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新型ボルボS60で福岡まで走るというWebCGの企画があった。途中、好きなところに立ち寄っていいというので、前から興味津々だったアルミ・チェロを触らせてもらいにいく。 オール・アルミニウム製のチェロ。チェロ弾きなら、だれだって興味を持つだろうが、それ以上にこれは鉄道オタク物件である。 つくったのは、山口県下松市の山下工業所。初代新幹線0系の時代から、先頭車両のノーズ部分を製作している。しかも、職人の手仕事。金属を切り出して、叩いて、曲げて、ふくらませ、自在に3次元曲面をつくってゆく。 http://www.youtube.com/watch?v=FjN0iBguyiA ところが、今やハイテクの代名詞みたいな新幹線車両を「職人が手づくりしている」と言っても、なかなかイメージしてもらいにくい。ノーズパネルだけ見せてもわかりにくいし、だいいち大きすぎる。ならばと、プレゼンテーション用に製作したのがアルミ・チェロである。 そんな経緯なので、音を追求してつくったわけではない。とはいえ、なにごとも徹底してやるのがこの会社らしく、1台目はアメリカの博物館に保存されているアマティの図面をコピーしてつくった。ストラディバリウスと並び称されるクレモナの名品だ。 表板は厚さ4mm。でも、アルミとはいえ金属だから、総重量が11kgにもなってしまった。木製の4倍近い。持ち運べないし、いざ弾こうと、エンドピンを立てて、ネックを肩に寄りかからせたら、ぼくなんか重さで後ろへひっくり返りそうになった。だが、5台目の最新モデルは1mm厚になり、重さも5kgまで減量している。 音はYoutubeで聴いていたし、木製に勝る弦楽器の素材があるとは思わない。ただ、意外だったのは、そんなに感触が冷たくなかったこと。冬弾いたら、手がかじかむんじゃないかと思ったが、指板を指で押さえてもそんなことはなかった。熱伝導のいいアルミのせいだろう。ホンダ・タイプRのアルミ・シフトノブも、握るとすぐ人肌の温かさになるもんな。 実物に接して、感動をあらたにしたのは、なんといってもこの存在感だ。プラスチッキーなカーボン製チェロとはぜんぜん違う。非売品だが、売れば、工芸品として高い値段がつきそうだ。しかも、新幹線のノーズを叩き出す“現代の名工”が、まったく同じ技術でつくったチェロなのだ。 サイレントチェロがお好きな方へ http://ammo.jp/daguerreo/0110/kabata/1010.html |
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