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 土曜日、Tiki Tikiのメンバー3人で入山峠へ行く。あきる野と八王子の市境にある峠だ。

 TカントクとKはロードバイク。ゆっくり長く乗るつもりだったぼくは最初から宣言してファットバイクで行く。
 しかし、多摩サイを抜けて一般道に入ると、今日が新年初乗りというTカントクが立ちこぎ多用で牽き始める。辛抱たまらず、アドレナリンが出ちゃったのか。でもこれ、ファットバイクペースじゃないんですけど……。
 最後尾を走るKが、「カバタさん、前に出ちゃえば」というが、先頭固定したくても、追いつけませんよ。イジメだあ、と思いつつ、武蔵五日市駅前を通り過ぎ、日陰の谷を進み、盆堀林道の入口に着く。


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 渓流沿いの林道を上り始める。最初は日が射していたが、上るにつれて、曇ってくる。川沿いということもあり、さみー。
 この峠にいちばんくわしいのはぼくだが、標高600mの頂上まで何kmあったか、くわしく覚えていない。覚えていても、ファットバイクにサイクルコンピュータは付いていない。

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 山の斜面がうっすら白くなり、路肩に雪氷が現れる。2日前、都内は一日中、冷たい雨だったが、こっちは雪だったのだ。
 でも、こういうパリパリした凍結路なら、ファットバイクはへっちゃらだ。

 そのうち、全面、雪の載った部分が現れ、面積と頻度が増えてくる。ロード組のふたりは、そのつど降車して、押す。サイクルシューズだから、歩きにくそうだ。イッヒッヒ。

 途中で一応、「どうする、引き返す?」と聞いてみる。今から戻るのも癪だし、押していくにも、下り坂は危ない、という雰囲気。頂上を過ぎたら、向こう側は日当たりがいいので、たぶんこれほど雪はないはずだよ、という情報を伝えると、結局、行っちゃおうということになった。
 イッヒッヒばかりじゃナンだから、自転車を交代して、みんなにも雪上走行を体験してもらう。

 去年、東京に大雪が降ったとき、ファットバイクで初めて雪上走行を経験したが、そのときは雪が深すぎて、ぜんぜんダメだった。でも、この日のように、薄く平らに積もった雪で、ましてや表面が凍って堅いと、ワシワシ踏んでいけてしまう。こんなに走れるとは思わなかった。


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 ひどいところではこれくらいしっかり雪道だったが、ぼくだけは上っていけた。入山峠には激坂がないのもありがたい。
 クルマと違ってエンジンは自分だから、積雪が増すにつれてシンドくなるが、この日のマックス5cmくらいなら、ポンコツエンジンでもなんとか上れた。
 ファットバイク、エライ! また雪が降ったら、ロードの連中誘ってこようっと。


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下野康史(かばた・やすし)
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