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 いちばん新しいイギリスからの輸入車が、ゼノスE10。元ロータスのスタッフが立ち上げたスポーツカーメーカーの第一弾だ。

 シャシー/ボディはオリジナルだが、ミッドに置かれる2ℓエンジンを始め、パワートレーンはそっくりそのままフォード・フォーカス用。
 そのため、“affordable(手の届く)sport car”というのが売りのひとつなのだが、日本では年内12台というレアものである。日本仕様化のコストを台数で割ると、素っ裸の状態で700万円切りがやっとだった。
 イギリスがEUから離脱しちゃったら、どうなるんですかね? 今週初めに試乗させてもらったとき、輸入会社の人にそう聞くと、「円高になったら値段下げられるんで、ありがたいです」と言っていた。

 トランプ大統領も、イギリスのEU離脱も、マスコミはおもしろがって煽るかもしれないが、実際はあり得ないよなあと思っていたら、イギリスはこういう結果になってしまった。

 ウサインボルトの100m世界記録を「約10秒」と言ってしまうナイツのネタがあるけど、EU残留派が負けたといったって、四捨五入すれば得票率は50%で、賛否半々である。国民投票が、果たして過半数ルールでいいのか、という気がする。3分の2は越えないと、有意性がないのではないか。
 でも、民主主義発祥の国が選んだ道なのだから、仕方ない。

 離脱派勝利が確実になるや、予想通り、円が急騰し、株価が大幅に下落した。
 離脱したら、イギリスからEUへの輸出には関税がかかる可能性が高くなる。実際、EUとしては、これ以上の離脱ドミノを防ぐためにも、イギリスにはペナルティ的な不利益を課さざるを得ないところだろう。

 では今後、イギリスに工場を持っている日産やトヨタやホンダはどうなるのか。現地進出した意味がないではないか、とか言っている人もいるが、彼らが工場を建てたのは80年代で、まだEUはなかった。
 ゼノスのインポーターのように、離脱による円高を歓迎している人もいる。人類の理想を追求するひとつの壮大な実験であるEUから、大国のイギリスが抜けてしまうのは残念としか言いようがないが、100%悪いことばかりじゃないと思いたい。

 しかし、いちばんよくわからないのは、こうした世界的経済不安が生じると、きまって円高になることである。「最も安定した通貨として、円が買われる」からだと説明される。

 世界一の赤字国で、国債の格付けも下がる一方なのに、通貨がなぜそんなに信用されているのか、よくわからないが、その説明が本当なら、せめてこういうとき、政治家でも官僚でも、円ってまだそれだけ人気が高いのだから、みなさん安心して下さい、くらいのことを言わないかよ。


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ゼノスE10。フロントスクリーンは56万8820円のオプション。
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 プジョー/シトロエンをつくっているPSAグループが、「グループPSA」に改名した。どっちだっていいじゃないかと思うが、相前後して、シトロエンのおしゃれブランドだと思っていた“DS”が独立した別組織になったのは耳寄りなニュースである。

 これでグループPSAはプジョー/シトロエン/DSという横並びの3ブランドに分かれた。今後はプジョー発のDS208とかDS308もありってことなのだろうか。

 今のDSが、歴史的シトロエンの名、DSに由来するのは間違いないが、これからは「シトロエンDS」と言ってはいけない。
 すでにあるDS3やDS4やDS5のどこにも“CITROEN”のマークは付いていない。「シトロエンDS」と呼んでいいのは、1955〜75年のあのブッとんだDS(写真上)だけである。


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 いまのDSでいちばん新しいのが、DS4クロスバック。ちょっとリフトアップしてオフローダー仕立てにしたDS4だ。
 もともとアシの硬いDS4の車高を上げたので、乗り心地が悪い。乗り心地のよくないシトロエンなんて、元祖DSが泣くぞ、と思うけど、もうシトロエンじゃないので、自暴自棄になっているのか。

 いろんな説があるが、新しいDSは、“デザイナーズ・スペシャル”の頭文字だと勝手に解釈している。デザインがすべてに優先する。DS4の場合、先端恐怖症の人は、リアドアを開けるとき要注意である。


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トミーカイラ今昔

 かつてはローリング族の聖地、いまは東京のロング系サイクリストが最初に越えるべき峠として有名な国道20号大垂水峠の麓に、妙にエンスーな自動車修理工場がある。
 
 置いてあるクルマは古いヨーロッパ車ばかり。でも、看板はあげていない。商売であるのかどうかも疑わしい。
 driver誌「峠狩り」の取材で大垂水峠をやったとき、そこを訪ねてみた。

 長年、ナゾだった現場は、シトロエンやランチアを扱っていたころのマツダで働いていたKさんの“気ままなガレージ”だった。
 ここで生まれた土地の人で、頼まれれば整備や車検もやるが、ガツガツやる気はない。自分のアルファ1750GTVやトライアンフTR3のレストアを進めたり、アシのビートをイジったりするのがメインという、幸せなクルマ好きである。


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 いちばんびっくりしたのは、トミーカイラZZ(ジージー)がいたこと。走って遊ぶために、最近手に入れたという。
 200台あまりがつくられたあと、トミタ夢工場もツブれてしまったから、このクルマは見ない。90年代前半に取材で京都へ乗りに行って以来である。


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 でも、ZZは同じ名前でEVとして復活し、いまオートバックスが売っている。日産プリメーラの2ℓエンジンを積むオリジナルZZは、バックヤードビルダーを認めない日本ではありえない話で、わざわざイギリスで生産したが、「電気自動車」なら通るのである。まったく役所仕事だ。


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 864万円なのに、エアコンもラジオもなし。アイミーブと同じくらいの容量のリチウムイオン電池を積み、航続距離はカタログ値で120km。ただし、ブレーキ回生はしない。チャデモ方式の急速充電には対応している。

 車重は公称850kgだが、車検証を見たら、920kgだった。持ち込み車検時の実測だから、こっちが正しい。
 これくらい重いと、さすがにノンサーボのブレーキはツライ。しかも回生機構なしなので、アクセルを戻しても空走するだけで、エンジンブレーキ的効果は得られない。スピードを上げたら、ブレーキペダルに“一意専心”である。

 でも、自動ブレーキがあたりまえになろうというこの時代、クルマを止めることが実はどれだけ大変なことか、教材として、自動車教習所に1台ずつあってもいいんじゃないかと思った。電気自動車だし。

 一方、エレキパワーのフル加速は脳液が偏るかと思うくらい速い。原始的EVスポーツカーである。
 飛行機のフライトレコーダーは、飛行や機体の状態を記録したデータ記憶装置のことである。墜落事故のあと、血眼になって探すボックスだ。
 
 最近、フツーに付けるようになってきたクルマのドライブレコーダーは、いまのところ、映像と音声の記録装置である。


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 きのうNAVI CARS誌の取材で借りていたメルセデスジャパンの広報車(GLE350d)に、ドライブレコーダーが付いていた。
 
 メルセデスに限らず、広報車にドラレコが付いているのを見たのは、これが初めてだ。やはり、1カ月前に箱根ターンパイクで起きたポルシェの事故のせいだろうか、と、取材の現場で話した。ゆるい左カーブでコースアウトしてしまった原因はなんなのか、警察の事故調査はまだ終わっていないらしい。

 きょう、返却するときにメルセデスジャパンで聞くと、純正ドラレコのPRのために、以前からたまたまこのクルマに付けていただけで、万一の事故に備えて、広報車すべてに装着するような予定はないそうだ。

 メルセデスの純正品はハイビジョン映像だし、なにしろスリーポインテッドスター付きだから、4万円+税とお安くないが、安いものだと1万円以下からある。広報車とかレンタカーとか、不特定多数が運転するクルマは、たしかに万一に備えてドラレコを付けておいたほうがいいのかもしれない。

 スバルのアイサイトのような、最近のいわゆる運転支援システムを備えるクルマにはカメラが付いている。最新のアイサイトは2台付いている。「クルマの目」の役目をするわけだから、かなり高性能なカメラだ。

 ならば、そのカメラにドライブレコーダー機能を持たせればいいではないか、と、だれでも思うでしょ。
 アイサイトのエンジニアに質問してみました。

「事故を起こさないための技術なので、カメラをそういうふうに使うわけには……」
 とのこと。ま、そりゃそうですね。
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 ホンダの燃料電池車(FCV)、クラリティ・フューエルセル。つまり、トヨタ・ミライのライバルである。

 今年に入って年産700台から2000台に増産したミライと違って、こっちは年間200台のリース販売のみ。弱腰の理由を聞いても、明確な答えは返ってこない。現行フィット・ハイブリッドの発売直後に大失敗している反省で、新しいことをやるときには、ことさら慎重に、という方針なのか、なんて穿った見方もしたくなる。

 ただ、47都道府県のうち、まだ18都府県にしか水素ステーションがない状況では、トヨタのほうが勇み足に過ぎるような気もする。「水素社会の実現」を掲げる安倍政権にそうとうプレッシャ―をかけられている感じだ。

 乗ってみると、クラリティはたいへんよかった。静かで速いのは、電気自動車の相場だが、このクルマは運転していても楽しい。
 ミライのように燃料電池の補機類からいろんな異音が出ることもないし、足まわりもあんなにボテっとしていない。乗り心地はホンダ車でいちばんいいかもしれない。
 
 ミライは4人乗りで、後席の床も窮屈だが、燃料電池を小型化してボンネットに収めたクラリティは5人乗りで、ハイヤーにも使える。まあ、766万円のフルサイズセダンですけどね。

 外観も、ミライよりはカッコイイ。初代インサイトほどではないが、中身の新しさを感じさせるスタイリングだ。


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 しかし、最大のビジュアルショックは、ひと皮むくと見えるこの水素タンクである。
 ミライも2本積みだが、クラリティはレイアウト上、大きく大小をつけた。後席うしろに積んだデカイほうがスゴイ。直径65cm。リトルボーイ(調べて下さい)かと思ってしまった。
 製造は、ニトロのボンベなんかもつくっているアメリカの専門メーカー。満タンで約5kgの圧縮水素を積むが、ボンベは大きいほうだけで100kg近くあるらしい。器の重さが中味の20倍って……。

 しかし、こんなにオオゴトな自動車を、私たちは歩いてもいけるコンビニまで乗っていくのだろうか? それは正しいことなのか。地球温暖化対策とクリーンな空気のためといったって、なんだかゴキブリ殺すのにRPGロケットぶっぱなすみたいな話ではないか。
 
 という疑問を自家用FCVには昔から抱いているのだが、なぜか一概に声が小さい燃料電池車の開発者にそんな話をしても、苦笑いするか、困ってますます声が小さくなるか、どっちかである。
下野康史(かばた・やすし)
下野康史(かばた・やすし)
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