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 伊豆大島へ行った。大島は何度目かだが、今回は初めて調布飛行場からの新中央航空に乗る。

 緯度でいえば伊豆半島の下田とほぼ同じ位置にある島に空路で行くのは贅沢だが、この離島便なら羽田からのエアーニッポンより安い。往復割引で1万7800円。しかも調布からだと距離が短いので早い。往路などは滞空時間わずか25分だった。調布飛行場はウチからクルマで20分。ぼくの場合、いちばんディープな大島アクセスがいちばん便利なのだ。それになんたって、日本じゃこの航路でしか飛んでいない双発ターボプロップのドルニエに乗れるのである。ドイツ機だぞ。前の晩は遠足前の小学生みたいに興奮して、よく眠れなかった。
 都心スタートの「driver」編集部班は竹芝桟橋からの高速船。それだと1時間45分かかる。

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 大島便は1日3往復。機体は19人乗りで、朝9時初の始発便に乗ったのは13人。平日だから観光客はいない。乗り慣れたサラリーマンふうばかりだった。

 荷重にシビアな小型機とあって、搭乗カードに体重を書かされる。荷物は5kgまで無料。それ以上は1kgにつき170円とられる。乗客の体重制限はないから、太っている人ほど運賃は割安な理屈だ。お金さえ払えば、自転車も載せてくれる。これからの季節、大島サイクリングはお薦めだ。

 チェックインしても搭乗券は出ない。自由席かなと思ったら、乗り込む前にひとりずつ名前を呼ばれて席を指定される。申告体重に基づいて、バランスを考えて座らせるのだろう。
 座席は通路を挟んで縦2列。どなたさまも窓側であり、通路側だ。機内はなかなか居心地がいい。

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 4気筒のスポーツカーみたいな加速で離陸すると、景色の素晴らしさに圧倒される。低いところを飛ぶVFR(有視界飛行)フライトならではだ。そのかわり、低い高度に厚い雲があれば欠航。地上職員に聞くと、就航率は8割くらいだそうだ。

 大島1周道路は約40km。クルマなら1時間もあれば1周できる。
 調布からの始発便だと9時半には空港の外に出られる。最終の調布行きは搭乗手続き締切が15時40分。レンタカーで島をめぐって、おいしい寿司を食べて帰る、なんていう“旦那な”ワンデイトリップもできそうだ。ヨメさん孝行にいいかな、とも思ったのだが、翌日、調布に戻ってきたときにはそんな空想も消えかかっていた。
 揺れるのだ。往きも帰りも、大島の近くではかなり揺れる。高翼機で安定しているはずなのに、「そうくるか!?」というような縦揺れをする。

 これまで取材でいろんな空の乗り物に乗った。パラシュートを背負わされて、アクロバット機で宙返りやきりもみやハンマーヘッドも経験した。そんな体験をしていても、瞬間的に高度を失う小型機特有のあのヒュワッとした落下感を、ワタシは認めない。訴えてやる! ま、時間的には短いとはいえ。

 調布に降りてから、同乗の中年男性に「いつもこれくらい揺れるんですか」と聞いたら、「子どものころは、あんなもんじゃなかったよ」とのこと。子どものころから調布〜大島便に乗っているのか……。昔はもっと小さな機体だったろうから、そりゃもっと揺れただろう。
 知る人ぞ知る、乗る人ぞ乗る。実にディープな航路である。

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下野康史(かばた・やすし)
下野康史(かばた・やすし)
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