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書庫ノーモア・フクシマ

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柳津西山地熱発電所

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 原子力規制委員会が、反対派の専門家らと意見交換をした、という出来事が、きのうの主なニュースのひとつだった。ぼくが見たテレビ朝日やNHKのニュースではそう報じていた。

 ところが、夜遅く、テレビをつけたら、たまたまBS日テレのニュースをやっていて、女のアナウンサーがヘッドラインを読んでいた。
 そこでは、「原子力規制委員会が“慎重派”と意見交換をした」と報道していた。文字情報でもそうなっていた。最初に音だけで聞いたので、「ン、別に慎重派とも会談したのかな?」と思った。
 
 スゴイですね。出席した反対派グループには飯田哲也とかもいるのに、読売の記者はそれを慎重派と表現する。反対派を慎重派に言い換えて報じる。「原発に反対している人なんかいないんですよ」アピールですか。まったく懲りていませんね、原発推進メディアは。

●●●●

「driver」誌ニコニコドライブの取材で、先月、初めて地熱発電所を見に行った。福島県会津の山の中にある柳津西山発電所。

 地中深く、マグマで温められた熱水を汲み上げて、その蒸気の圧力で発電機を回す。使い終わった水を再び対流層に戻している、なんてことは今回初めて知った。

 いちばん驚いたのは、発電所の柵のところまではまったく自由に来られることだ。隣接してPR館があり、そこまではフリーパス。守衛所も何もないのである。
 
 昔(もちろん3.11の前)、「NAVI」誌の取材で福島第二原発へ行ったとき、警戒厳重な正門に本物の装甲車が待機していて、びっくりした、という事実をそのまま冒頭部分に書いたら、東電広報部の原稿チェックが入り、装甲車は物騒なので、「警備車両」にしてくれという訂正依頼がきた。もっとひどい訂正要求があったので、そこは譲った。単行本化のときには戻したけど。

 それにひきかえ、地熱発電所は平和だ。発電所の内外には太い蒸気パイプが設置されていて、ところどころに「やけど注意」の看板が出ている。注意するのも“やけど”くらいなら安心である。                                                                                                                                     
                                                                                                                                   

リニア新幹線と原発

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「原発の問題は、たとえ安全に運転していても、危険な核のゴミを出し続けることである」
 こないだ新潟県内をクルマで走っていたら、道路脇にある寺の入口の黒板にそう書いてあった。そこの住職は、講話でもそういう話をしているのだろう。

 福島の事故以来、世の中の原発に対する見方は大きく変わった。日本に54基も原子炉をつくった自民党政権が復活したら、再稼働の動きは加速するだろう。これからは安全な原発を開発して、津波のこない湖や川のほとりに設置する(事故直後、中曽根元総理が言ってた)、とか言い出すのかもしれない。
 でも、果たして彼らの思うとおりにいくだろうか。選挙を前に、急に「原発ゼロ」と言い出した民主党政権も、信用はできないが。
 それにしても、原子力規制庁の初代長官が、元警視総監って……。原発反対デモ規制庁ですか?

 いま、子ども向けの乗り物図鑑をつくっているのだが、それでリニア新幹線のことを調べていて思った。これって、原発なしに動くのだろうか。

 リニアは一般の電車よりはるかに電力を使う。そりゃそうだ、磁力で浮いて走るのだから。地上から10cm浮上して走るリニア新幹線の場合、在来新幹線の3倍電気を食うと言われている。3倍程度で済むのかな、という気がする。

 東京〜大阪を67分で結ぶというのが、建設中のリニア中央新幹線だ。しかし、のぞみの半分に短縮しても、電力3倍ではいかがなものか。
 だいたい、今でさえ新幹線は高すぎるといって、高速バスが大人気なのに、東京〜大阪間の地上交通にこれ以上、運賃の高い公共交通機関をつくって、果たしてみなさん飛びつくだろうか。

 山梨の実験線で試乗会をやっているとき、リニアには2回乗った。2度目は450km/hから500km/hにスピードアップしていたが、そのときはさすがに揺れた。「車内販売は無理ですね」と広報の人に言ったら、「(大阪まで)1時間で着いちゃいますから」と答えた。

 現在の東海道新幹線が飽和状態なら、いま計画されているリニア中央新幹線ルートに、もう少し速い軌道式の新幹線をつくればいいと思う。
 トンネルばっかりでつまらないが、東京〜新大阪2時間ちょうど。いや、もうひとがんばりして1時間58分。お急ぎのビジネスマンにはそれを使ってもらって、在来線は食堂車を復活させたりして、もっと“乗っている時間”を楽しめる贅沢な新幹線にする。お座敷新幹線とか、だるまストーブ新幹線とか、SL新幹線とか、トロッコ新幹線とか。チャーター便も受け付ける。

 リニア中央新幹線ができると、今度はとりあえず山陽新幹線沿線の自民党代議士が、ウチとこにもリニア新幹線をよこせ、とか言い出すのだろう。もういいかげん、そういうのやめましょうよ。                                                                                                                                                    

脱・脱ダム宣言

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 大山鳴動して鼠一匹も動かなかった八ツ場(やんば)ダムの工事現場を久しぶりに通りがかった。前回行ったのは、政権交代した民主党の前原国交大臣が建設中止を表明した直後だから、3年近く前だ。

 建設中止報道の際に、象徴的な“絵”として必ず映った橋脚のみの湖面橋はすっかり完成し、深い谷を見下ろす高いところに架かっていた。JR吾妻線の付け替え部分なんか、単線のローカル線なのに、コンクリの使用量がまるで新幹線だ。そうした工事を請け負ったゼネコンや、口利きした政治家たちが、そりゃいまさら建設ノーに承服するはずもないだろう。
 駅舎ファンに人気の川原湯温泉駅(写真)もじきに水没する運命にある。

 しかし、困ったことに、原発事故のあとは、ダムくらいいいんじゃないか、と思うようになってしまった。八ツ場ダムのように、50年前から必要と言われてきたほど不必要なダムでもだ。天下り先つくるのも、地元に利益誘導するのも、どうぞおやりください、ただし原発以外で。

 日本は地震国である、というか、地震を起こす火山活動や地殻変動のおかげで出来た国だ。全国土合わせても、面積はカリフォルニア州より小さい。そこにアメリカの人口の4割以上が暮らしている。砂漠に広大な核実験場をつくって、汚染された土地をそのまま捨てておくことができる国とは違うのである。

 原発事故が起きたら、広い区域が水没どころか未来永劫“全没”になってしまうことが明らかになった。放射能がスプレーひと吹きで無毒化できるような時代が来ない限り、「ノーモア原発」である。                                                                                                                                                                                    
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(大間のまぐろは高いが、イカは安くておいしい)

 下北半島最北の海岸線をゆく国道を走っていると、道路脇のところどころに「マナー監視中」と書いた小さな小屋がある。
 見ると、おばさんがひとりふたり中に座っている。いったいなんのマナーを監視しているのだろうか。
 まぐろで有名な半島最北端の大間では、いま電源開発(J-POWER)が原発を建設している。そうか、ひょっとして反対派の監視所!?

 その晩、泊った旅館で正解を聞いた。甘かった。監視所は電力会社が運営していて、原発建設工事の車両の汚れや走り方などをチェックしている。中で働いているのはパートのおばさん。反対どころか、地元民に原発ができる前からそうやって広く「就労の場」を与えているのだった。

 電力会社は頼めばなんでもやってくれると旅館の女将は言っていた。原発の安全性を訴えるために、すでに稼働している発電所へ泊りがけで接待バスツアーもしてくれるし、地元のお祭りなどには気前よく寄付もしてくれると喜んでいた。これからも関係者の宿泊が見込めるその旅館も原発反対のはずがなかった。

 南海トラフ大地震の想定津波高が21mと発表されて、中部電力・浜岡原発の改良工事が見直しを余儀なくされている。今の計画は高さ18mだからだ。じゃあ、あと3m足しますという話なのだろうか。

 深さ60mの海底から立ち上げた釜石の世界最大防波堤が、去年の津波でこっぱみじんにされたのに、垂直の壁で巨大津波が防げると、浜岡原発の関係者は本当に思っているのだろうか。壊れて流されたコンクリ壁がむしろ発電所に甚大な被害を及ぼす、と考えるのは取り越し苦労の素人考えなのだろうか。
 
 フクシマ以後、これから起きる日本の原発事故はすべて“人災”である。                                                                                                                                                                                             

冷温走行

 冬晴れの土曜日。川崎の実家まで自転車で行く。
 寒いけど、朝、氷は張っていなかった。気温は低くても、太陽さえ出ていればOKだ。冬はランも自転車も、陽のあるのとないのとじゃ、天国と地獄の違いがある。

 末端冷え性なので、この冬初めてシューズの中に爪先用のホッカイロを入れる。シューズカバーも含めて、いろいろ試したけど、熱源を仕込んじゃうこれに勝るものはない。ソックスに貼るタイプは、剥がすときソックスの生地が傷むのでダメ。中に敷くだけのやつがいい。

 実家に着いて、新聞を見たら、一面に政府が「冷温停止を確認」の見出し。朝日新聞だから、あの状態で「冷温停止」という言葉を使うのはおかしいという論評も出ていたが、あとでテレビニュースを見たら、世界中のメディアに笑われているらしい。

 冷温停止とは、炉心に制御棒が入り、核分裂反応が止まり、冷却が完全に行われて、原発が安定して止まった状態のことである。定期点検のときはいつも冷温停止させるわけだ。水素爆発して、炉心が溶け、核燃料がどこにどんな状態で存在するのかだれもわかっていないのに、冷温停止って……。スピンしてぶつかって、前も後ろも横も大破して、おまけにガソリンまで洩れた状態で止まっているクルマを「ハイ、安全に停車しました」と言っているようなものである。

 正しい対策は、正しい現状認識からしか始まらない。あれだけ安全だ安全だと言ってきた原発が爆発した。日本政府のウソつき体質はなにも変わっていないのだ。

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(府中市内の多摩川で“低水護岸”の工事が始まっていた。このあたり自然護岸が残っていてきれいだったのだが)

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