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大滝を見に行く

 夏以来の懸案だった目的地めざして、ファットバイクで出かける。
 走り出そうとしたら、ひんやり寒い。北の水場へ行くのだから、これじゃマズイ。着替えに戻る。
 しかし、ホンダ・フリードみたいに「ちょうどいい」季節っていうのが、減りましたね。


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 武蔵五日市に出てから、マス釣りで有名な養沢(ようざわ)川沿いに北上して、林道大岳線に入る。7月に初めて走った道だ。林道といっても、沿線に鍾乳洞やキャンプ場があり、ほぼ全線舗装されている。
 でも、勾配はけっこうキツイ。3ヵ月前は猛暑だったが、養沢川の支流沿いで、しかも杉林の日陰だから、この日はやはり涼しいを通り越していた。


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 途中にある採石場。土曜日だからやっているかと思ったら、だれもいなかった。
 この壁みたいな坂に轍があるように見えるのだが、いったいどんなものが上り下りしているのか、見られるかもと思っていたので、ザンネン。


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 林道の終点に到着。ウチから45km。
 ここから登山道で入ってゆく「大滝」が宿題の目的地である。入口の標柱によると、滝までは「0.8km」。7月に来たときはバテバテで、登る気がしなかった。

 自転車を置いて、歩き始める。このパターン、初めてである。
 ゆうべの雨で、登山道に瀬越しができていたりしたが、10分くらいであっけなく大滝に着く。どう考えても800mはないだろう。
 帰りに標柱をよく見たら、「0.3km」だった。


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 大滝は、滝口が見えるそんなに大きくない岩滝だった。岩風呂みたいな滝壺から小さな滝が落ちている。
 滝壺のきわまで行ったら、寒かった。

 登山道はさらに上へ延びている。滝口を見上げていると、そこがどうなっているのか見たくなり、急勾配の斜面を登りかけたが、自転車の靴では滑って無理なので、撤収する。歩きのオプショナルツアーをやるなら、相応のシューズを持参しないとだめである。
 来年の夏がまた猛暑だったら、滝壺に浸かりに来よう。

 汗が冷えて、林道の下りはブルブルするほど寒かった。
 

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 1週間前、稲刈りだった秋川沿い。
 天日干しの稲藁を見ると、DNAレベルで郷愁スイッチが入るのは、ワタシだけ?
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『寺内貫太郎一家』の樹木希林(悠木千帆)じゃないけど、「ジュリー〜〜、尊敬!」

 さて、『峠狩り』では毎回必ず“峠めし”を紹介する。旅先でおいしいものを食べるというのは、東海道五十三次のころから日本人の趣味だった。“食”は旅の大きなモチベーションになるし、早朝から動いているぼくらも当然、昼めしは食べたい。
 
 ところが、峠のてっぺんに食事処があるようなメジャー峠は滅多に取材しない。たいていは麓に下りてから探すのだが、となると、ランチの時間が終了していることが多い。

 今月号、長野県「高ボッチスカイライン」の回もそうだった。標高1600mから松本市内に下りて、目星をつけていた店に行くと、まさかの臨時休業(地方の個人営業ではありがち)。いちばん遅くまで開いているはずの店だったから、ほかにオプションがない。どうしよう。ここまで来て、ファミレスはないだろう。
 と思っていたら、カメラマンのダン・アオキがスマホで発見した店がこれ。


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 塩尻市に入った国道19号沿いの「食堂SS」。昔、ブルーバードSSS(スリーエス)っていうのはあったけど。
 午後の休みなしでやっているありがたいショーワ食堂だ。


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 入るなり、お品書きの数にびっくり。いま数えたら、最上段だけでもざっと60品はある。
 そこそこ広い店内は、そこそこ満席。店のおばちゃんは親切で、厨房は活気がある。



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 どんなにメニューがたくさんあったって、このトシになると、そんなに食べられない。焼肉定食をたのむ。いや、しょうが焼き定食だったか。とにかく両方ある。ともに860円。どっちかわからないけど、うまかった。

「普通定食」(590円)って、なんだろう。隣のテーブルで食べているカレーライスの器がラーメン丼みたいにデッカくて、うまそうだった。また来たい。
 でも、こういう食堂、ヨメさん連れてきてもぜんぜん喜ばないんだよなあ。あたりまえか。

使い倒しカメラ

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 よく働いてくれました。パナソニックの防水防振デジカメ、DMC-FT1。
 使い始めたのは、2010年5月から。すでにFT2が出ていたが、型落ちで安かったから買った。以来、8年半。こんなにシャッターを押したカメラはかつてなかったと思う。
 
 デジカメは、事実上、フィルム代ってものがかからない。そのため、シャッターイチ押し入魂なんて必要はない。バカスカ撮れる。ふと忘れがちだが、それがデジカメのひとつスゴイところだと思う。

 このカメラは片手で撮ることが多いので、買ってすぐハクバのストラップを取り付け、正面には滑り止めを自作して貼った。人を撮っていると、よく「レンズキャップ付いてますよ」と言われたそのゴムもだいぶすり減ってきた。
 自転車で“乗り撮り”しているときに何度も落としたため、あちこち傷だらけだ。水中カメラとして使ったことはないが、この夏、山中湖でのSUP(スタンドアップパドル)取材中には人間もろとも落水した。


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 2個で使い回していた純正バッテリーのもちがだいぶ悪くなってきたので、そろそろと思っていたが、先月、車内でちょっとぶつけたら、脳シントウを起こしたみたいに、ピントがまったく合わなくなった。一度、電池を出し入れしたら治り、その後は平気だが、また仕事中にトラブると困るので、引退願うことにした。



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 新人はこれ。ミニオン似のフジフィルムXP130。使い道は変わらないから、こんども防振防水。
 もうちょっと高いニコンW300と最後まで迷ったが、心臓部の画像センサーは同じで、なによりこっちのほうが掌にフィットする。さらには、こないだ一緒に仕事をしたカメラマンがホビーカメラで使っていて「イイヨー!」と言っていたので決めました。
 こんなのとってあったんだ! という、大量のネガフィルムを発掘してしまった。何度かの引っ越しでも開けずにいた段ボールの中からだ。ざっと100本以上ある。
 中学生のころから撮り始めたSL(蒸気機関車)の写真が主で、多くはモノクロ。そういう古いネガフィルムをCDに焼いてくれるサービスもあるが、1本500円くらいする。


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 そこで、フィルムスキャナーを買って、データ化してみた。サンワサプライのスキャナー・プロ。名前はスゴイが、1万円しない。
 ホルダーにネガを入れて機械に挿し込み、液晶画面で写真を見て、ボタンを押すとSDカードに落としてくれる。1枚2秒ほど。
 ただ、ホルダーのフィルム入れ替えと、それを機械に出し入れするアナログ作業が面倒くさい。

 スキャナーとパソコンは繋げないので、SDカードをパソコンへ。



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 御殿場線国府津(こうづ)機関区。たぶん中1か中2。(高校入学が1970年である)。
 ぜんぜん覚えていないが、機関士の写真を撮らせてもらったあと、機関士に撮ってもらったのだろうか。


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 わが青春のクルマ、TVRヴィクセン。大阪の人から買ってまだ名義変更していない。1979年の夏だと思う。
 これくらい古いネガフィルムは、このように退色している。モノクロでもカラーでも、色が薄くなっちゃってる。
 この写真は当時のプリントをまだ持っているが、紙焼きのほうがはるかにオレンジ色が鮮やかできれいだ。その場合は、紙焼きをデジカメで複写してデータ化したほうがいい。そういうプロサービスもある。

 今回、1600枚くらいデータ化したが、途中から写真の同じ位置にかすかなチリホコリが映り込むようになった。スキャナーのレンズについたものと思われる。分解式ではないので、まったく手が出せない。

 しかし、当時もプリントしなかった捨てカットに、エーッと思うようなものが映っていたりして、発掘作業は楽しかった。完全な自己満足だけど、自己満足は自己が満足するからいいのである。


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ホロ苦い写真も発掘。

ハセツネをやっていた

 三連休最終日は体育の日。以前から懸案だった目的地を目指して、ファットバイクで出かける。

 天気予報では晴れだったのに、どんよりした曇り。ときどき雨も落ちてくる。
 奥多摩は18℃と聞いていたので、アームウォーマーを持った。でも、風はなくて、暑くも寒くもない。気分、じゃなくて、気温はサイコーだ。


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 秋川沿いは、今日が稲刈り。出来のほどはわからないが、この夏の烈暑と台風を耐えて、よくぞここまでという感じだ。


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 秋川の河川敷は、先日の台風の増水で、あらゆるものがなぎ倒されて、焼け野原みたいになっていた。


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 猛暑でウハウハだった東京サマーランド。もうプールはやっていないんだろうけど、この日も絶叫マシンから黄色い声が聞こえてくる。
 デカいバケツみたいな物は、あのなかに水を溜めて、一気に放水して、お客さんをキャーキャー言わせる仕掛けかと思っていたのだが、調べたら、ウォータースライダーを下ってきたゴムボートが最後に通るハーフパイプみたいな物だった。



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 天気が好転しないまま、武蔵五日市まで来る。
 なんと、今日は「ハセツネ」だった。奥多摩の山の中を70km走る日本山岳耐久レース(長谷川恒男カップ)。
 しかも、24時間以内にゴールするレースは23時間を回っていた。そのフィニッシュラインというとんでもない“現場”に来てしまった。


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 いままでフルマラソンは何度か走ったけど、ゴールのとき“泣く”というメンタルは、まったく理解できなかった。足が泣くほど痛かったことはあるけど。
 足切りギリギリで生還したハセツネランナーも、泣いている人はいなかった。
 が、しかし、たまたまここに来ただけの部外者なのに、ランナーのゴールシーンは感涙モノですね。ヤバかった。

 今年の距離は71.5km。トップは7時間52分。出走2364人で、1000人以上が脱落するという完走率の低さもすごいが、エントリー数2611人。つまりお金を払ってエントリーしたのに、やっぱりやめておこうという人が1割近くいるのもスゴイ。


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 23時間49分。「最終ランナーでーす」という審判長の掛け声のなか、最後のひとりがフィニッシュする。ヤバイぞ。


 すごいものを見せてもらった。今日はこれくらいにしといたろ、という気分になり、自分の完走はあきらめ、ここでUターンして帰る。
下野康史(かばた・やすし)
下野康史(かばた・やすし)
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