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書庫「driver誌」峠狩り

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秘境 奈良田温泉

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 ニコニコドライブの取材で奈良田温泉に行った。すごくいいと昔から噂に聞いていた山梨県西奥の秘境温泉だ。

 泊ったのは一軒宿の白根館。1泊1万円ちょっとだが、行き届いた宿(ウォシュレット完備!)で、食事もいい。
 団体客は取らない。夕食の広間で人数制限ぎりぎりの社員旅行風グループが、けっこう盛り上がっていたと思ったら、朝食のときは別室に隔離されていた。

 志の高い御主人が守るお湯は、名湯だった。
 無色透明なのに、かなり強い硫黄臭があり、ちょっとしょっぱい。肌に触れるとヌルヌルし、湯から出たあとはつるつるしている。アトピーの人などにもよさそうだ。猫肌人間には熱くないのがなによりで、長湯ができる。
 夜、お風呂で一緒になったおじいさんは、神奈川県川崎市から電車とバスで来ていた。3年前に初めて知り、これが31回目だそうだ。
 近くに一軒、日帰り温泉もある。


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(写真中央の大きな建物が白根館)

 奈良田の集落は、奈良田湖というダム湖のきわにある。かつては早川の深い谷にあったが、60年近く前に水力発電ダムが出来て水没した。

 しかし、現在のダム湖には土砂が流入し、上流部はすっかり賽の河原と化している。堰き止めても、水なら流せるが、土砂は流せない。「ダムの最後」の見本である。たっぷりした水量のダム湖が新しい観光資源になります、なんていう建設側の惹句も一巻の終わりである。「堰き止めちゃったら、川はおしまい」と、白根館の御主人は言っていた。


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 宿の対岸では大規模な崖崩れが起きていて、恐ろしげな様相を呈していた。
 奈良田温泉までの県道は南アルプスに阻まれて、どこにも抜けていない。富士川町へ抜ける林道は、路肩崩壊で数年前から通行止めになったままである。
 
 取材の翌週は、県道の沿線で崖崩れが発生し、奈良田地区も一時、孤立化した。自然の厳しさはたしかに秘境だが、またぜひ行きたい。

真岡鉄道のキューロク

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 今月号のニコドラで栃木県の真岡(もうか)に行った。SL運転で有名な真岡鉄道(旧 国鉄真岡線)が走る町だ。終点の茂木(もてぎ)は“ツインリンクもてぎ”で有名だから、取材車にはホンダNワンを借りる。

 しばらくぶりで真岡駅を訪ねたら、SL型駅舎の隣に「キューロク館」という建物が出来ていて、中に9600型がいた。週末の新しいアトラクションだ。


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 炭水車にデンヨーのコンプレッサーを積み、シリンダーに圧縮空気を送ってクランクを動かす。蒸気機関車を“空気機関車”に改造して走らせるこの方式は、去年、群馬県の川場村で初めて見たが、ここにもあったとは。
 
 蒸気のような大パワーは出ないだろうが、数十メートルの専用レールを行ったり来たりするだけなら問題ない。
 SLの大きな見せ場は、動輪を動かすクランクだから、このソリューションは秀逸だと思う。汽笛は冷たい空気でもフツーに鳴るし。

 現役時代、北海道で働いていたこのキューロクは、通常とは逆の右側に機関士席がある珍品である。五稜郭の貨物線にものすごい右タイトコーナーがあって、左運転席だとまったく死角になるために改造されたのだそうだ。改造人生。大正9年製だから、94歳だ。

 東北地方の入口、白河まで走ったホンダNワンは、プレミアムツアラー LパッケージというFFでいちばん高いやつ。161万円もする。数ヶ月前、ニコドラの取材で使ったスズキ・ハスラーの4WDターボとほぼ同額だが、Nワンは運転していてもリアシートに乗っていても、はるかに軽っぽい。“プレミアム”は言い過ぎでしょう。ハスラーが売れるはずだ。



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 那須烏山にある龍門の滝へ行ったら、前夜の豪雨でこんなことになっていた。ふだんは風流な滝らしいが、まるで災害現場。音もすごい。水の圧力で滝の台が崩壊しやしないかとヒヤヒヤした。
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 今月号のニコドラは、人気大爆発のスズキハスラーで茨城県の海岸線を福島県境まで北上した。イバラキはデッカイ。大洗(おおあらい)のアンコウ鍋はうまい。

 以前、ノンターボのFFハスラーに乗ったときは、「フツー、ときどき“やっぱりスズキ”」的印象だったが、今度の試乗車はいちばん高いターボ付きの四駆。パワーはノンターボでも十分にあるが、四駆は車重が80kg重いせいか、格段に乗り心地が落ち着いていて、これならイイ! と思った。ただし、値段は160万円近くする。

 ターボでも燃費はよく、大人3人乗車でリッター16km走った。ノンターボFFは1名乗車で18km/ℓだったから、落ち込みは小さい。

 軽自動車にくわしい「driver」誌によると、スズキの軽はエネチャージで大幅に実走燃費がよくなったという。ジェネレーター(発電機)の改良と、小さなリチウムイオン電池でちょっとした電気のダムをつくったことが、そんなに効くものなのか。従来の発電機がよっぽどエンジンパワーを食っていたということなのか。ヨメさんが乗っているエネチャージ直前バージョンのMRワゴン(FFノンターボ)は12km/ℓしか走らないゾ。

 初めてハスラーを間近で見たときは、ワー、こりゃFJクルーザー・ミニだ! と思ったけど、トヨタがアメリカ向けにつくったあの愛すべき4リッターSUV最大の欠点は、とにかくデッカすぎることだったわけだから、ハスラーは最初から大進歩である。

 おかげで、軽とは思えぬ押し出しがあるし、かといってスーパーハイト軽みたいなイビツさもない。天井の高さがちょうどいいし、柱も桟もまっすぐなので、行き帰りのリアシートはすごく快適で居心地がよかった。

 試乗した2台の経験から推測すると、ベストバイは(多少非力かもしれないが)ノンターボの4WDのMTかなと思う。


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 ハスラーのオレンジは、那珂湊やきそばのノボリと同じ色だった。                                                                                                                                                  

人生ベスト駅弁

 今月号のドライバー誌ニコニコドライブでは伊豆半島を走った。付け根の三島から下田まで。海沿いではなく、半島の真ん中を南下して海へ出るルートだ。

 この取材の2週間後に伊豆縦貫道が開通して、東名・沼津ICから修善寺までストレートに30分で行けるようになった。
 高速道路じゃなくて、下道(したみち)をのんびり走ろうというのがニコドラのコンセプトだが、高速道路が出来ると、もっと遠くの下道に走りに行ける。新幹線嫌いのローカル線好き“乗り鉄”だって、新幹線が延びればもっと遠くのローカル線に行けるわけで、世の中、そう単純に割り切れない。

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 伊豆急の下田駅で売っている金目鯛の塩焼き弁当(1000円)。1年前に初めて食べて、感動的にうまかった。30年以上前に食べた北海道厚岸(あっけし)駅のかきめし弁当を抜いて、人生ベスト駅弁かと思ったが、今回のは切り身も小さくなっちゃったし、それほどでも……、とはいえ、おいしいことはおいしい。



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 その点、いつ食べてもおいしいのが、横浜 崎陽軒のシウマイ弁当(750円)である。副菜の鳥の唐揚げも、硬いカジキマグロ(テキトー)の焼きものも、タケノコの炊いたのも、デザートのアンズも、昔からずっと同じおいしさ。食べ物で変わらないことって、工業製品よりずっとむずかしいことだろうに。                                                                                                                                 

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 今月号のdriver誌「ニコニコドライブ」は、三浦半島を一周した。取材車は日産リーフ。通り道の横浜には日産の本社がある。半島の先っぽまでは60kmあまり。リーフを試すにはちょうどいいチャンスだと思ったのだ。

 日産本社の急速充電器で満タンにして、どこまで走れるか興味があったが、電欠するまでの限界性能を確認するという企画ではない。あくまで取材のアシだ。
 60km走ったら、電池残量が30%台まで下がり、そろそろ充電の心配を始める。満タンといっても、急速充電だと80〜85%までしかチャージできないのだ。

 充電施設の情報はクルマが持っていて、カーナビで案内してくれる。だが、そのとき、久里浜で探した1件目のガソリンスタンドには、あるはずの急速充電器がなかった。2件目は日産の販売店。この日は定休日だったが、充電器は24時間OKとある。でも、行ってみると、機械の電源も落ちていた。三度目の正直でやっと見つかる。

 城ケ島で1泊した翌日、ニコドラ取材のゴールは逗子。横浜のスタートから下道(したみち)を145km走った。
 前日、久里浜で82%まで入れたバッテリーは、78km走って20%に減っていた。走行可能距離はあと37kmと出ていたが、50km以上先の八重洲出版まではもたない。30分かけて充電する。

 まとめると、クーラーより電気を食うヒーターの季節、大人3人が乗って一般道を145km走るのに、途中、1回充電する必要があった。
 ちなみにカタログの一充電走行距離(JC08モード)は228kmである。日本車のカタログ値はやっぱり「話半分」と考えたほうがいい。
 しかし、現実値の2倍もさばよんでいるデータに、データとしてなんの意味があるのか。日本の消費者庁って、何をやっているのだろう。

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 今回知ったのは、急速充電器というのは、とにかく1回30分かかるということ。20%から入れても、70%から入れても、マックスの約8割までチャージするのには30分かかる。そのため、なるべくカラに近い状態まで減らしてからのほうが時間的効率はいい。幸い充電に3回立ち寄って、先客がいたことは一度もなかった。

 久里浜の日産ディーラーで入れたときは、残り時間5分くらいのところで、リーフが1台入ってきた。熟年ドライバーは少し離れたところに止めたので、充電ではないのかなと思ったが、ぼくらが離れるとすぐ機械に向かってきた。そういうマナーがすでに確立しているのだろうか。

 いちばんのカルチャーショックは、一度も電気代を取られなかったことである。日産本社もディーラーも、急速充電器はタダで使える。それは結局、リーフの車両価格に入っているのかもしれないが、この「タダで走れる」感じはお得を通り越し、なんだか奇妙、も通り越し、小心者としてはむしろちょっと居心地が悪かった。オレは電気乞食か。

 逗子の販売店で充電し、お礼を言いに行ったついでにディーラーマンに話を聞くと、チャデモ規格のEVならリーフ以外のクルマでも無料だという。それでまた100km走れたら、ガソリン車だときょうび1000円か2000円もらったような感じだろう。買い替え見込み客への投資ということなのか。

 ただ、どんなEVであれ、急速充電だとバッテリーの寿命を縮めることになるので、なるべく御自宅(普通充電)でやるようにはお薦めしていますとのことだった。


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 日産本社の急速充電器。チャデモ規格のEVなら、どなたさまもOK。しかも親切な警備員の取扱説明付き。待ち時間は日産ギャラリーへ。日本一厚遇の充電ポイントかも。                                                                                                                                                                                                                                                                                              
下野康史(かばた・やすし)
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