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日産より心配だ

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「あんな顔してる人に、いい人はいませんよ」。
 同業者がそう言っていた。カルロス・ゴーンのことだ。10年前、いや、1ヵ月前に言えよな。

 いい人だろうが悪い人だろうが、日本人にとっては宇宙からやってきたマネーの虎であることには違いなく、だからこそ、にっちもさっちもいかなくなっていたふるーい体質の大企業に大ナタを振るって立て直すことができたんでしょうね。ゴーンさん、次は日本国を診ちゃくれまいかと、ちょっと思います。

 でも、東京拘置所の三畳間に拘禁されてこれだけ取り調べが続いているのに、「落ちた」というニュースは聞かれない。起訴したところで果たして有罪に持ち込めるかどうかは、わかりませんね。

 しかしこうなった以上、日産とルノーの関係が、これまで通りに続くとは思えない。日産も最悪、切れる覚悟でいるはずだ。
 となると、ルノーはどうなるのか。今年の大傑作、メガーヌ・ルノースポールやアルピーヌA110に使われている1.8リッターエンジンのベースは日産製だ。ボア×ストロークが同じである。提携解消になったら、どうなるんだ。
 なんてことはどうでもいい。日産もルノーも新しい提携先を見つければいいだけの話である。
 そうじゃなくて、単なるクルマ好きとして心配なのは、日本でのルノー販売のこれからだ。日産より、ルノーより、ルノージャポンが心配なのだ。

 いま、イタリア/フランス系外車のなかで最も国産車感覚で買えるのが、ルノーである。古くはキャピタル企業や、環八のジヤクス・カーセールスが輸入していた時代を知っていると、これって夢のような話である。
 この様変わりは間違いなく、日産とのアライアンスの成果である。バックに日産がついていると思われているから、地方でも浸透して、販売台数が伸びてきたのである。

 仮に関係が破綻してしまったら、これがどうなるんでしょうか。好調といったって、コンパクトカーで年間7000台なんて、ルノーにとっても取るに足らない商いだろう。これを機に日本市場から撤退、なんてことがないことを願うばかりである。
 


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 ここ10年いちばん楽しかったルノーはこれかな。先代トゥインゴベースのリトラクタブルトップ。

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 12月に入ったのにあったかい。週末も小春日和の予報。遅咲きの紅葉黄葉見物と未踏路探検を兼ねて、ファットバイクで武蔵五日市へ。

 ややこしいけど、武蔵五日市はあきる野市で、まだ奥多摩ではない。でも、駅の裏手からはずっと山である。「前奥多摩」と勝手に呼んでいる。

 走ったのは、武蔵五日市駅の近くから北に上がる道だ。地図だと駅前通りから6km入ったところで行き止まりになっている。さて、どんな道なんでしょう。


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 いきなり急坂の洗礼を受けるが、2km行くとすっかり“東京の山里”といった風情。奥多摩周遊道路を目指すクルマやバイクや自転車や白バイが行き交い、最近はインバウンドの観光客でも賑わっている武蔵五日市駅周辺とは別世界だ。


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 石垣の切り通しにもみじ。ああ、日本に生まれてよかった。
 もみじは紅葉の王様ですね。なんたって「もみじ」を漢字で書くと「紅葉」ですから。


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 4km進んだところで人家がなくなると、舗装も途切れて林道になる。
 予想していない展開だったが、ここで引き返したらファットバイクの名がすたる。


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 林道に入ると、伐採されて坊主になった山と涸れ沢。なんだか殺伐としてきた。
 と、いま書いて気づいたけど、殺伐の「伐」は伐採の「伐」だった。まさにこういう景色のことなのかも。


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 大きな砂防ダムがあった。このあと急坂の右ヘアピンカーブをこぎあげてダムを見下ろすと、土砂がコンクリ堰堤の低いところ(写真左端)からそろそろ越流しそうだった。この先どうするのだろう。水のダムも、底には土砂が溜まり続けていて、いずれは水が溜められなくなるんだけど。


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 激坂になってきた。心臓が耳のところまで出てきた。
 今日はもみじ狩りのつもりだったのにィ、と思っていたら、また同じ林道看板が現われ、その先は再び舗装路になっていた。

『林道が舗装に変わるとその先は激坂』理論をワタシは発見している。舗装で固めないと、雨で土が流失してしまうから。
 小春日和予報はウソっぱちで、まったく日が出ない。寒いも寒いし、今回はここにて撤収。ウチからは39km走った。
 残りは来年のお花見シーズンかな。

今日の富士山

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 ロケで朝から富士五湖方面へ。


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 三峰山の紅葉した山並みに雲がかかって、すばらしい眺め。

 と思っていたら、正面に富士山がお出まし。


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 ゆうべの雨で、雪化粧が進み、神々しいお姿。


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 この日は、雲がすごくいい仕事をしていた。
 富士山に空手チョップ! ですか。
 午後からはすっかり雲隠れ。


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 昼は富士吉田うどん。富士山と並んで、間違いなし。

ちょっとソラまで

 自転車で川沿いを走っていると、さまざまな趣味に打ち込む人を見る。
 各種スポーツ、バードウォッチング、ラジコン、楽器演奏(サックスとかトランペットとか津軽三味線とか)、ベンチに座って、チェロを弾こうとしている若い人を見たこともある。
 だめじゃん、弦楽器、直射日光に当てちゃあ。近くに寄ってみたら、3万9800円くらいで売っている中国製だったからよかったけど。

 いろんな人がいるが、行きつけの川沿いでこれやってる人は初めて見た。モーターパラグライダーだ。


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 エンジン駆動のプロペラを背中にしょって、パラシュートの浮力で飛ぶ。


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 パラシュートを付ける前に、エンジンチェック。回転を上げると、自分の起こした推力と押しくらまんじゅうみたいなことができて、おもしろそう。これでマラソン走ったらラクだろうなあ、と、つい思ってしまったが、背中の一式、30kgですか。


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 向かい風を捉えて、いざテイクオフ。ってことはつまり、走る。
 1回目はパラシュートが崩れて、失敗。2回目に成功。
 おお、浮いた浮いた!


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 さっきまでここにいた人が、空飛んでるって、感動しますね。
 いつもは海岸で飛んでいるそうだが、川沿いは気流が悪くて、酔うと言っていた。
 ここまでは軽のワンボックスで来ていた。おトシは、ぼくより上か下か、とにかく年配だ。こんなハイカロリーな趣味をひとりで楽しんでおられるとは、大尊敬である。

秘境峠、六十里越

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 今月号はこの景色が拝める新潟・福島県境の六十里越(ろくじゅうりごえ)を訪ねた。
 標高は760mほどだが、豪雪地帯なので、冬期閉鎖。麓から向こうの麓まで20km以上ある大型峠である。
 田中角栄政権時代に通じた国道峠で、展望スポットに角さん自筆の石碑があります。

 福島県側の只見に近づくまで、沿道には何もない。自販機1台ない。あるのは、並行するJR只見線だけ。それも1日3往復のみ。


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 ところが、その只見線の線路が美しいんだわ。非電化の単線だから、架線もポールもなし。国道の舗装はよくないが、こっちは保守が行き届いていて、路盤もレールもきれい。曲がっているのに、これだけ平行な2本線って、世の中にありますか!? 
 列車来なくても、この鉄路だけでワタシはゴハン三杯イケます。


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 山塊の麓を貫通する只見線の六十里越トンネルは、全長6.4kmというローカル線とは思えない長さ。究極の雪除けですね。トンネルを抜けると、そこは奥会津の田子倉湖。
 ここのレールは、ゴハン10杯。

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 田子倉ダムをバックにするつづら折りを下りきると、只見の町はもうすぐ。
 マタギの村を水没させて1960年に出来た水力発電ダムは国内最大級。電気は首都圏に送られていることをお忘れなく。250km離れたウチの近くの高圧線鉄塔にも「只見幹線」と書いてあります。


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 只見では昔からマトンが食されてきた。羊の牧場があったわけではないが、貴重な蛋白源として羊肉を入れるルートがあったんでしょうね。
 ここは寿司屋だけど、昼はマトン焼肉定食も出す。豪雪地帯で暮らす人の温かみが感じられる只見は、個人的に大好きな町だ。
下野康史(かばた・やすし)
下野康史(かばた・やすし)
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