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峠狩り

 5年続いた「driver」誌の連載「ニコニコドライブ」がこの春に終わり、7月から「峠狩り」という新シリーズを始めた。クルマで走ったら楽しい峠を毎回、紹介していくという企画だ。
 ぼくの峠好きは、蒸気機関車の写真(上り坂だと、煙をいっぱい吐く)を撮り歩いていた十代のころからで、自転車でもついつい峠へ行ってしまうのは、帰巣本能みたいなものだと思う。

「峠狩り」の取材は完全なドライバー目線だが、あちこちの峠へ出かけて、あらためて感じるのは、サイクリストが増えたことだ。

 10年前、平日の筑波山で自転車を見かけることなんてなかったが、この夏に行った時は、観光のクルマよりロードバイカーのほうが多いくらいに感じた。
 上りのブラインドコーナーを抜けると、音もなくそこにいるかもしれない自転車に、ドライバーは細心の注意を払わないといけない。というようなことを自動車専門誌の峠ドライブ記事に毎回、書かなくてはならない時代になったのだ。


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 奥多摩周遊道路にはセンターポールの立ったカーブが多い。ローリング族のバイクやクルマがセンターラインからはみ出すのを防ぐためである。
 取材のとき、「都民の森」の駐車場を管理しているおじさんと話していたら、休日の奥多摩周遊道路で、いまいちばん迷惑なのは自転車だと言った。上りのカーブに遅い自転車がいると、追い抜きができず、後ろにクルマがつながってしまうからだという。
 でもそれは、センターポールがあるからいけないのであって、自転車が悪いわけじゃない。


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 ドライブコースとして有名な峠道にこれだけ自転車が目立つようになったいま、そうした観光峠道にもサイクリスト目線の施策が急務だと思う。
 たとえば、筑波山麓のカーブにある凶暴なスピードハンプ(写真上)なんか、軽いロードバイクで知らずに突っ込んだら、吹っ飛ばされてしまう。

 先月行った赤城山にも、平日なのにロードバイカーがたくさんいた。この道路に点在する「波状舗装」も、下ってくる自転車には恐怖だろう。
 しかしそれにしてもロードバイカーが目立つ。標高1400mの頂上まで、きつい上り坂が20km続くのに、みんなすごいなあと思ったら、山頂にゴールゲートが出来ていた。その週末に赤城山ヒルクライムが控えていたのである。
 オタクの日本人がこれだけ自転車ヒルクライムに熱中している。世界的なクライマーがこれからどんどん出てくるんじゃないだろうか。


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下野康史(かばた・やすし)
下野康史(かばた・やすし)
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