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 日曜日は50kmマラソンに出た。「歳の鬼あし 多摩川ランニング」。

 何年か前、やっているところをたまたま見た。高齢者のランニング大会かと思って、ボランティアの人に聞いたら。歳(とし)とは、新選組・土方歳三のあだ名。東京都日野市は土方の出身地で、このイケメンはすごい健脚の持ち主でもあったらしい。
 
 それに因んで、毎年、日野市が催す「ひの新選組まつり」の一環として開かれるのが、このウルトラマラソン大会。20kmクラスもある。「鬼足」って、競輪用語かと思ったら、昔からあった言葉なんですね。

 過去3回出た42.195kmのフルマラソンでも死にそうになったし、この冬に痛めた左足首が慢性化しているので、キャンセルしようとも思ったが、エントリーして出ないのは、主催者に失礼だし、コースがホームゲレンデの多摩川と浅川のサイクリングロードだし、最初30km走ったところでスタート地点に近づくから、無理ならそこでやめればいいし、足切りタイムも45km地点で6時間半とやさしいし、と、日々是口実を考えた末、やだけど参加することにした。


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 曇りで暑くないマラソン日和。左足首の痛みは、10kmも走ると、消えた。なくなったわけじゃなく、ランニングの負荷が痛みをオーバーライドするのだと思う。注射のときツネるのと同じやつ。

 25kmまでは思いのほか快調だったが、雨が降り出した30kmあたりから、足が売り切れる。
 33kmまでは走ったものの、それ以後は、走&歩。練習不足だから仕方ないが、今回は40kmからフクラハギの痙攣(けいれん)という伏兵に苦しめられる。

 走っていると、子持ちシシャモみたいなフクラハギのあちこちがキュッキュッと移動しながら収縮する。痛いし、エイリアンが皮膚を突き破ってきそうで、気持ち悪い。そんな“感じ”がするだけかと思って、足もとを見たら、フクラハギの一部が、見たこともないカタチに窪んでいた。これヤバイんじゃないの。

 走り出して300mも行くと痙攣するので、歩く。走りだすとまた、の繰り返し。「としの鬼あし」じゃなくって「やすしの痙攣あし」だ。
 終盤は歩いているほうが長かった。最後の10kmは1時間40分以上かかる。残り5kmからは雨も強くなり、ミジメだった。

 競技場のゴールまで500mくらいからは、死力を振り絞って走る。雨のなか、道案内のボランティアさんが手を叩いて応援してくれるし、さすがにフィニッシュラインを歩いて越えるのはいやである。
 でもそうやって、いざがんばると、痙攣が起きない。筋肉もメンタルでコントロールできるんだ、というのが今回の収穫だったかも。
 ヨメさんには内緒だったので、帰ってから、叱られる。


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 50kmクラスのエントリーは350人。コンパクトなイベントだけど、オーガナイズも雰囲気もすごくよかった。
 ウルトラマラソンデビューの人にも、あるいはぼくみたいな「ウルトラマラソンに出た」と言ってみたい人にもお薦めです。
 しかし、100kmとかの本物のウルトラマラソンに出る人って、どーゆーこと!?

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下野康史(かばた・やすし)
下野康史(かばた・やすし)
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