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ドンブリの天国と地獄

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「driver」誌のニコニコドライブ取材で長野県の野辺山高原へ行く。
 清里の手前にある中村農場の親子丼。観光地にうまいものなし、と思っていたら、なんと人生ベスト親子丼だった。放し飼いで育てた軍鶏(シャモ)を使っている。五反田にあるミシュラン1つ星の焼き鳥屋がランチで出している親子丼よりうまい。100円高いけど、それだって945円(スープ付き)だ。
 卵の黄身がなんでこんなオレンジ色をしているのか不思議だったが、売店でオレンジ卵というのを売っていた。与えるエサでこんな色になるらしい。


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 翌日は佐久平へ下り、本場の鯉にトライする。若者向きのメニュー、鯉丼。切り身を揚げて、甘辛いタレにくぐらせてある。うまそう。
 千曲川の水を引いた生け簀で鯉の臭みを抜くから、佐久の鯉はおいしい。食堂の女将さんに聞いたら、そう教えてくれた。

 しかし、ゴメンナサイだった。臭みとは言わないが、独特の匂いがある。
 女将さんの手前、1枚はがんばって食べたが、1枚はカメラマンに進呈。もう1枚はご飯の下に隠す。

 鯉こく(味噌仕立ての煮込み)も、食べ始めてほどなくギブアップ。身をほぐして粉々にして、水面下に隠す。隠蔽工作をしながら、オレって、小さいなと思った。
 
 そうこうするうち、浜松から鯉を食べに来たというグループが来店。「鯉こく、おいしいですか?」と聞かれたので、もちろん「おいしいです」と答えた。


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下野康史(かばた・やすし)
下野康史(かばた・やすし)
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