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NAVI CARS誌(9/26発売)の「自転車試乗記」で、前から乗ってみたかったキャノンデールのレフティに乗った。前輪が“片持ち”のMTBだ。 レフティは上級モデルにしか採用されていないので、まだ一度も路上でお目にかかったことはないが、実際に見ると、右サイドからのビジュアルはスゴイ。すれ違っても、サドルから見下ろしても。 サスペンションフォークが2本足から1本足になるわけだから、まず軽量というのがキャノンデールの主張するメリット。 では、剛性はどうなのかという疑問も、むしろレフティのほうが高いという。普通のフォークは上部がヘッドチューブに挿入されていて、途中から二又に分かれる。レフティのフォーク(じゃないけど)は1本の棒で、それがヘッドチューブの上下2カ所で固定されている(写真下)。そのため、横方向の剛性は勝るという理屈だ。 ただ、弱点は、転倒や衝突で右側をぶつけた時に、裸のホイールを傷めやすいということだろう。 乗ってみると、たしかにフロントがMTBとは思えない軽さである。走っていても軽いが、壁に立て掛けたりする時も、軽いロードバイクみたいフニャフニャして自立性が悪い。それくらい前が軽い。 オンもオフも走ってみたが、すばらしかった。 便利だったのは、手元のスイッチで最大10cm、ポンと延びるシートポストである。お尻でサドルを押さえれば、好みの位置で止まり、スイッチを押したまま体重を載せれば縮む。 ロードバイクで走行中にサドルの高さを変えたくなることはないが、MTBだとすぐに足を着きたいむずかしいダートでは低めにするとか、立ちこぎで邪魔になる時はいちばん下げるとか、ニーズがある。 これはジキル・カーボン・チームという最上級モデルで、85万円もする。でも、同じ値段のロードバイクよりぜったい楽しい。
ロードバイクは車重と空気抵抗を減らすことが最大の付加価値だが、そうやっていくと、どんどん自転車本体がなくなっちゃう。不条理である。1万円する大容量のマイクロSDカードみたいだ。 その点、MTBはいろいろやる余地があって、ハードが濃い。 |
ロードバイク熱中生活
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マツダの製作部門には自転車好きが多い。 新型ロードスターのイメージで、マツダの自転車をつくってみよう、というわけで出来たのがこのピストバイク、“Bike by KODO concept”である。 デザインしたのは、ロードバイク好きの若いデザイナー。スチールの板から叩いてフレームをつくったのは、ハードモデルグループのスタッフ。モーターショーに展示するワンオフのショーモデルをつくる部門ですね。 タイヤ、ホイール、ペダル、チェーン以外は、すべて自製。フレームの塗色は、ロードスターと同じソウルレッド。サドルの赤いステッチもロードスターと同じだという。 ただし、デザインスタディなので、ピストバイクとしては、絵に描いた餅。カッコだけで、乗れない。スチールも、クロモリではないから、持った感じ12kgはありそうだった。 でも、先行開発に携わるセクションだと、クルマ以外のこういうものもさっとつくれてしまうのは、さすがプロである。 今のクルマはプレスマシンとロボットがつくるわけだが、カタチを決めるまでの段階では、手づくりの職人わざが問われる。 自動車の生産というのは「モノづくり」である。クルマの世界でフト忘れ去られがちなメッセージを具体化したのが、このマツダ・ロードスターバイクというわけ。 フレームをつくったハードデザイングループの川野さん。実働2人、2日ほどで出来たという。 市販化の予定は?……ゼロ。 |
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「NAVI CARS」誌の取材で、久しぶりにジャイアントから“グレートジャーニー”を借りた。 以前、乗ったのは、テレビで「関野吉晴のグレートジャーニー」をやっていた頃だから、10年ぶりくらいだろうか。あのドキュメンタリー、おもしろかったなあ。 自転車のほうは今でも健在なのだから、超ロングセラーだ。と思っていたら、最新モデルはだいぶ様変わりしていた。 かつては10万円をきる安いモデルにもフロントサスペンションが付いていたが、今は12万円の高いほうでもリジッドフォークである。 リアのカンチブレーキのワイヤのガイドは、シートクランプと共通部品化されているし、フェンダーを固定する部分の工作なんか、かなり安っぽい。 といったようにコストダウンが露わな一方、ドロップバーの水平部分に前後ブレーキのサブレバーが付いた。 これ便利なんだよなあ。自分のロードバイクにも付けたいくらいだ。町なかでの咄嗟のブレーキングにはたいへんありがたい。グレートジャーニーというよりも、タウンジャーニーのようなキャラクターに変わったのかなという印象を受けた。 リアのブレーキワイヤをシートクランプで支持するなんて、見た記憶がなかったので、いろいろ調べてみて知ったのは、いまやMTBは6万円台の海外ブランドでも、前後ディスクブレーキなんですね。 なんでリムブレーキじゃいけないのかわからないが、結局、量産効果が上がって安く提供できるようになると、古い物は駆逐されてしまうわけである。 となると、あと10年もしたら、必要か不要か、好きか嫌いかにかかわらず、ロードバイクの変速機も電動になってしまうのだろうか。
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「ルボラン」誌(6/26発売)の取材で、新木場のSANOMAGICを訪ねる。5年ぶりの再訪。 佐野さんのつくるマホガニー製ロードバイクも、今やすっかり有名になった。現在は、造船からシフトして、すっかりこっちが本業になっていて、なんと、2020年までバックオーダーを抱えているそうだ。といっても、年産たった3台だが。 2007年につくり始めた当初は、「木で自転車がつくれるか!」、「木の自転車が走るもんか!」みたいなことを自転車関係者からさんざん言われたようで、実際、話していてもトゲトゲしていて、おっかなかった。失礼ながら、「佐野さん、まるくなったなあ」というのが今回の第一印象。 たしかにSANOMAGIC製自転車の欠点というか“罪なところ”は、あまりに美しいため、工芸品に見えちゃうことである。最初から、走るモノとして見てもらえない。 「濡れたら、どうすんだよ」みたいな、初歩的な誤解もある。 木場に9代続く船大工の家に生まれ、若いころから佐野さんが手がけてきたのは、高級なマホガニーのヨットである。船は濡れるのが仕事ですね。 自転車の場合、最大32層にも重ねるマホガニーの積層材は経年変化でも、けっして狂わないそうだ。 使う既製品はカンパニョーロの変速機とブレーキ、スポークとタイヤくらいで、金属部品もすべて自製するか、つくれないものは図面を起こして専門業者に依頼する。 取材中、こっちが気を使って「ここは企業秘密?」とクッションをきかせると、「いや、そんなこと、ないですよ」と言って、なんでも教えてくれて、最後は設計図まで持ってきて説明してくれる。 たとえばブレーキのキャリパーは、一見、木のフレームに直付けされているように見えるが、もちろんそんなはずはなく、削った部分に広い面積のマウント用金属プレートを入れ、それを木のフタで隠している。話を聞いていると、よくそんなメンドくさい、手の込んだことをやるなあ、という溜息の連続である。 これも、SANOMAGIC自転車の大切な“構成部品”の一部です。 価格は最初から変わらず、税別200万円。と聞くと、ぼくはどうしてもチェロ(弦楽器)と比較してしまう。世界で最も高級なクレモナ(イタリア)製の新作チェロもそのあたりがスタート価格で、人気作家のものはその何倍もする。 でも、チェロは音を出すだけだが、自転車は人を乗せて走るのだ。しかもロードバイクはときにクルマ以上のスピードで。 従業員はゼロ。職人ひとりがつきっきりで、1年に3台しかつくれなくて、そのうち利益は? と考えたら、高いなんてとても言えない。 オーナーからの要望がきっかけで、20インチの小径車もつくり始めた。70コマの巨大なフロントギアで、700Cに負けない高速性能を追求する。 最近のSANOMAGICはマホガニーのスピーカーづくりにも精を出している。 箱よりも、火星人みたいな台座の形状がスゴイ。低音を直接、床に伝えないためらしい。 http://sanomagic.world.coocan.jp/ |
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ニキニキニキニキ二木の菓子とか言うけれど、すっかり日本はニキの国になってしまった。冬が終わったら夏、の二季。 きのうは都内で28℃まで上がったらしい。5月に入ったばかりでこれじゃあ、この夏は40℃越えが頻発するのだろうか。 いや、地球は気温を平準化する見えざる力を持っていて、いま暑いのは、4月、桜が咲くまでが異例に寒かった、そのバランスをとっているという説もある。そういえば4月も東京で雪が舞ったのだが、もうそんなこと完全に忘れてしまうほど、このところ暑い。年々、北海道のお米がおいしくなっているが、そのうち、新潟南魚沼産マンゴーがおいしい、なんて時代になるのだろうか。 暑いといっても、さすがにまだ湿度は低い。自転車に乗らない手はないので、懸案の時坂(とっさか)峠へ行った。払沢(ほっさわ)の滝から上がってゆく峠道だ。 払沢の滝は奥多摩の観光名所のひとつで、寒い冬だと完全に凍る。それが何月何日かを当てる氷瀑クイズというのを昔からやっているのだが、ここ最近はなかなか完全氷結に至らない。 そのため、檜原村役場が毎日、結氷度を観察して、パーセントで発表し、その最大日を当てるという妥協案がとられている。つまり、完全に暖かくなってからでないと、氷瀑クイズの答えが出ないという、ちょっとトホホな事態。でも、仕方ない。あったかいんだからァ〜♪ 大型連休序盤とあって、払沢の滝パーキングは整理員が出るほど混んでいた。それを横目に林道風の舗装路を上ってゆく。 駐車場のところで行き止まりになっている印象の道だが、まだずっと先に延びていることを知ったのは、半年ほど前、ニコニコドライブの取材で来たときだ。自転車で来るのは初めてである。クルマで上がると、そうとうキツいヒルクライムだなあと感じたが、そうでもなかった。梅野木峠や和田峠のような激坂はない。 気持ちのいい林間のつづら折りを2kmほど上ってゆくと、視界が開けて、大きなカーブに出る。以前、クルマではここまで来た。そのときはスカイツリーまで見渡せたが、今日は春霞がかかっている。新緑が目にしみる。気持ちいいのなんの。 さらに1kmあまり上ると、峠に出た。ここからは急な下りになっている。どこにも案内は出ていないが、これが時坂峠だろう。ウチから45km。クルマで上ってきた人たちが、眺望に歓声をあげている。 絵に描いたような「峠の茶屋」があった。お客はいないが、うどんが食べられるというので、注文する。 おじいさんがひとりでやっている店である。写真を撮りにいって、戻ってきたら、「さっき注文した人じゃないよね」と言って、もうひと玉、うどんを鍋に入れようとする。大丈夫かな……。動きも遅い。耳も遠い。 でも、大きな声で聞くと、ゆっくりだけどちゃんと答えてくれる。店を開いて25年。定年退職して、60歳から始めたのだそうだ。 峠を少しおりたところにそば屋があり、最初はそこで1年修業した。今はもっぱらそっちのほうが人気なんだと言って、ニコッとした。そういえば、さっきのハイカーもこれからそばを食べに行くといっていた。 店の中は完全に「おじいちゃんち」である。畳みの小上がりから外を眺めていると、めっちゃなごむ。数時間前まで、家でルーティンワークをしていたことが信じられない。途中、いい汗までかかせてもらって。これだから、自転車はやめられない。 まだ薪ストーブを焚いていた。今朝は寒かったのだそうだ。 丸亀製麺の20倍くらい時間がかかったが、御年85歳がつくった手打ちざるうどん登場。 「あ、忘れた」という感じであとからかけてくれた刻み海苔の配置がイイ味出している。うどんと一緒に茹でた白菜が添えられ、なぜか韓国海苔がひとパック付く。 これだけ茹でるのに時間をかけると、アルデンテではなくナイデンテを覚悟していたが、うどんはコシがあっておいしかった。 皿洗いでも手伝っていこうかなと思ったが、お客さんがふたり入ってきたので、やめる。
一品勝負のざるうどんは800円。でも、高くないよ。手提げ金庫から出してきたお釣りが「ハイ、にひゃくまんえん」だったから。 時坂峠、ごちそうさまでした! |






