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推定無理の国

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 driver誌「峠狩り」の取材で、年末に奥秩父を走った。埼玉・山梨県境に近い、関東の秘境だ。
 写真の細い道は、これでも国道で、秩父往還と呼ばれてきた古道。左側の谷間にチラ見えしているのも同じ140号。ダムをつくったために、同じ国道が全部で3本並行している珍しい場所だ。
 
 普通、国道の新道ができると、古い道は県道以下に格下げされる。ここはなんでそうならなかったのか、役場の人に聞いたら、「格下げされると、保守管理の予算が減っちゃうからじゃないでしょうか。……アッ、あくまで個人の見解ですが」とのことだった。ダムをつくるとき、3本とも国道として残すというのが条件だったのではないか、というのがぼく個人の見解。

 国道脇のトイレに行ったら、近くの地面で何かを計測している人がいた。「セシウムですか?」と聞くと、当たりだった。
 埼玉・山梨県境には2000m級の山が連なっている。山があると、その手前に放射性物質が溜まるらしい。でも、「セーフですか?」と聞いたら、「ぜんぜんセーフです」とのこと。よかったよかった。

 と思っていたら、新年早々、北朝鮮で水爆実験って。爆竹じゃないんだぞ。
 国境に近い中国の高速道路にある定点カメラが微振動しているニュース映像を見た。本当にあの金王朝国家は計り知れない。

 大気中の放射性物質を計測するために自衛隊機が飛び立ち、各自治体のモニタリングポストでも監視を強めている、というニュースも見た。

 ただ、そういうことにあまり神経質になっても仕方ないし、意味がないと思う。まず足もとを見なきゃ。
 世界遺産フジヤマの麓だって、実はまだこんな状態ですから。


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(2015年11月17日撮影)

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下野康史(かばた・やすし)
下野康史(かばた・やすし)
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