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 スポーツ自転車に乗り始めた90年代前半、キャノンデールでびっくりしたのは、ぶっといアルミフレームのロードバイクだった。とくにダウンチューブが水道管のように太い。モデル名に付く2.8とか3.0とかいった数字は、パイプの直径(1インチ=2.54cm)だ。

 いまは、太いのがあたりまえになり、ダウンチューブ裏側にメーカーロゴを入れて、すれ違いざまに誇示するわけだが、細身のスチールフレーム全盛(の最後)だった当時、あの太さは衝撃的だった。アルミフレームは、パイプの肉厚を細くして、パイプ径を太くするほうが、軽量と剛性がより実現できる、というような説明だった。

 90年代は、デローザもコルナゴもピナレロもビアンキも、イタリア国内生産だった。石炭の直火にスチールパイプを突っ込んでロウづけするフレームビルダーなんかも残っていた。
 そのころ、イタ車専門店だった上野 横尾双輪館の御主人に「アメリカ車って、どうなんですか」と聞いたら、「残りませんよ」と即答された。

 でも、アメ車、残ってます。キャノンデールも、トレックも、スペシャライズドも。研究開発にお金をかけて、「新しいことをやる」というイメージは、ヨーロッパ車よりも強い。個人の感想ですが。

 キャノンデールが“NEW ROAD”、つまりニューロードバイクと謳うのが、27.5インチ(650mm)のスレイト(SLATE)だ。
 一見、MTBにドロップハンドルを付けたように見えるが、オフロードモデルではない。


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 タイヤのトレッドはほぼスリックだが、幅は42mm。ロードバイク用の倍近くある。このタイヤとの組み合わせだと、車輪の外径(ハイト)は700Cロードバイクよりちょっと高い。つまり速い理屈だが、これだけ太くて、空気量があると、なによりも安定感と快適性に御利益を感じる。

“レフティ”のフロントフォークと、ディスクブレーキが付いている。ロードバイクにはそのどっちもいらないと思うが、「付いてて邪魔にならない」以上のメリットはある。専用フォークはカーボン製で、車重も実測10kgちょうどに収めている。


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 キャノンデールの代名詞、レフティ(左利き)フォークは、見た目には「ダイジョブなの!?」と思わせるビジュアルショックがあるが、乗っていて、片持ちの違和感も実感もない。クルマの車輪はみんな片持ちですね。

 乗った印象は、“路面を気にしなくていいロードバイク”である。だから、通勤にも長距離にも向いている。あと、体重の重い人にも。
 NAVI CARS誌の「自転車試乗記」で乗ったのだが、いまからロードバイクを買うとしたら、これいいなあと思った。

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下野康史(かばた・やすし)
下野康史(かばた・やすし)
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