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梅ノ木林道 初走破

 昔、“ロンヤス会談”が開かれた山荘のある日の出町と、青梅市との境界にある梅野木峠。頂上から東側に下りてゆくダートを走ってみよう、という夏休みからの懸案を三連休の最後に実行してみた。

 ルートラボで調べたら、その道の出口は、知っている林道の途中だった。初走りなら、そこから梅野木峠目指して上っていくほうがおもしろい。

 秋川街道から分かれる都道を進むと、梅ケ谷峠の手前に「林道 西の入・ホオバ沢線」への分岐がある。梅野木とか、梅ケ谷とか、まぎらわしいが、このへんは梅の名所なのだ。青梅や日の出町に多いバイゴーというドラッグストアも「梅郷」のことだろう。

 林道に入るとすぐ、チェーンロックされてクルマは行き来できなくなっていた。以前はこんなのなかった。
 しかし、林間の舗装路を上ってゆくと、ほどなくアクアが下りてきた。出られませんよと教えてあげようと思ったが、不発。でも、その後も引き返してこなかった。

 車両封鎖されている林道では、よくこういうことがある。入口にも出口にも、デッカい錠前と鎖がかかっていたのに、峠道の途中にクルマがいて、お花見やってたり、山菜採りやってたり。林業関係者で鍵を持っているということなのか。山の持ち主なのか。

 この林道は、峠を下るとつるつる温泉へ向かう都道へ出る。峠近くにあったホースセラピーの乗馬クラブはこの春になくなってしまった。沿道に人家はないはずだ。
 
 寂しい曇り空の下、ファットバイクをこぎ上げていると、背後で気配がした。まさか……、クマ!? と思ったら、ロードバイカーが追い抜いていった。見慣れたジャージ。なるしまフレンドは神出鬼没だ。そして、速い。


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 林道 西の入・ホオバ沢線の峠の手前に、梅野木峠行きの林道入口を発見する。看板にズバリ「林道 梅ノ木線」と書いてあった。

 入るといきなりダートである。最初は平坦で幅員もあったが、じきに狭い山道になる。かと思うと、途中でしばらく簡易舗装になったり、下り坂になったりした。


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 この林道のいちばんの特徴は、見通しのきかないカーブが多いこと。草むらや木立にさえぎられて、向こうがどうなっているかわからない。だから、すごくおもしろい。そして、ちょっとコワイ。冒険気分満点の林道だ。道は未知に限る。

 路肩に寄り過ぎて、一度、半袖の左腕を草むらに突っこむ。黄色い花粉が肌に付いたら、しばらくして痒くなり、家に帰るとアレルギー反応でミミズ腫れになっていた。人が通らないから、植物もパワフルって感じだ。

 距離を知っているとつまらないので、ルートラボでも調べなかった。ファットバイクにも距離計は付いていない。激坂はないが、そこそこの上り勾配をそうとう走り進んだ気がした。


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 杉林と崖に挟まれたカーブを抜けると、視界が大きく開けて、谷の向こうに梅野木峠が見えた。90度大きく左にカーブする上りをクリアすれば、峠である。なかなかドラマチックな峠道ではないか。

 あとで調べたら、梅ノ木林道は4.2km。もっと長いと思ったが、帰りはたしかにそれくらいだった。
 ファットバイクのダウンヒルはサイコーだが、ブラインドコーナーばっかりだから要注意である。クマやイノシシと正面衝突したらタイヘンだ。

 このルートで、ウチから梅野木峠まではちょうど40km。つるつる温泉経由の舗装路ルートと変わらなかったが、激坂がないせいか、トータルでは近い感じがした。
 またいい道をめっけてしまった。                                                                                                                       

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下野康史(かばた・やすし)
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