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 夜中、筋肉痛で目が覚めるなんて、何年ぶりだろうか。
 きのうは還暦の狂い咲き“初フル”に参加した。荒川のサイクリングロードを走る板橋シティマラソン。埼玉県に近い板橋区の北端から、東京湾に注ぐ荒川河口2km手前まで下って折り返すフルマラソンだ。

 オーバーワークで暮れにアキレス腱を痛め、ドクターストップもあって、ここ3カ月、ぜんぜん練習できなかった。せいぜいがウォーキング。
 だが、先週末に10km早歩きをすると、アキレス腱の違和感がついに消えていた。フルマラソン42.195kmを完走するには、最低でも月間100kmは走らなければ、と言われる世界でこのテイタラク。ならば、冒険のつもりで参加しようと思った。

 参加者数、ほぼ2万人。河川敷の会場へ行ってびっくりしたのは、トイレである。簡易トイレがズラーっと並んでいるのだが、それでも大行列が出来ている。とくに男子の“大”。
 朝、ちゃんとしてきたはずなのに、便意を催し、スタート30分前からその列に並ぶ。やっと入ると、これが水みたいな超特急だったのにショック。この日は20℃近くまで気温が上がる予報だったのに、走る前から脱水してどうする。

 おまけに、その時、小をするのを忘れて、出てからまた小便所への長い列に並ぶ。スタートの号砲を聞いたのは、オシッコの最中だった。
 ぼくのスタートはずっと後ろのほうだし、タイムはあらかじめ靴に付けたチップで計測されるので、べつに問題ないのだが、各関門の足切り時間は、号砲からの経過時間で決まる。

 スタートを待つ列も大渋滞だったが、ゲートをくぐってもずっと同じ状態。序盤は後ろからシューズの底を2回蹴られる。荒サイの道幅は広いと思っていたが、2万人には狭い。

 15km行くか行かないかのところで、早くも独走のトップランナーとすれ違う。折り返しコースだから、そのあたりから三角コーンで道幅が半々に仕切られる。距離が進むと、バラけて空くかと思ったら、大間違いだったのだ。
 これだけ大勢の人が走るマラソンは、もはや団体競技なのだと痛感する。でも、まわりのみんなもツライのだと思うからこそ走り続けられるのだが。

 幸いアキレス腱はなんともなかったが、折り返し地点の前からそうとうキツかった。
 25kmからは今まで経験したことがない未知の距離である。30kmとか35kmの壁、という言葉は本当だった。脚も心肺も売り切れ状態になって、33km地点で歩く。しばらく歩いたあと、また走り出すと、フトモモと膝の裏が攣りそうになって痛い。その後は、ほとんどずっと早歩きで進む。

 この大会の補給は充実していて、水やスポーツドリンクのほかに、バナナ、オレンジ、レーズン、パンなどが摂れる。配給側のスタッフは、元気な声で励ましてくれるが、後半のランナーはみんな無言だ。許してくれ。お礼を言う元気がないのである。ラスト5kmあたりのシャーベットステーションがうれしかった。

 時計を見ると、頑張ればまだ5時間以内でゴールできる、と思ったのが40km地点。老骨に鞭打って、ヨチヨチ走り始める。
 しかし、とにかく脚が痛いので、歩幅が延ばせない。靴ひとつ分前に出す程度。アイドリングでクラッチつないで、ガクガク匍匐前進している感じだ。人間がこんなにゆっくり走れる動物とは知らなかった。
 それでも、もっと遅く走っている人がいて、追い越せる。みんな痛みと闘っているのである。

 4時間55分でなんとか完走する。いや、正しくは完走歩(かんそうほ)である。一度も歩かずに、42kmを最後まで走り通すことがいかに大変かを思い知る。
 一緒に出たサブフォーランナーの郡 大二郎カメラマンは自己ベストの3時間47分。1時間以上待っていて、ゴールで写真を撮ってくれた。

 携行品を引き取って、芝生に倒れ込む。しばらくして立ち上がろうとしたら、あちこちの筋肉が攣り、悶絶する。イトイガワの自転車300kmだって、ここまで脚にくることなんか絶対にない。

 初フルマラソンの感想。二度と出るもんか!

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下野康史(かばた・やすし)
下野康史(かばた・やすし)
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