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閉所恐怖症なので、トンネルが大嫌いだ。なかでも都心環状線の延々続く地下トンネルはワーストワンだが、ご褒美はこの景色。『トンネルを抜けると、そこは大井の新幹線車両基地だった』なのである。ここからじゃないと見られない絶景だ。 さらにセカンドワーストの東京湾アクアトンネルを抜けて、きのうは「シビックデイ」に行った。 今夏、発売されるシビックのお披露目試乗会。発表前なので、サーキットのみのクローズドイベント。わざわざシビックデイなんていうから、歴代モデルに乗せてくれるのかと思ったら、新型のみ。それも、目玉のタイプRは展示だけ。試乗といっても、1周2kmのサーキットをセダンとハッチバックで各4周。なんのことはない、メディアを巻き込んだ「シビック日本カムバック」のティーザーキャンペーンである。メディアにしてみれば、広告出してくれよ!だろう。 エンバーゴ(報道解禁日指定)はなく、すぐに公開してけっこうです、って、あたりまえだ。アメリカでは2年前に発表されている。日本だって、ファンイベントではもう見せている。 プロトタイプと称する試乗車も、こういう場合、どれほど鼻のアブラが塗ってあるか、わからない。 でも、カッコはなかなかおもしろい。とくにハッチバックのリアスタイルは、目立つ。タイプRじゃないフツーの1.5リッターターボでも、タイヤは18インチの235ヨンマルで、2本出しマフラー(タイプRは3本)。ホンダファンもカムバックなるか。 |
クルマの話
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シトロエンのハイドロニューマチックサスペンションが風前のともしびだ。 唯一のハイドロシトロエンだったC5は、日本ではもう買えない。C5を最後にやめるとシトロエンも発表している。プジョーと同じコンポーネントを使えという圧力が高まるなかで、金も手もかかる油圧空気バネに存続の余地はなかったんでしょうね。 「ルボラン」誌の取材でJavel(ジャベル)を訪ね、黄金期のハイドロシトロエンに乗せてもらった。GS1220クラブ(写真左)と超レアなCXアンビュランス。どちらも竹村代表の個人車だ。 70年登場のGSは、BXの先代にあたるコンパクトシトロエン。1.2リッターエンジンは空冷水平対向4気筒。プジョーに吸収される前のシトロエンは、なにもかも独自で独特だったのだ。 80年代の一時期、ぼくも中古のGS1220クラブをファミリーカーにしていた。キャブ調整ができていなかったので、てこずったが、竹村さんのGSは完璧だった。シトロエンの愛好家がずっと倉庫保管していた個体で、77年式なのに3万5000kmしか走っていない。 ひとさまのクルマだから、ハレモノに触るように扱ったが、ハンドルを返すと、オーナーは空冷フラットフォーを容赦なく引っ張って、第三京浜をぶっ飛ばした。見えざる手がクルマを安定させるようなフルハイドロの乗り心地も、包み込むようなシートも絶品。あらためてハイドロシトロエンの傑作だと思った。 聞けば、竹村さんは学生時代にチョイ乗りしたGSに感動し、その後、家業の修理工場をシトロエン専門ガレージに変えた。GSに人生変えられちゃった人である。 全長5.5m、全高1.9mのCXアンビュランスは、スイスで本当に救急車として使われていたクルマ。現役当時は、ハイルーフの車内で簡単な手術もできるようになっていた。イチゲンさんが運転するにはデッカすぎるし、霊感の強い人に見せたら、いろいろ憑いていると言われたとかで、早々にセルフセンタリング式ハンドルをお返しする。 CXの車高ミニマムとマックス。ハイドロニューマチックの油圧シリンダーには、最高170バールの油圧がかかる。タイヤの空気圧が2〜3バール。カチンコチンに空気を入れたロードバイクのタイヤだって、せいぜい9バールくらいだ。そりゃあ、壊れもしますよねえ。 |
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コルベットの最新モデル、グランスポーツ。 6.2リッターV8・OHVエンジンは標準モデルのZ51と同じだが、トレッドを10cm広げて、さらにレーシィに仕立てている。いわばコルベットのポルシェ911GT3。 でも、公道で使うならGT3よりはるかに楽しいし、かろやかで、快適。価格はいちばん安い911カレラのMT並み。 コルベットに乗って、裏切られた試しはない。ホント、アメリカ車の至宝です。 いまのコルベットには、ドライブモードセレクターが付いている。スイッチでクルマの硬軟キャラが変えられる、いまやおなじみの装備。しかし、コルベットのはちょっとオモシロイ。 ダイヤルを回してゆくと、計器盤のなかでドライブモードの頭文字と日本語訳が切り替わってゆく。E(エコ)→T(ツーリング)→S(スポーツ)、で、その次にTr(曲名)と表示されるのだ。ン……!? なぜにここで突然、オーディオの情報が出るの? 初めて見たときは、しばらく理解できなかったのだが、トリセツと照らし合わせて、わかりました。誤訳です。 “Tr”はいちばんスポーティな“Track”の略。「400mトラック」のトラック。つまり、サーキットモードの意。 だが、trackには「曲」という意味もある。サウンドトラックとか。そっちと間違えちゃったんですね。日本仕様化をアメリカ国内でやっていて、なおかつ日本の現地法人がアバウトだと、こういうミステークが起こるわけである。 これに気づいたのは、2年以上前なのだが、最新のグランスポーツでも直っていなかった。イヤーモデルは変わっているのに。単行本の版が変わっても誤植を直さない出版社みたいなものである。
いざサーキットランへ出陣! というときにセレクトダイヤルを回すと、466馬力の日本仕様コルベットは「曲名モード」になる。カワイくて、いいですかね。 |
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昔、自動車専門誌づくりの世界では、「困ったときのスカイライン」、「困ったときのポルシェ」という言葉があったけど、最近よく聞かれるのが、いままでで、今年で、上半期で、あるいは、最近乗ったなかで、いちばんよかったクルマは何ですか? という質問だ。困ったときの「“一番“企画」。丸投げかよ、とは思うが。 そういうとき、さすがにいちばんではないし、いちばんとも言いたくないけど、いちばんの次グループには入るなあと思うのが、ゲレンデヴァーゲンのAMG、メルセデスAMG G63だ。 お金持ちがSUVに乗り始めたのが最近の世界的トレンドだが、まだSUVなんて言葉がなかった79年に登場した超ヘビーデューティなオフロード四駆を、高級仕立てにし、AMG部門が公然とドーピングした。ゲレンデヴァーゲン本人にしたら、聞いてないよォ的展開にきまっているが、ドイツ人の完璧主義でそこをやりきっちゃうところがスゴイ。 ばかばかしいほどパワフルで、ばかばかしいほど硬い。そして、“SUV”といういま風の語感からすると、ばかばかしいほど四角い。初めて乗り出したとき、四角いスーパーカーだ! と思った。 運転席は高いところにあるが、座ると、幅は意外や狭い。フロントガラスも窓もピラーも、垂直か水平。シートは小学校のイスみたいにアップライトな姿勢で座らせる。しかしそのおかげで、四角い箱に収まったような安心感を覚える。それはゲレンデヴァーゲンの伝統だ。 ボディ全高は2m近いから、ファットバイクも立てて積める。 あらためて気づいたのは、横開きテールゲートが全面開口ではないこと。左右に30センチくらいパネルを残して、開く。理由はわからないが、鋼鉄製と言いたくなるようなボディ剛性に貢献しているのはたしかだ。 571馬力。重さ2.6トン。価格1971万円。低速域でハンドルをきると、キャスターアクションが足りず、自分でワッセワッセ戻さないといけない。そういう古さは随所にあるが、それも“歴史”だ。ポッと出のプレミアムメガSUVにはない説得力と魅力がある。クルマ好きなら、ぜったい心に刺さると思う。
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『カーグラフィック』の今月号は、予告どおり、創刊2号(1962年5月号)の復刻版が付録。 特集はジャガーで、表紙は巻頭テスト車のEタイプ・ロードスター。縦位置の表紙でクルマを最も大きく見せるには、高めの位置からのこのアングルしかなかったのだろうが、そのために、メルセデス300SLの創刊号とあまり変わり映えしないのが御愛嬌だ。 55年前のジャガー特集を読んでまず驚いたのは、前文に「ジャガーの伝統は“よいものを安く”であること」と書いてあることだ。その例証として、Eタイプは、同じ性能の300SLやフェラーリ400の半値以下で買える、とある。このころのジャガーはそんな立ち位置だったのだろうか。 今回もテスト車を村山テストコースに持ち込み、発進から80mphまでの加速タイムを10mphごとに計測している。当時はまだ、車速を客観的に測る装置がなかったから、マイル表示の車載スピードメーターでの計測だ。なぜ0-80mph(128km/h)までかというと、1周2kmという村山テストコースのストレートではそこまでしか出せなかったからだ。 それでも、3.8リッター直列6気筒を搭載するEタイプ・ロードスターの発進加速は「猛烈」で、「横に乗った何人かの猛者連でさえ軽い脳貧血を起こすほどだったと白状した」。テスターの小林彰太郎編集長はそう書いている。 でも、0-60mph(96km/h)=7.1秒って、いまのゴルフGTIより遅いんですけど! 最新のニュースで、ジャガーがEタイプクーペを復刻したそうだ。いわばメーカー純正のフルレストアEタイプ。限定10台だから、瞬殺で完売だろう。
http://www.webcg.net/articles/-/36228?lid=epu_36228 しかし、他人事ながら、このクルマはうらやましい。史上もっともカッコいいクルマは、ランチア・ストラトスだが、史上もっとも美しいクルマは、ジャガーEタイプクーペだと思う。 |



