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2年ぶりに新木場の“サノマジック”を訪ねる。 マホガニー製のロードバイク、とわかっていても、こうやって実物を見ると、ついついシャッターを押したくなる。それほどフォトジェニックで美しい。 長身でイケメンの佐野さんは、ぼくより3つ下だが、見た目は20歳下に見える。でも、江戸時代から9代続く船大工の家に育ってきた人だから、迫力がある。とくに仕事のことについて、トンチンカンな質問をしたり、半可通を気取ったりすると、たちまち沸騰する。要は、チャキチャキの江戸っ子×職人気質なのだ。ぼくはもう慣れたけど、今回、初めての編集者とカメラマンには、「おっかないよ〜」と、事前レクチャー。 製作途中のフォークがあった。マホガニーは、グアテマラ産で、最低10年自然乾燥させてある。だから、サノマジックの自転車は、たとえ新車でも10年モノ以上だ。 木製といっても、無垢の単板のまま使うことはほとんどない。われわれ素人は、ついそう考えてしまうから、木なんかで大丈夫なのか!?と思ってしまう。このように薄板を接着剤で何層にも貼り合わせた合板のカタマリをつくり、必要に応じてそれを成形したり、肉抜きしたりする。積層と接着で強度を出すわけだ。 「接着剤は、エポキシ系ですか?」 「エポキシぃ……!? 重くて使えませんよ」 正解は、ドイツ製のポリウレタン系接着剤で、水に浮くそうだ。 完成したフォークを横向きにして床に置き、佐野さんが先端に乗り、全体重をかけて跳ねてみせたが、わずかにしなるだけだった。 後輪のリムをカンナで削る。自転車をカンナでつくっている、と思うと、やっぱりスゴイ。 真円はどうやって出すのかと聞いたら、写真撮らないなら、見せてあげるよといって、冶具を見せてくれた。ちゃんと聞けば、ノーシークレットでなんでも教えてくれる佐野さんに、撮影NGと言われたのは、これが初めて。 税別200万円でも、納期2021年までバックオーダーが溜まってしまったため、いまは注文を受けていない。ラムサール条約で、マホガニーの入手が難しくなったことも悩みの種らしい。
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