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チェロ好き達の本番

イメージ 1(開演前のリハーサルで、最後の熱血指導にあたる磯野正明先生。多摩地区でチェロを習うならこの人。3時間後、800人収容のこのホールが8割方埋まった)


 オーバー70台、チェロのみの大アンサンブル演奏会「チェロ好き達の宴 in 八王子」、無事終わる。
 無事といっても、演奏中の本人はしばしば“有事”に陥るが、自分がトチっても、ほかの人がちゃんと演奏している、してくれている、というのが素人アンサンブル(合奏)の妙味だ。

 きのうのリハーサルからゲストのプロ・チェリスト8人が参加。人数が1割強、増えただけなのに、演奏の質は8割増しくらいに向上する。正しい演奏に善導されて、ホント、いきなりみんなうまくなる。

 しかし、すごいな、プロって。こっちは出すだけでイッパイイッパイの高い音を、苦もなく取って、しかも発音と同時にヴィブラートがついている。隣で聴いていて背筋がゾクっとする。いいのか、同じ楽譜弾いているお隣さんに感動していて!?
 でも、本番ではプロと同じステージに乗れるというのが、このイベントの稀有な魅力でもある。 

 曲目は「G線上のアリア」からアンコールの「星に願いを」まで全15曲。前半の「エーデルワイス」では、なぜかリズムに急ブレーキがかかった。タクトでは収拾がつかず、ついに先生が鬼の形相を繰り出してスピードアップを図る。

 この曲だけはほとんど“事故”だったけど、あとはまずまずだったような気がする。
 大作の難曲「スターウォーズ」も、前のめりで弾けた。ジョン・ウィリアムスの曲をやれるなんて幸せだ。

 ブラボーコールもあったし、手拍子も起きた。客席の手拍子があんなにうれしいものとは思わなかった。自転車のイベントでも、沿道から声援してもらうと元気百倍になるけど、応援っていうのは、されるほうにとってはつくづく「エネルギーの供与」だなあと思う。

 開演前の最終リハーサル終了後、磯野先生がみんなに挨拶された。15曲の合奏譜を書き上げることから始まって、いちばん苦労したのは先生なのだが、4月から延べ40時間にわたる練習についてきた参加者への敬意と感謝が語られる。斜向かいの女性が泣きそうになっていたのを見て、ヤバイ!と思って別のことを考える。
 しかし、いくつになっても、こういう魂を揺さぶられる経験はいいな。


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下野康史(かばた・やすし)
下野康史(かばた・やすし)
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