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山梨県大月市の大峠へ行く。標高1560m。高尾山の2倍以上ある文字通りの大峠だ。 先日、復活させた折り畳みの24インチジャイアントで輪行しようと思ったが、日和って麓の大月まではクルマで行く。積めるから、ポルシェバイクにした。 大月の駐車場から22km。標高差1230mをこぎ上げて大峠へ着く。序盤がかなりきつい上りだったが、疲れている場合ではない。 ここまでは過去に何度か自転車で来たことがある。今回のメインテーマは「向こうへ下りてゆくこと」である。大峠の道は、大月側の入口から峠を越えて深城ダムまで延びる全線27kmの「林道 真木小金沢線」なのだが、峠から北側はゲート封鎖で車両通行止めになっているのだ。 ゲートのロック度は低く、人と自転車は脇から通れる。といっても、自己責任の未踏林道ダウンヒルだ。ここから出口ゲートまでは15km。クルマは通らない。どっかへ突っ込んで動けなくなったって、ドクターヘリを要請するようなタワケたことは許されない。だいたい、とっくに携帯はつながらない。ひとつ、クマよけのベルを忘れたのが心残りだ。 長袖のウインドブレーカーを着込んで下り始めると、すぐに数匹のサルに遭う。行く手の路上でなんか食べていた。「一応どいてやるけどな」という感じで林の中に移動するが、サルはメンチきってくるので、コワイ。 なんで車両通行止めなのか、じきにわかった。道路がこんなことになっている。 落石防護ネットもご覧の通り。 なんかの骨とフン。 ほぼ100%舗装はされているものの、クルマで上がってこられる大月側と比べて、とにかく路面状況が悪い。このくらいの落石はあちこちにある。砕けた石は矢じりみたいに尖っているので、ロードバイクだと強行突破せず、下車してさっさと通り抜けるのがいい。 落枝を拾ってリアブレーキにカラんだので、止まる。止まるとすぐに蚊やブヨやハチが飛んでくる。野生動物の声もする。ガサガサと何かが動く草音もする。今回は遭わなかったが、路肩には「猪塚」と刻んだ石碑が立っていた。こんなところでパンク修理なんて最悪だ。華奢な24インチロードで来なくてよかった。 後半になると、絵になるトンネルがたびたび現れる。コンクリのかたまりを見ると、ホッとする。 いくつ目かのトンネルの手前で写真を撮ろうとしたら、路肩にこんなものがいた。 なんだろう。タヌキか、いや、まさか、アリクイ!? はいないだろ、日本に。あとで調べると、アナグマのようだった。 向こうは10秒くらいこうして動かず、ズームしながらシャッターを4回押させてくれた。湘南動物プロダクションか。 やがて防護ネット沿いを逃げていったが、向こうではなく、距離が近づくこっち側に逃げていくのが女子中学生の初恋みたいで可愛かった。落語に出てくる“ムジナ”は、アナグマのことらしい。警戒心がこの程度なので、昔から人間との接点がけっこうあったのだろう。 後半はトンネルが多いが、どれも短いからコワくない。 5本目のトンネルが、小金沢トンネル。出たところに深城ダムの駐車場があり、クルマのロケやニコニコドライブの取材で何度か来たことがある。このゲートもおなじみだったが、まさかここが大峠への上り口だとは知らなかった。 標高1560mから連続15km、地底に下りてゆくようなグランドダウンヒルだった。しかも、ちょっとしたジュラシックパーク気分が味わえる。久々に心が震えるサイクリングをした。今度はファットバイクで来たい。 ただし、こっち側から上るのはナシである。足場の悪い道は、重力エンジンの力を得て、さっさと下るに限る。匍匐前進スピードで上ると、サルに追っかけられそうだし。 深城ダムから、来た方向を振り返る。あの山塊を越えてきたかと思うと、感慨深い。自転車って、スゴイ。 ダムの駐車場には、よくスバルの実験部隊が実走試験に来ている。だいぶ前、明らかにディーゼルエンジンのアイドリング音をさせるレガシィを見たことがある。 ダムから大月までは、国道139号で15km。こっちからだとやはり基本下りっぱなしのローカル道なので、苦にならない。いいクールダウンになった。
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2017年06月11日
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