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カングーで風張林道

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 理想のサイクリスト自動車、ルノー・カングーを借りていたので、発作的にファットバイクを積んで風張林道へ行った。奥多摩最凶の激坂峠だ。

 2年半ぶりである。前回も麓までクルマ。ロードレーサーだったが、途中から残雪に阻まれて引き返した。残雪がなくても、引き返していたと思う。そうとうな健脚ローディーでも、あそこは体に悪いからといって避ける。そんな峠道だ。

 麓から風張峠までは5km弱。ファットバイクで上るのは初めてだ。
 当然、出だしから最軽ギア。それでも、ほどなく汗が噴き出す。発作的だったので、下はジーンズ。汗でしゃっちょこばって、こぎを邪魔する。

 1.5kmほど行ったところに「檜原きのこセンター」がある。ここで何かおいしいものを売っているらしく、最近ときどきテレビの旅番組で紹介されている。そのせいか、たまに乗用車がエンジンをうならせて上ってくる。道が狭いので、けっこうなプレッシャーだ。


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 勾配が何%あるのか知らないが、序盤は天を衝くような上りである。乗り撮りも限界。というか、この勾配でもシャッターが押せるのは、太いタイヤのおかげでフラつかないファットバイクさまさまだ。

 しかし、風張林道は序盤蹴落とし型で、きのこセンターを過ぎると、勾配は一段落する。その後もけっしてラクではないが、序盤のような斜度はない。


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 後半、道路脇数百メートルにわたって、斜面の木がすっかり伐採してあった。深い谷の向こうに奥多摩の重畳たる山並みが見える。絶景だ。


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 このへんは杉林が多いから、伐採は来春の花粉症対策だろう。まだガードレールが出来ていないので、踏み外したらヤバイ。
 でも、ガードレールがないと、舗装の山道でもこんなに美しい。丸腰のこういう道、ツール・ド・フランスにはいっぱい出てくるが、日本ではまず見かけない。


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 奮闘数十分、風張峠に着く。こうして見ると、最後の最後も壁みたいな上りである。
 しかし、車重がロードレーサーの2倍あっても、やはりアンコ型安定性能のおかげか、想像していたほどキツくなかった。ゆっくり走れば、ファットバイクはどこでも上れる。
 
 標高1100mを超す峠近くは紅葉が進んでいた。頂上のすぐそばを奥多摩周遊道路が走るが、ロックアウトされていて、出入りはできない。

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下野康史(かばた・やすし)
下野康史(かばた・やすし)
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