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書庫「driver誌」峠狩り

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道坂峠、なんと読む?

 今月号は、山梨県の都留(つる)から道志村へ抜ける県道の道坂峠へ行った。
 何度も通っている峠だが、まさかこれを「どうさか」と読むとは、今回初めて知った。


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↑この峠は眺望がきかないので、かわりに、出発前、都留の町を見下ろす「お城山」に登った。富士山(写真右側)をはっきり見せるために、この写真は暗くしてありますが、当日は快晴。
 天守閣のない山城だと、城下町とは言わないのかもしれないが、都留には戦国時代、お城があった。里山に囲まれた小さな町だが、来るたびに「ム、デキる!」と感じさせる重厚さは、そんな歴史のせいでしょうか。


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↑段差舗装もキャッツアイもセンターポールもいっさいなし。道坂峠はファン・トゥ・ドライブな、いい峠である。
 都留市側は、最近こうして斜面の木を伐採したところもあり、見晴らしがよくなった。


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↑標高1017mの峠はトンネルで越す。
 峠のトンネルは、可能な限り、歩いて通り抜ける、というのが「峠狩り」の鉄則。
 ただ、以前、御坂峠のトンネルでコワイ思いをして以来、ひとりでは歩かないことにした。取材チームはカメラマン、編集者と合わせて3人なので、クルマを運ぶ人手もありますから。
 道坂隧道は、出口近くにはっきりした分水嶺がある。


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↑道坂隧道の南側に残る旧トンネル。両方ともコンクリでフタがしてあるから、“廃トンネル”と言うべきか。
 しかし、フタしたトンネルとは、不条理のきわみである。中で動物とか虫とかOBKとか、いっぱい死んでいるんでしょうね。OBKは最初から死んでるか。

 峠をおりると、国道413号(道志みち)にぶつかる。来たる東京オリンピックの自転車ロードレースが走るコースですね。


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↑オートバイ乗りのメッカでもある道の駅「どうし」のカレー。
 見てのとおり、うまい! レシピが変わったのか、去年の夏に食べたときとは別物のおいしさだった。カレー好きなら、ぜひ。


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↑ここの道の駅は、クレソンが名物。新鮮で、安い。この量(3束)で300円。茎の部分はベーコンと炒めると、ほろにがでおいしい。

西伊豆の名峠

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 今月号は雪の心配のない伊豆半島へ。西伊豆の名峠、風早(かざはや)峠へ行った。
 名前のとおり、風は強いけど、ここは本当にビューティフォーな峠です。とくに、半島ど真ん中の湯ヶ島から狭い県道で上がってくると、達成感というか、開放感というか、アナザーワールドに出た感じがすばらしい。


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 風早峠から見下ろせる宇久須にゴールしてから、峠めし。
 観光バスが入るような海産物センターの食堂なんだけど、天日干しの自家製干物はさすがのお味。
 おいしい魚の干物を食べるたびに、干物ほどおいしい魚はないなあと思う。太陽、エライ!


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 金目鯛の目玉のまわりのトロッとしたところがまたウマイ。
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 driver誌がリニューアルしてオールカラーになった。「峠狩り」の連載は車載カメラの走行動画を毎回YouTubeで配信するという試みも始まった。
 それらを記念して、今月号は“The 峠道”みたいなところへ行こう。というわけで、「日光いろは坂」を訪ねた。クネクネ道の代名詞だ。


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 中禅寺湖に上がる上り坂が、第二いろは坂。華厳(けごん)渓谷を挟んで、男体山の麓を下りてくる下り坂が、第一いろは坂。ともに一方通行で、1周すると16km。
 そこにいろは48のカーブがある、というのが名前の由来だが、いつもの「峠狩り」方式で数えてみると、全部で165コーナーあった。


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 いつからそう呼ばれていたかわからないほど、いろは坂の名前は古い。旧第一いろは坂だけでは交通容量が足りなくなり、1965年に第二が出来た。そのときに新道にも48個の半分を振り分けたので、数に意味はないのである。「い」から「ん」まで、名前のついたカーブが上下線に48あります、ということですね。


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 第二いろは坂の明智平(標高1274m)からは、第一のつづら折りが一望できる。
 ロープウェイでさらに100m高い展望台まで上がると、中禅寺湖と、そこから蛇口の水みたいに出ている華厳(けごん)の滝が見えるが、つづら折りを下ってくるクルマをここで見ているほうが飽きない。個人的には。

 男体山山腹の縦にえぐれたところは“薙(なぎ)”といって、土砂崩れの元だという。薙刀(なぎなた)の薙で、スパッと切った切り口のことなんですね。
 いまは治山工事で治められているが、昔は男体山の薙を見に行く、つまり崩落を見物に行くというレジャーがあった。という内容を記した幸田文の碑文が明智平にある。観光地、日光のフトコロは深い。


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 いろは坂でいちばんうまいドライバーは、東武路線バスの運転士である。スピードを落とさない走りで、上り坂はふつうの乗用車より速くて驚くが、下りはとくに40番以降のヘアピンカーブでのライン取りが見ものだ。
 
 真後ろについて写真を撮っていたら、ハザードを出して左に寄り、先に行かせてくれるので困った。イッパイイッパイの難所でも、ちゃんと後ろを見ている。あおり運転のタネをまかないマナーは、乗用車も見習わねば。

あゝ二十曲峠

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 しーらないみーちを、走ってみたーい〜♪ と、いつも思っている。
 今月号は富士山麓の観光地、忍野八海の東にある二十曲(にじゅうまがり)峠へ行った。別の峠を地図で調べていたら、発見したのである。名前だけでソソられる。関東近県の峠にはくわしいつもりでいたのに、ここは知らなかった。

 忍野(おしの)側からの村道で上ると、峠まで数kmだが、反対の都留市側の林道だと、入口から13kmある。道のくねり具合もすごい。中央道からも近い。当然、アドベンチャラスで便利な都留市側から上ることにする。


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 その林道入口がここ。ここまでは山梨県道だった。いきなりすれ違い困難な狭隘路で始まる。秘境への入口感があってイイ。


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 2km行くと、ダートになった。岩だらけの鹿留(ししどめ)川と道路との高低差は小さい。増水したら、すぐに水をかぶりそうだ。


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 その後、舗装が復活し、新道風になって安心したのだが、起点から4km、なんと通行止めに当たる。「峠狩り」取材史上、初めてである。
 この夏の台風で道路が崩壊し、10月から通れなくなっていた。初めての道だから、あえて冒険気分でと思い、十分な下調べをせずに来たのがまずかった。でも、県の道路事務所に電話して現状を知っていたら、取材には来なかったと思う。3分の1走れただけでもよしとしよう。

 国道139号に戻って、忍野側から上ることにする。こっち側は完全舗装。でも、幅員は狭い。キープライトみたいなライン取りでカーブを飛び出してきた女性ドライバーのタクシーとあやうくぶつかるところだった。

 でも、峠に着いたら、こんなパノラマビューが待っていた。


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 富士山が身体検査みたいに見える。山体もさることながら、裾野の雄大さがスゴイ。カメラを振った右手には、遠く南アルプスの連山も見える。二十曲峠は「忍野富士」が拝める名所だった。

 峠から林道へは、やはりロックアウトされていた。でも、北側からくねくねの林道をのぼりつめて、この富士山を見るのは格別だろう。
 道が開いたらリベンジしよう。そのときはファットバイクかな。

 ちなみに、VWティグアンのディーゼルはすごくよかった。同じ2リッターでも、チューンの高いパサート用よりいい。SUVはやっぱりディーゼルと相性がいいし、とくにこういう不安な道だと、ディーゼルの底力がうれしい。

秘境峠、六十里越

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 今月号はこの景色が拝める新潟・福島県境の六十里越(ろくじゅうりごえ)を訪ねた。
 標高は760mほどだが、豪雪地帯なので、冬期閉鎖。麓から向こうの麓まで20km以上ある大型峠である。
 田中角栄政権時代に通じた国道峠で、展望スポットに角さん自筆の石碑があります。

 福島県側の只見に近づくまで、沿道には何もない。自販機1台ない。あるのは、並行するJR只見線だけ。それも1日3往復のみ。


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 ところが、その只見線の線路が美しいんだわ。非電化の単線だから、架線もポールもなし。国道の舗装はよくないが、こっちは保守が行き届いていて、路盤もレールもきれい。曲がっているのに、これだけ平行な2本線って、世の中にありますか!? 
 列車来なくても、この鉄路だけでワタシはゴハン三杯イケます。


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 山塊の麓を貫通する只見線の六十里越トンネルは、全長6.4kmというローカル線とは思えない長さ。究極の雪除けですね。トンネルを抜けると、そこは奥会津の田子倉湖。
 ここのレールは、ゴハン10杯。

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 田子倉ダムをバックにするつづら折りを下りきると、只見の町はもうすぐ。
 マタギの村を水没させて1960年に出来た水力発電ダムは国内最大級。電気は首都圏に送られていることをお忘れなく。250km離れたウチの近くの高圧線鉄塔にも「只見幹線」と書いてあります。


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 只見では昔からマトンが食されてきた。羊の牧場があったわけではないが、貴重な蛋白源として羊肉を入れるルートがあったんでしょうね。
 ここは寿司屋だけど、昼はマトン焼肉定食も出す。豪雪地帯で暮らす人の温かみが感じられる只見は、個人的に大好きな町だ。

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