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3個目の原爆

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「ルボラン」を出している学研パブリッシングや、凸版印刷や、日産自動車など、ぼくの身近にある大企業は、きのう、早退帰宅を命じられたという。理由は「放射線量の上昇」だそうだ。福島原発から220km離れた都内でも、そんなことになっている。

 福島第一原発は、最悪のシナリオになってしまった。現場で対策にあたっている人たちは、すでに決死の覚悟のはずで、本当に頭が下がるとしか言いようがない。推進するやつらは遠く離れたところでのうのうとしていて、一朝ことあれば、現場の人間だけが傷つく。原発とか戦争って、いつもそうなのだ。

 10年ほど前、NAVI誌の連載「運転」の取材で、まさにこの福島第一を訪ねた。あのときインタビューに答えてくれた運転員らが頑張っていると思うと、たまらない。
 そのときの記事は、単行本「イッキ乗り」(二玄社)に収録されている。何を書いたのか忘れていることも多いので、読み返してみたら、驚いた。今回の事故、つまり非常用炉心冷却装置(ECCS)や、電源がすべてダメになって、原子炉に水を入れられない事態は、日ごろから訓練でシミュレートしている、と、現場の課長が答えているのだ。

 しかし、それがまったく機能していない。いま彼らが懸命にやっているのは、膨大な量のマニュアルにも書かれていない未知の対応なのだろう。うまくいけばいいと願うばかりだが、もはや日本中のコンクリートポンプ車を集めて、コンクリで埋め固めるしか道は残されていないような気もする。

 でも、もう東京電力を批判したって始まらない。とにかく、祈りましょう。
                                                                                                                                                                                  

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下野康史(かばた・やすし)
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