすし) ]
2016/11/29(火) 午前 11:49
「電動」とチャリという組み合わせは常に悩まされます。その「電気」ほんとうに必要なんだろうかと。今の時代「電気」から遠ざかっていられることが本来の自転車の持つアドヴァンテージのような気もするのですが、悩ましいです・・・。
[ hyo*oke ]
2016/12/1(木) 午前 10:51
いまの時代に自転車が放つ大きな魅力と価値は、まさにおっしゃる通りだと思います。
でも、人間が自転車を発明したときは、エネルギーから遠ざかるためにつくったわけではないです。なので、自転車本来のアドバンテージというわけではないですね。
人力のみか否かという“all or nothing”の二者択一と考えずに、適当に電気も取り入れたほうがいいのかなと考えさせられたのが、電アシMTBでした。
いまの世の中にあるすべての問題は、「程度問題」ですから。
[ 下野康史(かばた・やすし) ]
2016/12/1(木) 午前 11:38