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『試乗時間が短かったため、サワリしかわからなかった』 新型車の試乗記の原稿にそう書いたら、編集部のアカが入った。「さわり」という言葉は、“いちばんの聞かせどころ”の意なので、要訂正とのこと。 辞書を調べたら、ホントだ。もともと浄瑠璃の用語で、ぼくの使い方だと、まるで正反対の誤用だったわけだ。知らなかった! しかし、負け惜しみをいうわけじゃないが、サワリって、こういう使い方、しませんか? 映画のサワリ教えますとか、本のサワリを御紹介とか。使われちゃってません? むしろ上記の正しい意味で使われている場面に出会った記憶がない。 こういう言葉って、少なくないと思う。たとえば「役不足」。カーグラフィックの編集部に入りたてのころ、読者から手紙で指摘があった。 『ノーマルのショックアブソーバーでは役不足なので、KONIに交換した』。御誌でよく使うこの表現は間違いである。「役不足」とは、もともと歌舞伎界の言葉で、役者に対して、役のほうが不足している、という意味なのだそうだ。いまでいえば、世界のケン・ワタナベが一介の通行人とは、役不足も甚だしい。という使い方が正しいのだろうか。 ショックアブソーバーの例でいえば、正しくは「性能不足」ですかね。 しかし、再び負け惜しみを言うと、正しい意味での「役不足」、そんな状況って、ふだん身のまわりにあります? こんどカバタさんが課長になったけどさ、あんな人じゃ役不足だよなあ、という使われ方のほうがとっくに一般的だと思う。 でも、間違いは間違い。ああ、日本語って、むずかしい。 |
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2017年05月31日
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