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きのうはサッカーワールドカップ予選前半の大一番、サウジアラビア戦。例によって、ヨメさんの献立は“カツ”だった。 2対1の勝利。最後の失点は残念だったけど、とにかく勝ってよかった。ハリルホジッチ監督の首もつながった。この日、負けたら、アジア予選突破はほぼ絶望的だったから。オーストラリアに引き分けて、首位グループのハードルを下げてくれたタイランド、エライ! 今日、東京駅構内を通ったら、巨大駅弁屋の「祭」がコンコースの反対側に引っ越していた。 広くなったのに、相変わらず大混雑している。ゆうべのトンカツのイメージが残っていて、秋田駅の「黒豚とんかつ弁当」を買ってしまう。 こんな駅弁、知らなかったけど、祭にたくさん置いてあると、おいしいんだろうなと思ってしまう。セブンイレブンの品ぞろえと同じで、おいしいから売れる、売れるから置いてもらえる、ということなのだろうから。 駅弁に敬意を表して、温めずにいただく。 なかなかおいしい。冷たくてもおいしい肉なのだから、本当にいい肉なのだろう。生産者の顔写真が入っている。 ちょっと湿ってクタっとしたカツの衣って、好きだ。つけ合わせのポテトサラダがうまい。ポテトサラダ弁当もつくってもらいたい。 |
腐ってもタべる
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おぎのやの「峠の釜めし」を初めて食べた。 こんな有名な駅弁をなんでいままで食べずにきたかというと、釜めしがそんなに好きじゃなかったからだ。食べなきゃタダじゃおかない、と言われれば食べるけど、まだ言われたことがない。 お店の釜めしは何度か食べた。時間がかかるわりに、食べると、釜めしだ。 テンションが上がる食べ物でもない。牛丼やうな重や崎陽軒のシウマイみたいに、無性に釜めしが食べたくなる、ってことが、あるんでしょうか。 それがこないだ、取材の途中、急ぎメシでおぎのやレストランに入ったところ、食べなきゃタダじゃおかないと言われているくらい、みんな釜めしを食べていた。 炊きたてではないが、陶器の釜のままほどよくあっためたやつを味噌汁付きで出している。プライベートエントリーじゃない、おぎのやワークスチームの釜めし、といった感じだ。同調圧力に負ける。 こんなに具だくさんとは知らなかった。それをひとつひとつ食べ進んでいくと……、アレっ、いちいちうまいじゃないですか。 だしのしみたゴハンもおいしい。プラ容器に詰められた漬物までおいしい。ボリウムもけっこうある。 何がスゴイって、なによりこの“定番感”がスゴイ。そういう意味では、崎陽軒のシウマイ弁当と並ぶ両横綱じゃないだろか。昔のデザート、アンズはシウマイ弁当でもおなじみだ。 おみやげに買って、「おぎのや釜めしゲット」とヨメさんにメールしたら、返信メールで絵文字のちっちゃな人が喜んでピョンピョン跳ねていた。ヨメさんがそんなに峠の釜めし好きだったとは。
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黒沢 明の映画「夢」は、「こんな夢を見た」で始まるけど、ぼくは先日、大をもらす夢を見た。ビロウな話でスイマセン。 仕事場のイスから立ち上がって、歩き出したら、突然、出ちゃったのである。それも、全部。しかも、ユルイやつ。ふだん、至って快食カイベンなのに、意味わからないが、なにしろ夢のことである。その場にヘタリ込んでいたら、なぜかそこにバケツがあった。ヨメさんに見つかったら、ヤバイ。必死になって自分のモノを自分の手で始末した。 ヘンな夢、見たなあ。と起きた朝は、日曜日だった。 台所へ行き、紅茶を入れるために、ゆうべのティーポットを洗おうとした。流し場のふちにポットを乗せて、下の引き出しからミルク鍋を取ろうとしたら、ポットが落っこちてきた。パイレックスだから割れなかったが、フタが外れて、出がらしの葉が引き出しの中に散乱した。グチャグチャの茶葉を手でかき集めながら「アレっ、これ、さっきやったじゃん!」と思った。しかもそのとき、階段を上がってくる足音が近づいてきた。ヤバイ、ヨメさんが来る! 結論。「予知夢」は、あります。
紅茶好きの人、スイマセンでした。 |
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『英国一家、日本を食べる』という本を読んだ。 ぼくは本を読むのがすごく遅くて、そのために途中でやめてしまう本のほうが多いのだが、これは2日で読めた。あとひき豆じゃないが、途中で読むのをやめる気にさせなかったからだ。 イギリス人のフードライターである著者が、3ヵ月間、北海道から沖縄まで旅をして、ジャパニーズフードを食べまくった話。 単なる食の本にとどまらないおもしろさは、奥さんとふたりの小さな子どもを連れて来たことだ。おかげで、映画『ロスト・イン・トランスレーション』的な異邦人のニッポン旅行記にもなっている。 日本に着いたその晩、6歳と4歳の子どもを連れて、西新宿の思い出横丁(ぼくが学生のころはションベン横丁と呼んでいた)の巣窟に踏み入れ、狭いカウンターの居酒屋で夕食をとる。こっちから言わせてもらうと、そんなトンチンカンさは、ガイジンならではだ。 でも、その焼き鳥についても、著者ならではの考察をしている。世界中に串料理はたくさんあるが、日本の焼き鳥や串焼きのすばらしいところは、具が小さく細かいこと。たしかにそうだよなあ。 著者はヨーロッパのフードライター賞を獲っているだけでなく、向こうの有名なレストランで修業を積んだ料理人でもある。つくれるフードライターだ。 それだけに、ソバうどんラーメンであれ、刺身テンプラであれ、一見さんお断りの懐石料理であれ、相撲部屋のチャンコであれ、大阪の串カツやお好み焼きであれ、食のインプレッションが、いちいち深い。「味の宝石箱やあ〜」とかじゃないのだ。 「そばは、フランスのガレットと同じくそば粉でつくられているが、ガレットにはない、土のような、金属粒子のような風味がある」という記述。そばの味に“金属粒子”なんて表現が使われるのを初めてみたが、わかるなあと思わず膝を打った。 疲れたり、ヘコんだりしている時に、うどんかそば、どっちにするか。ぼくの場合、もっぱらうどんで、そばではない。もりそばを冷えたツユにつけてすするときに感じるあの風味を、“金属粒子のような”と表現して、見事に二者択一の根拠を説明してくれた著者を天才だ!と思った。 日本人にしかできないズルズルすする麺類の食べ方を、“ワインテイスティングと同じ”と言ってくれた人は、日本の料理専門家にもいないんじゃないだろうか。 昔、フランスで新車試乗会に参加した時、夜、ワイン蔵へ案内された。そこで正式なテイスティングのやり方を見てびっくりした。日本人がそばをすするように、ワインをズズッと音を立ててすするのだ。そうすると、香りがよくわかるのだという。 麺類を食べる時、日本人はそういう高等な味わい方をだれに言われるでもなく実践しているのだ。音を立てないで麺類を食べるなんて、鼻をつまんで食べるのと一緒である。 イギリス人だから、全編センス・オブ・ユーモアに溢れている。ユーモアにくるんで、差別的な表現もしばしば出てくる。つまりこの本は、BBCテレビ「Top Gear」の自動車インプレッションがおもしろいようにおもしろいのである。 沖縄で食べた紅芋の紫色を『1976年型モーリス・マリーナの色』と書いていて、吹き出してしまった。映画の字幕だと、『古いイギリス車の色』とかに替えられてしまいそうだが。 原題は『Sushi and beyond』。オリジナルの英語版は2009年に出ている。
2013年に「和食」が世界遺産に登録された。エッ、なんで!?と個人的には思ったのだが、わかりやすい言葉で日本の食の魅力を西欧社会に発信してくれたこの本の影響もあったのではないかと勝手に想像している。 |





