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やっぱりドイツ物

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(わかりにくい比較……)

 バッテリー駆動のデジタルメトロノームがこわれてしまったので、ウィットナー(Wittner)の“タックテル・スーパーミニ”を買った。高さ10cm。世界一小さい振り子式メトロノームだ。家で使うときはそんなに小さい必要はないので、ノーマルサイズのセイコー振り子式も購入した。

 振り子式を使ったのは初めてなんだけど、いいですね。クルマのアナログメーターとデジタルメーターの違いと同じ。視野の片隅で振り子が動いていると、音だけのメトロノームと違って、視覚でもテンポ感がつかめる。“経過”がわかるのだ。

 ウィットナーのチビにはびっくりした。さすが19世紀からメトロノームをつくっているドイツの老舗だ。大きなセイコーより音色がいいのである。コツコツという打刻音はまるみがあって、しかも、ちゃんと通る。セイコーはガッチガッチいって耳に触るし、妙に音階を感じさせてしまう。うるさい指揮者みたいだ。

 さらに感心したのは、ゼンマイのもちだ。フルに巻いてから同じテンポで比べると、ウィットナーはセイコーの倍近く鳴り続けた。こんなミニでも20分以上もつ。10分強で終わったセイコーは、ちょっと短すぎだ。

 ただし、セイコーは2拍子から6拍子まで、拍の頭を告げるベル音が出せる。その機能がなきゃ、メトロノームはダメでしょ、という人もいるだろう。ウィットナーは携帯用だから仕方ないし、ミスるたびに拍の頭まで待たないといけないから、ぼくはベルなしでもいい。それくらいしょっちゅうこっちのテンポがズレるってことなんだけど(哀)。


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下野康史(かばた・やすし)
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