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 スウェーデンのホーブディングというサイクリスト用エアバッグ・ヘルメット、なかなか“見もの”な安全装置だ。ライダーがぶつかる前に、ネックウォーマーのような本体からエアバッグが飛び出し、ジェットタイプヘルメット型に首から上を覆う。
 実演映像を初めて見た時は、こりゃスゴイ、革命的だと思った。
https://www.youtube.com/watch?v=x6IMsSeJ3bc

 でも、冷静に考えると、どうなんだろう。
 日本でもすでに売っているらしいが、まだ本格的ではないらしく、税別5万円とか、税込6万5000円とか、諸説ある。衝撃吸収性能はヘルメットの3倍を謳うが、値段も3倍以上だ。重さ790gもヘルメットの3倍。

 自動車用エアバッグ同様、展開に火薬の爆発力を使うので、1回でおしまい。これに飛びつく人は“心配性”だと思うが、出先で作動すると、その後は丸腰の頭になる。自動車用と違って、ふくらんだままを保つので、当面の使用はできそうだが、オカメインコみたいである。

 それと、いちばんの問題は、どの程度で作動するのかということ。たとえば、ビンディングペダルを外し損ねたときの立ちゴケでも、開いてしまうのか。

 スポーツ自転車に乗り始めて20数年たつが、おっちょこちょいのわりに走行中の落車はまだ数回だ。幸い交通事故は一度もない。濡れた路面で滑って転倒した時も、股関節を打って翌日、歩けなくなり、病院に行ったが、頭は打たなかった。

 そんな個人的経験から考えると、これはぶつかると重大事故になることが決まっているライダーのための安全装備かなと思う。つまり、レース用。それも、1回使ったら、すぐ取り替えてくれるようなサポート部隊がいるプロレース用。ツール・ド・フランスでも、何年かに一度、死亡事故が起きるから。


                                                                                                                                             
                                                                                                         

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下野康史(かばた・やすし)
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