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結婚行進曲はロックだ

 土曜日は磯野正明チェロ教室の発表会。今回もチェロカルテット「アンサンブル火曜日」の4番チェロとして参加させてもらう。

 ここ半年あまり練習を重ねてきたのは、クレンゲルの「即興曲(Impromptu)」というチェロ四重奏曲。
 4番チェロは終盤に低音弦の速弾きがあってカッコイイが、すごくむずかしい。本番でそこはなんとか乗り越えたけど、ほかのところでミスを連発してヘコむ。

 ユリウス・クレンゲルは、いま生きていたら156歳になるドイツ人のチェリストで、すばらしいチェロの合奏曲をたくさん書いている。
 そのなかでも、即興曲は異色の大作だ。7分以上かかる長い曲で、静かに始まり、後半にかけて次第に盛り上がり、さらに爆発的に盛り上がったあと、なんと突然「結婚行進曲」に変わるのだ。そして、そのまま結婚行進曲として大々的に終わるのである。
 知らずに聴いたら、その展開にはだれしもタマげる。結婚行進曲には2つあるが、静かなワグナーのほうではなくて、ダンダッタダーン〜♪でおなじみ、華やかで高らかなメンデルスゾーンのほうだ。この曲は、ロックですよ。

 しかし、なんでこんな曲を書いたのだろうか。磯野先生曰く、「結婚行進曲が好きだったんだろうね」なのだが、それにしても、不思議である。
 マーラーの曲の中にベートーベンが出てきたりすることはあるが、あくまでそれはオマージュが目的の一部抜粋だ。こんなにまるまんま使ってしまう例はほかにないだろう。つくった時の音楽界の反応はどうだったのだろう。パクリと批判されなかったのだろうか。
 
 結婚行進曲に変わる14小節前から、4番チェロが伏線のような低音のリフを刻む。逆に言うと、クレンゲルさんがそこまで書いてきた時に、「アッ、これ、結婚行進曲に似てるじゃん」と思い至ったのではないか。それで、思わずコピペしちゃったんじゃないか。だから、“即興曲”。違うかな。
 
 ただ、誕生の経緯はどうあれ、クレンゲルという音楽家が、シャレのわかる、開かれたおもしろい人間であったことは、この曲からよくわかる。大家(たいか)でいようとしたら、こんな曲つくらないでしょ。ドイツの新垣 隆か。
 とすれば、登壇して、立ったまま客席に一礼する前に、4番チェロがイスに座って失笑を買うことから始まったわれわれの演奏も、許して頂けたことと思う。



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 最後のお楽しみ、磯野先生の演奏は、ショパンの「華麗なる大ポロネーズ」。

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下野康史(かばた・やすし)
下野康史(かばた・やすし)
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