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 正解は、フォード・フォーカスです。ぼくも乗るまで知らなかったけど、去年、世界でいちばん数売れた乗用車である。
 そのうちの1モデル、直噴2ℓ4気筒+デュアルクラッチ6段自動MTを積む5ドアの“S”が日本に入ってきた。2ℓエコブーストのSTではないのが残念だが、久々の日本市場で今度はゴルフクラスに一丁噛みしようということなのか。

 走り出した途端びっくりしたのは、ウインカーレバーが国産車と同じ右側に付いていたこと。ヒュンダイが撤退した日本で、右ウインカーレバーの輸入車はこれだけである。国産車からの乗り換えユーザーには高ポイントだ。

 右ハンドルのイギリスやオーストラリアだって、ウインカーレバーは必ず左側に付いている。わざわざ右に移したのはごぶさた日本市場への大サービスですか? と広報の人に聞いたら、理由や経緯についてはまったく御存知なかった。売る気あるのかなあ……。

 完成度にもびっくりだ。エンジンも気持ちいいが、足まわりがすばらしい。このままSTのエンジンが載っても大丈夫に思えるほどフトコロが深い。おまけに乗り心地もいい。ダテにWRCはやっていない。わざわざ大回りして、山を越えて帰った。

 剛性感の高いボディは実用性もトップクラスだ。後席は広いし、小物入れもたくさんある。荷室も大きい。後席クッションまでめくれるダブルフォールディング構造は、このクラスでも少数派になってきた。

 パンケーキみたいにたくさん売れるクルマでも、人真似はしません、というアングロサクソン的ココロザシは独創的な計器盤にも現れている。
 ワインディングロードを走り始めて、パドルシフトがないことに気づく。これだけ“走れるクルマ”なのに、なんでだよー、と思ったら、フロアセレクターに付く小さなスイッチ(写真下)がそれだった。でも、片手運転になってしまうので、こればっかりは企画倒れ。

 アンチゴルフ派のベストカーは新型ボルボV40だが、フォーカスはそれに勝るとも劣らない。家のそばにディーラーがあったら、お薦めします。


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下野康史(かばた・やすし)
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