|
サイクルロードレースでおなじみ、マヴィックカーを取材した。チームカーと違って、すべての選手のマシントラブルに対応してくれるニュートラルサービスカー、通称、ニュートラルカーだ。 ニュートラルサービスは、シマノやカンパニョーロやジャイアントなどもやっているが、マヴィックはその発案者、パイオニアだ。1973年からヨーロッパのプロレースで走り始めたマヴィックカーが、ニュートラルカーの元祖である。 ニュートラルカーは、レースの常に最前線で仕事をする。集団からアタックがかかったとき、タイム差が30秒開くと上がってゆくのがニュートラルカー。逃げた選手のチームカーは1分30秒離れないと、追いかけられない。 それほどレベルの高くないレースでは、そもそもチームカーを出せないチームも多い。分け隔てなくすべて選手に勝つチャンスを与えるのが、ニュートラルカーの役割といえる。 96年から走り始めた日本のマヴィックカーも、やることはヨーロッパと同じだ。 ルボラン誌の取材だったから、たとえば、ニュートラルカーはなんでみんなステーションワゴンなのか、とかいったクルマの話はルボランに書いた。なので、ここでは自転車関係の耳寄りな話をちょっと御紹介。 日本のマヴィックカーが積んでいるエアポンプは、これです。トピークのいちばん高いやつ、ジョーブロー・ブースター。エアチャンバーが付いていて、あらかじめポンピングして溜めた空気(最高11気圧)を、一気に充填できる。バルブが仏式でも米式でも、同じヘッドを突っ込めば入れられる。2万円近いから、個人で使っている人はそうそういないと思う。 といっても、ニュートラルサービスの現場でエアポンプを使用することはない。 トラブルで圧倒的に多いのは、パンクだ。次が、ホイール損傷、フレーム損傷の順。その“ニーズ”に対応して、黄色いスバルレヴォーグにはタイヤ/ホイール、完成車(大小各1台)などが積んである。 パンクの場合は、ホイールごと交換する。選手は興奮しているが、前輪ならたいていホイールをすでに自分で外してあるか、リアなら、ギアをトップに入れて、チェーンを外しやすい状態にして待っている人が多いそうだ。 タイヤは7気圧入れたマビックのクリンチャー(WO)。ホイールも、もちろんマビック製だ。 チューブラータイヤの選手が前輪をパンクさせてマヴィックカーのお世話になると、フロントがクリンチャータイヤになるが、コーナリング性能が変わるとかいって、それをイヤがる人はいないそうだ。集団に戻れれば御の字なのだから、あたりまえか。 完成車もマヴィックカラーに塗ってあるが、中身はグラファイトデザイン製のカーボンフレームである。 リアホイールのスプロケット(ギア板)は、シマノ(スラム)とカンパニョーロを用意している。「○番、パンク」という無線が審判車から入って、救援に向かうとき、その選手(チーム)がどちらのユーザーなのかを予め把握しておくのも、ニュートラルサービスの技量である。 マヴィックカーに乗るスタッフは、ドライバーとメカニックの2名。メカニックは後席左側に座り、右側に置いたホイールを掴んですぐ飛び出せるようスタンバイしている。足もとには工具袋が広げてある。 リアシートからの視界をよくするために、助手席は空席で、ヘッドレストも外してある。実演してくれたのは、マヴィックカーのディレクター、Mさん。法政大自転車部出身だ。 マヴィックカーのドライバーやメカニックをやるのに、何か特別な資格や試験があるわけではないが、全員、ロードレースの経験者である。でないと、取りつく島がないだろう。 2016年も、北は北海道から南は屋久島まで、90のイベントにマヴィックカーが出動する。 最近は一般の人が出る大きなアマチュアイベントからの要請も多いという。ロードレースをかじった人なら、そりゃだれだって、マヴィックカーと一緒に走ってみたいと思うだろう。 ちなみに、佐渡ロングライド210には、毎年、ニュートラルカーとニュートラルモト(ヤマハT-MAX530)が各1台、参加している。 「マヴィックカーに助けられちゃった」って、ちょっと言ってみたい。
|
過去の投稿日別表示
-
詳細
2016年09月26日
全1ページ
[1]
コメント(0)
全1ページ
[1]


