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 バスが小さく見えるほどデッカいクルマの取材で、長野県諏訪市に行った。

 東京〜糸魚川ファストランで16回(年)も通ったので、諏訪湖はなつかしい。糸魚川まで300kmの、ちょうど真ん中がここ。大垂水、笹子、富士見の3峠を越えて150km走ってくると、そうとうくたびれている。暑かった年、記録を狙って序盤からブッ飛ばし、突然、ドロップハンドルの上にゲボッと吐いてリタイアしたのも諏訪だった。今から思うと、熱中症だった。

 年に1回、自転車で通るだけで、落ち着いてちゃんと見たことはない町なのだが、この日、クルマで走って新鮮な発見だったのが、上川の堤防道路だ。


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 諏訪湖に流れ込む上川の堤防と河川敷を一方通行の車道にしている。諏訪インターに向かう県道を走っていたら、前の軽自動車が突然、左にそれて河原へ下りていったのでびっくりした。少し走ったら、同じような分岐点がまた現れた。真似して下りていくと、それが堤防道路だった。
 河川敷に下りる分岐点には、点灯していない信号機がある。赤が点いていたら、道路冠水を表し、進入禁止になる。


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 堤防に上がったり、河原に下りたり、アップダウンがせわしない。幅員も狭い。一見サンには「エッ、こんなとこ走ってていいの!?」と緊張させるが、あっけなく諏訪インターの近くに出た。

 川を横切る道路の下をくぐるから、信号がまったくない。そのため、並行する県道よりずっと早く進める。速いけどお金は取らない、快速電車みたいな道路である。
 
 要は川沿いのサイクリングロードの車道版ですね。つくりはサイクリングロードそのものだから、実際、クルマで走っていても“気分はサイクリスト”。多摩サイが車道だったら、こんな感じなのか、と思わせるところがおもしろかった。

 地方都市はマイカーがないと暮らせない。にもかからず、道路の絶対数が足りない。東京みたいに“裏道”が多くないのだ。
 諏訪の町も、通勤時や週末は大渋滞するのだと思う。御柱祭や花火大会のような大イベントもあるし。
 そんな事情から生まれた、まさに“ローカル道”である。諏訪へ行ったらお試しあれ。

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下野康史(かばた・やすし)
下野康史(かばた・やすし)
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