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和田峠へ出る林道

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 久しぶりに醍醐林道へ行った。東京/神奈川の都県境、和田峠へ抜ける峠道だ。
 和田峠へ出る狭い都道より北側の醍醐山へ分け入るルートで、三角形の二辺を通るようなコースだから、都道より少し距離が長い。でも、クルマは入ってこられない。15%オーバーの激坂に悶絶しているときに対向車が現れてパニくることはない。

 陣馬街道と別れて沢沿いの道を3kmほど進むと、林道の入口(写真上)がある。二又で右に上る別の林道もあるが、醍醐林道は左側の勾配のゆるいほう。しかし、しばらく行くとかなりの急坂が始まる。

 以前、来たのは5年くらい前だろうか。道の様子のくわしいことは忘れていて、ひたすらツラかった記憶しかない。しかも走行中、目の下をハチに刺された。

 今回は勾配に逆らわず、最小限の負荷をキープしてこぐ。そのせいか、思ったほどキツくない。ハチはもう、一か八かである。いっぺん真横から鼻先にぶつかってきたやつがいたが、セーフ。松林を間伐したのか、左手の斜面がけっこう開けていて、都道より景色がいいし、涼しい。
 ニューポルシェバイクのコンパクトクランクじゃない最軽ギア(前39×後27)でも激坂がイケることがわかった。昔のドイツ製カーボンフレームなので、エアを8キロ入れると、乗り心地がけっこうキツイこともわかった。

 終盤が緩斜面になるところが醍醐林道のいいところだ。入口から4.2kmで坂の頂上に着く。とくになんの表示も案内もなく、眺望もほとんどきかない。そこから下り坂を600m行った先が和田峠。つまり和田峠より少し高いところまで上るのがこの林道だ。茶屋所有の有料トイレ脇に出るラスト数十メートルはダートになる。このルートだと、和田峠までウチから41km。

 驚いたのは、梅雨の中休みの日曜日とはいえ、林道を上るグループが何組もいたこと。5年前は上がって下りても、だれひとりとして出会わなかった。
 この日は山歩きの人もいたが、全員、中高年。サイクリストはみんな若い、ぼくなんか圧倒的最年長である。

 帰り道、入口からさらに下ったところで、「和田峠へ出られますか」とふたり連れの若い男性サイクリストに聞かれる。距離をくわしく教えたけど、肝心の二又ポイントでどっちへ行くかを伝え忘れた。あそこにもなんの案内も出ていないのだ。ちゃんと行けたかなと、今でもちょっと心配。


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(重そうなバックパックを背負って和田峠を目指す。ニッポンの若者はエライ。サイクリストでもランナーでも、下を向いているとイッパイイッパイの証拠。「あと1kmだよ!」と声をかけたら喜んでいた。                                                                                                                                                                          
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(築140年の建物はあるけど、明治時代の生産設備は残っていない。バブル前まで使っていた機械は世界遺産に関係ないので、ビニールで覆ってある。登録、大丈夫かな)

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「driver」誌ニコニコドライブの取材で、群馬県の富岡製糸場に行った。明治5年に出来た日本初の工場だ。世界遺産の暫定リストに載って、いま本登録を目指してがんばっている。

 つくったのは明治政府だが、のちに民間に譲渡され、1987年まで片倉工業が絹糸を生産していた。というガイドさんの説明を聞いていて、「片倉シルク」という名の自転車があったことを思い出した。
 もしかして? と思って調べたら、やはりかつて片倉工業の子会社がつくっていた自転車だった。見たことはないが、ロードバイクもあった。なかなかの名車だったと聞く。乗り心地がシルキースムースなのだろうかと勝手に解釈していたら、本当にシルクを生産している会社の自転車だったのだ。

 調べていたら、片倉シルクのカタログを載せているサイトを見つけた。東京に住むぼくと同世代のランドナー愛好家がやっているすごい自転車サイトである。
http://cyclotourist.web.fc2.com/special_03.html

 中学のときからあちこちの峠を走っている筋金入りの現役サイクリストで、「追憶の峠みち」なんていうページもある。和田峠や風張峠や鋸山林道や松姫峠の70年代の写真が見られる。ティーンエイジャーのサイクリストはいるだろうが、この時代にカメラで記録していたというのが貴重だ。
 日本にも“自転車文化”が育っているなあ。ぼくが編集者だったら、この人に単行本を頼みにいく。


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(富岡の焼肉丼)

サドルイッキ乗り

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 2代目ポルシェバイクで初サイクリング。
 醍醐林道(和田峠の旧道)まで行こうと走り始めたのだが、サドルが硬くて、いきなりメゲる。

 サドルレスで買ったので、手持ちのサドルを付けていったのだ。ロードバイク用としては乗り心地のいいサンマルコ・コンコールライト。でも、一気に300km走ったって屁でもないトレックWSP(ウイメンズ・スぺシフィック・デザイン)に慣れてしまったお股とお尻にはツライ。また前立腺を痛めるのはイヤだ。かといって、せっかくの軽量カーボンフレームに分厚いアンコのWSPサドルじゃ、台無しだろう。

 初代ポルシェバイクはコンパクトギア化したときにクランクを170mmから165mmに換えた。今度のは標準装備のプロファイル製カーボンクランクで170mmが付いている。ぺダリング円の直径がたった1cm大きくなっただけなのに、ピッチ走法からストライド走法に変えたみたいに“大また感”がつきまとう。トシとると、「まいっか」と許せることも増えるけど、カラダの許容量は減るばっかりだ。

 前オーナーがスプロケットを換えて、最軽ギアは前39×後27になっていた。これなら急坂も上れるが、激坂へ行くなら(ぼくの脚だと)34のコンパクトギアに換えたい。フロントの5コマ差は決定的だから。
 そのほか、ブレーキレバーの握りやすさ、ひいては安全性を考えると、やっぱりハンドルもイジり倒した初代と同じブルホーンにしたい、なんていう改造プランが走りながら次々と頭に浮かぶ。

 でも、それじゃあ初代と同じになってしまうではないか。ストラト買って、レスポールに改造するようなものだ。オーバーホールしたばっかりの初代にも乗り続けるんだし。これはこれ、あれはあれってことかなあと悩みつつ、結局、浅川を遡って小仏峠へ行く。

 帰りに立川のなるしまフレンドに寄ったら、こんなサービスをやっていた。保証金(1万円)を払うと、最新のサドルを10日間貸してくれる。高いのは2万円近いものもある。あったらいいのにとずっと思っていたサドルお試しサービスだ。貸出期間の長さも太っ腹だ。さすがなるしま。こんどサドルイッキ乗りしに行こうかな。


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ポルシェバイク、立つ

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 これ以上、部屋に自転車が置けない、と困っていたら、ネットでこんな立て置きラックを見つけた。箕浦(ミノウラ)の製品。なら間違いないだろうと、買い物かごに入れる。

 ミノウラにはお世話になっている。後輪ハブを挟むスタンドに始まって、むかし日課にしていた3本ローラーもそうだ。自転車スタンド用品ならほかに2種類、使わなくなったのが部屋の隅に置いてある。

 このディスプレースタンドは垂直でも水平でも置ける。もちろん場所をとらない垂直状態で使う。前輪にフックを引っ掛けるだけで本当に安定するのか、ちょっと心配だったが、予想以上にしっかり立つ。支持バーの角度の設計がたぶん絶妙なのだろう。

 大切なスポーツ自転車は部屋保管が理想だが、けっこう大変だ。場所はとるし、スタンドがないから自立しないし、軽いロードバイクだと、壁に立てかけておいても、ナヨナヨ倒れやすい。自転車に理解のない奥さんなんかには、掃除のとき「邪魔なんだけど!」とか言って嫌われているケースが、実は多い。

 だから、「立って半畳」くらいの場所に安置できるこれはお薦めだ。
 ただし、組み立ての説明書が不親切というかわかりにくいのは、ミノウラ製品にありがちなザンネン。30分近くかかった。平ワッシャーとスプリングワッシャーをセットで使うなんて、ファミコン世代以降の人は知らないよ。そもそも図解の図が、ヘタすぎ。社長が意地で書いてるのか。                                                                                                                                                                   

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(後ろ三角が小さい、いわゆるスモールバックフレーム。リアの剛性が上がるらしい。カーボンパイプのコーナー部に水かきみたいな補強フィンが付いている。こんなに大きいフロントギアは回せないので、コンパクトギアに換えたい。車重は560mmサイズでも7.2kg)

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 自転車ライターのShuちゃんが、ポルシェバイクを持っている。02年か03年式の2代目バイクR。持っていることは知っていたのだが、先日聞いたら、ぜんぜん乗っていなくて、倉庫で眠っているという。というのも、フレームサイズが彼には小さ過ぎるのだ。聞いたら、500mm。たしかにShuちゃんだと540mmあたりが適正だろう。500mmなら、ぼくのサイズではないか!?

 今日、試乗させてもらった。池尻大橋まで、初代ポルシェバイクに乗って、2代目ポルシェバイクに乗りに行った。
 2代目はカーボンモノコックだ。フォークもクランクもカーボン。カーボンサドルは快適性ゼロなので換えたという。部品は10年前の軽量パーツがてんこ盛り。そういえば、2代目の謳い文句は「超軽量」だった。

 軽くても、フラフラするのはいやだが、ぜんぜんそんなことはない。すごく乗りやすい。サドル高を合わせて走り出すと、すぐに自分の自転車みたいに馴染んだ。
 カーボンらしく、路面からのショックが丸い。長距離もイケそうだ。長年、倉庫の中で死蔵されていた10年落ちのポルシェバイクを、オレが買わずにだれが買う!? 新車価格は50万円以上したけど、トモダチ価格で商談成立。911のフロアマットくらい。


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(エンブレムは健在)                                                                                                                                                                                                                                                               
下野康史(かばた・やすし)
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