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 今月のdriver誌「ニコニコドライブ」では長野県北、白馬から上田まで走った。
 途中、鬼女伝説で有名な鬼無里(きなさ)のふるーい旅館に宿泊。鬼無里はやっぱり “異界”の雰囲気が漂う素敵な土地だった。また行きたい。

 白馬といえば、「たかくて、たかくて、たかくて……イッター!」の実況や、「ふなきィ〜 ふなきィ〜」の原田すすり泣きでおなじみ、長野五輪スキージャンプ男子団体戦で有名な地だが、個人的には「東京~糸魚川ファストラン」の最終チェックポイントの地として思い出深い。

 ニコドラで行ったのは白馬岳にまだ残雪の多い5月末、ちょうどイトイガワの季節だったので、空気の匂いまで一緒で、グッとくるものがあった。
 白馬連峰に見下ろされるこの駅前通りを少し上ったところのJAスーパー駐車場にチェックポイントがあったのだ。糸魚川まではあと45km。ここまで来ればひと安心だが、250km走ってきて、もうヘトヘト。

 今年のイトイガワは5月17日だった。山梨市スタートの新コースになってから早、3回目である。
 参加者のブログを読むと、トップコンテンダーは呉越同舟で先頭交代を続けるなど、ますますコンペティティブになっているらしい。順位とタイムも書いてあるから、非公式に結果も出しているようだ。そのほうがいいと思う。競技のつもりで真剣に走ったほうが、絶対に安全だから。

 新コースは、スタートが山梨県になったくせに、距離は294kmから304kmに延びた。
 しかも、白馬からは下り坂オンリーだった旧コースに対して、新コースのラスト50kmは海風を受ける日本海沿いの平坦路である。白馬からの下りでもゲロっていたぼくはもう絶対、ムリ。


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 鬼無里に泊った翌日は、長野電鉄でなつかしい電車に再会する。元・営団地下鉄日比谷線のステンレスカーだ。北千住から東急東横線・日吉までの直通運転用につくられた車両。小学生のころ、初めて見て、そのカッコよさに仰天した。今だって、まだまだイケてる。
 
 社内の銘板を見ると、1964(昭和39)年製。東京オリンピックの年だ。日本のクルマでいうと、初代パブリカとかダイハツミゼット(三輪の)のころである。鉄道車両は長生きだ。ステンレスカーだから、錆びないし。

 長野電鉄は、こういう古い車両をタダで譲り受け(輸送にお金がかかる)、大切に使っている。
 排ガス規制のない電車はうらやましい。                                                                                                                                         

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下野康史(かばた・やすし)
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