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秘境峠、六十里越

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 今月号はこの景色が拝める新潟・福島県境の六十里越(ろくじゅうりごえ)を訪ねた。
 標高は760mほどだが、豪雪地帯なので、冬期閉鎖。麓から向こうの麓まで20km以上ある大型峠である。
 田中角栄政権時代に通じた国道峠で、展望スポットに角さん自筆の石碑があります。

 福島県側の只見に近づくまで、沿道には何もない。自販機1台ない。あるのは、並行するJR只見線だけ。それも1日3往復のみ。


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 ところが、その只見線の線路が美しいんだわ。非電化の単線だから、架線もポールもなし。国道の舗装はよくないが、こっちは保守が行き届いていて、路盤もレールもきれい。曲がっているのに、これだけ平行な2本線って、世の中にありますか!? 
 列車来なくても、この鉄路だけでワタシはゴハン三杯イケます。


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 山塊の麓を貫通する只見線の六十里越トンネルは、全長6.4kmというローカル線とは思えない長さ。究極の雪除けですね。トンネルを抜けると、そこは奥会津の田子倉湖。
 ここのレールは、ゴハン10杯。

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 田子倉ダムをバックにするつづら折りを下りきると、只見の町はもうすぐ。
 マタギの村を水没させて1960年に出来た水力発電ダムは国内最大級。電気は首都圏に送られていることをお忘れなく。250km離れたウチの近くの高圧線鉄塔にも「只見幹線」と書いてあります。


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 只見では昔からマトンが食されてきた。羊の牧場があったわけではないが、貴重な蛋白源として羊肉を入れるルートがあったんでしょうね。
 ここは寿司屋だけど、昼はマトン焼肉定食も出す。豪雪地帯で暮らす人の温かみが感じられる只見は、個人的に大好きな町だ。

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下野康史(かばた・やすし)
下野康史(かばた・やすし)
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