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 今月号の「峠狩り」は、霧ヶ峰のビーナスラインへ行った。

「driver」誌で記事を見て、走りに行ったら冬期封鎖、では読者に申し訳ない。冬場通れなくなる道は、そのタイミングでは取り上げないことにした。
 長野県の茅野市から上がるビーナスラインも北側は冬期閉鎖だが、車山高原スキー場がある南側は冬でも通れる。
 とはいえ、東京にも降った今日の雪で、さっき霧ヶ峰交差点のライブカメラ映像を見たら、真っ白だった。この晴天は1カ月前です。


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“観光湖”みたいな白樺湖は好きじゃないので、上諏訪から初めて走る県道で上る。
 霧ヶ峰スキー場まで一気に直登するこのルートは、すごい急坂だった。12km上りっぱなしで、平均勾配7.2%。住宅が建つ麓には最高15%が点在する。こっちは367馬力のボルボV60だったから、なんてことないが、今回はさすがにひとりもサイクリストに行きあわなかった。

 昔から三菱エアコンで有名な霧ヶ峰だけど、そういう“山”はないんですね。「霧ヶ峰って、どれですか?」。車山肩のバス停にいた登山者に聞いて驚いた。霧ヶ峰は一帯の広い高原を指し、そのなかでいちばん高いのが車山だという。ひとつ利口になった。字を書く、汗をかく、そして、恥をかくのはいくつになっても大切です。


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 霧ヶ峰というくらいだから、霧がよく出るのだろうが、この日は快晴。日射しが強くて、ぜんぜん寒くなかった。

 ビーナスラインは整備の行き届いた山岳道路である。標高1800mまで上がり、近景も遠景もすばらしい。南アルプスや八ヶ岳はもちろん、富士山も見える。「世界遺産富士山、見えてます」という看板が展望レストハウスに立っていた。お膳立てが整い過ぎていて、ちょっと気恥ずかしいくらいである。個人的には、もっと窮屈で、暗くて、ジメジメした峠のほうが好きだ。

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下野康史(かばた・やすし)
下野康史(かばた・やすし)
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