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 ほぼ全車CO2排出量300g/km超えのアストンマーティンが、トヨタからiQを買って窮余の策のCO2削減に乗り出す、というニュースを初めて聞いたときは衝撃(笑撃?)を受けたけど、ホントに売り始めちゃった。内外装を精一杯“アストン化”したシグネットだ。

 小さいクルマは無条件に好きなので、実はすごく期待していたが、やっぱりなかなかよかった。クルマに乗ると、唯一の居場所は車内なわけで、それをアストンの職人が1台150時間かけて艤装し直した。革の匂いに追い出されて、トヨタの車内臭がまったくないのもいい。iQには感じない居心地のよさがある。

「中身はiQ」といっても、正確に言えば英国輸出仕様のiQだ。マフラーはアストン自製のステンレスに変わっている。もともと1.3ℓ4気筒のiQはけっこう速いのだから、アストン・ファミリーのお使いぐるまとしては十分だろう。CO2排出量は120g/km。唯一、制裁金なしのアストンである。

 ただし、正規輸入とはいえ、型式認定は取っていないから、iQのようにエコカー減税はつかない。ていうか、そんな小銭を気にする人のクルマじゃないですね。475万円だから。

 当初、買えるのはアストン・オーナーのみという噂が流れたが、それではCO2削減作戦がはかどるはずはない。だれでも買える。
 しかし、アストンマーティン・ジャパンによると、日本では「苦戦している」そうだ。そりゃそうだよな、定期預金解約してお金を工面しても、買って帰ったら、奥さんは「これiQじゃないの!」って言うよな。

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下野康史(かばた・やすし)
下野康史(かばた・やすし)
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