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 第9条がノーベル平和賞をとれなかったのは残念だ。ノーベル委員会に“ほめ殺し”にしてもらいたかったんだけどな。

 ワールドカップの予想でいったら、ブラジルかスペイン並みの強さだった村上春樹のノーベル文学賞は、今年もなかった。
 しかし、ひとたび日本人がイチバンを逃すと、じゃあ、1位になった人はだれなの? と知りたくても、日本メディアの報道は冷淡だ。

 こないだのアジアカップの男子マラソンもそうである。
 最後、バーレーンと日本ふたりの争いになって、結局、トラック勝負でバーレーンがビューンと加速して日本人は置いていかれたのに、優勝したバーレーン選手にどこか一社でもインタビューしていましたか?
 ケニア人なのに、バーレーン国籍を取って走る、アフリカ版猫ひろしみたいな選手らしいから、聞くこといっぱいありそうなのに。

 以前から長距離走の報道はひどくて、鳴り物入りの日本選手が期待に反して優勝争いから脱落しても、勝手にカテゴリー分けして、「日本人1位」とか言っちゃう。それで、総合1位はほとんどだれだかわからないような扱い。内向きにもほどがある。鬼の首とったみたいに、朝日新聞を解体せよ、とかよく言うよ。

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 村上春樹がノーベル賞をとるべきなのか、ぼくにはわからない。なぜなら、小説を読んだことがないからだ。いや、去年、一度読みかけた。「買ったけど、挫折しちゃったから」と親戚がくれた『1Q84』だ。

 読み始めて思ったのは、まず「男が、ウジウジ言ってんじゃない!」ということ。その男が主人公のひとりだったようなのだが、なにしろぼくにはそう思えてしまったので、読み続ける気にならなかった。こんな男の話、知りたくないよと思ってしまったのだ。

 そのうち登場してきた女性は、すごくイイ女みたいなのだが、渋滞した首都高速からキャットウォークを伝って、下の道に降りてきたりする。かと思えば、すごくイイ女なのに、オタク的にクルマにくわしい。クルマ好きの村上春樹本人とゴッチャになっているように思えて、読みながら混乱した。
 枕本で、寝しなに読んでいたので、ひょっとしたら、以上ぜんぶ夢だったのかもしれないが、とにかく、ぼくも何十ページかで挫折した。

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 でも、むかし書いたノンフィクションは好きだ。アデランスや人体模型工場を見学したルポルタージュ、『日出る国の工場』は、何度読み返してもおもしろい。
 旅行記の『辺境・近境』もイイ。瀬戸内海の無人島にキャンプを張って、夜中に大量の虫に襲われる話とか。

 地下鉄サリン事件のあと、事件に遭遇して生き残った人、62人にインタビューした大部の『アンダーグラウンド』は、ジャーナリストの仕事として頭が下がる。

 しかし、ノンフィクションも、最近のはちょっと……。
 村上春樹って、トシをとるにつれて、どんどんイヤミになっているような気がする。

 自分も没頭するマラソンについてのエッセイ、『走ることについて語るときに ぼくの語ること』なんか、このタイトルからして「男が、ウジウジ言ってんじゃない!」である。これも3分の2で挫折。

『小沢征爾さんと、音楽について話をする』は、タイトル通りのインタビュー大作だが、読んでいくうちにムカムカしてきた。ワタシはオザワセイジより音楽を知っている、と言いたいがためにインタビューしてるのかなという疑問が生じるからだ。

 変わったところでおもしろかったのは、自作の回文を集めた『またたび浴びたタマ』である。

「乳の小さな才知の父」、「臨死のマック抱く、妻の心理」、「わしの意外な、内外のシワ」、「値段、足したんだね」、「裸体が渋い武士がいたら」、「蒸らした股、白む」などなど。それぞれに付く友沢ミミヨのイラストが爆笑モノだ。実際、下ネタが多いのだが、このころ、ノーベル賞なんて話は噂もなかった。


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(ぼくがいちばん好きな回文は、昔、松本 葉がつくった「ヘアリキッド、ケツにつけ、どっきりアヘ」である)

“安倍集団”的自衛権

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 巡航高度1万メートル。そのとき、マレーシア航空機の機内が、寝静まっていたのか、食事中だったのか、それぞれゲームや映画を楽しんでいたのか、わからない。突然のミサイル攻撃を受けて、機上の全員が死亡した。せめて苦しまずに亡くなられたことを祈るばかりだ。

 298人のうち、3分の2がオランダ人だった。現場を封鎖する親ロシア派武装勢力が、散乱した金品を略奪しているという噂に、オランダの首相は「ヘドが出る」というキツイ言い方をしたらしい。

 でも、これがオランダ人ではなくて、アメリカ人だったらどうだろう。
 200人近いアメリカ人が、誤射とはいえ、旧東側のミサイル攻撃で殺されたとしたら……。
 かつての保守党ブッシュ政権なら、すぐに戦闘機を飛ばして、ミサイルのある親ロシア派地域を空爆するくらいのことはやっていたんじゃないだろうか。

 
 9.11同時多発テロで、いまだにわからないことがある。根本の根本の根本的な疑問だ。

 世界貿易センターのツインタワービルに2機のハイジャック機が突っ込んで、ビルが崩壊し、3000人近い人が亡くなった。
 あのニュース、途中からはCNNの生中継で見た。とんでもない事件が起こったと思った。
 しばらくして、テロであることが明らかになると、地下鉄サリン事件をさらに大がかりにしたようなことがアメリカでも起きたか、と思った。

 だから、疑問なのである。“事件”なのに、なんでそのリアクションがアフガニスタン攻撃なの!? イラク戦争なの!?
 その国に仮に首謀者や黒幕がいたとしたって、刑事事件でしょ。解決するのは法廷でしょ。戦争で解決しようとした意味が、ぼくはいまだにまったくわからない。

 そういう国についていこうというのが、集団的自衛権である。

 イラク攻撃の大義名分は大量破壊兵器(核兵器)の捜索だった。でも、大量破壊兵器はなかった。
 そういう結果で終わったアメリカの戦争をどう思うのかと国会で聞かれた安倍首相は、「イラク戦争の原因は、大量破壊兵器を持っていないことを証明できなかったイラク側にある」と答弁した。

“持っていないという証明”? 究極のヘリクツというか、究極のヘラズグチというか、まさにディベートのために編み出されたような、自然界には存在しなかった理屈である。これを認めたら、どんな侵略行為だって正当化できる。
 脱法ハーブを持っていないという証明を、あなたはできますか? ぼくはできません。

 しかし、集団的自衛権行使容認に踏み出した政権は、こうやってアメリカの戦争の弁解までしてくれるのである。

 そういえば、尖閣諸島付近で中国の戦闘機が自衛隊機に異常接近したとかいう報道、集団的自衛権の閣議決定後はすっかりなくなりましたね。

オボちゃん……

                               
「理研」というから、わかめスープつくっているところかと思ったら、山中教授のiPS細胞発見にメラメラとライバル心を燃やしていた超エリート研究機関だった。
 ちなみに、「リケンのわかめスープ〜♪」の会社と、この理研も、まったく無関係というわけではないらしい。

 あいにく細胞関係には疎いため、STAP細胞が何なのか、いくら聞いてもわからない。ただ、その仮説がいかに度肝を抜くものであるかは、否定派から「細胞生物学の歴史を愚弄するものである」と評されていた、その表現から実感することができる。
 てことは、錬金術とか、永久機関とか、あるいは、環境負荷もコストもゼロのエネルギーとか、そういう見果てぬ夢クラスのものらしい。

 それを、すでに200回はつくっていると、オボちゃんは言ってのけた。先日の記者会見で人々をいちばん驚かせた部分がそこだと思う。エーッ、もう200回もつくっちゃったの!? わかめスープのことじゃないよね?

 STAP細胞のつくりかたを、ぼくは知らない。でも、先達の研究を愚弄するとまで言わしめる人工細胞が、まさか熱湯を注いで3分でできるわけはないだろう。
 1回の実験にどれくらい時間がかかるのかわからないが、かける200といったら、それなりに長期間の話ではないか。いったいいつからSTAP細胞ができていたのだろう。
 そうした実績の証拠になる実験ノートが2冊しかないと伝えられる点については、5冊くらいはあるとの釈明だが、あんまり変わらないような気がする。

 私だけではなく、インディペンデントな第三者も実験に成功しています、と、会見でオボちゃんは語った。でも、公の場で名前は出せないという。
 仮にそういう人がいるのなら、証人として出てもらうのがいちばんなのではないか、と記者が聞くと、少し考えてから「なァるほど……」と、ずいぶんなトボけた返事をして、黙った。オボコに見せて、そうとうしたたかな人だなあと感じた。

 専門的なことの是非はまったくチンプンカンプンだが、疑義が生じてからの報道で、素人でも判断材料にできることがある。早稲田大学に提出した博士論文の冒頭(全体の10分の1にあたる)がコピペだったという点だ。
 
 このワンエピソードだけで、科学の研究者としてはアウトじゃないだろか。こういうメンタルの人が、既存の科学の知見を根本から揺るがすような実験に成功するなんて、なんぼなんでも、文脈上、無理があると思う。科学者や研究者であることよりも、超能力者であることを疑ったほうがいいような気がしますけど。



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カバちゃんの新型車試乗ノート(30年分)

箱根白バイ駅伝

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 昔は元旦から自転車で大垂水峠を越えたけど、今やそんな元気はなし。2日は初入稿を済ませてから、実家詣。今日はゆっくり箱根駅伝の復路をテレビ観戦しようかと思ったが、朝、少し観ただけで、胸クソが悪くなってやめる。

 日本テレビの中継で観ていると、もはやこの国民的イベントは「箱根白バイ駅伝」ですね。白バイが先導する、なんてもんじゃなく、長く延びた集団のどこにカメラが向いても必ず白バイが映る。
 白い大型バイクに青い制服だから、どんな選手よりも目立つのに、年々、明らかに台数が増えている。ランナー3人の集団の後ろに、5台の白バイが固まっているシーンを見た。カメラはそれを避けるどころか、随時、隊員の顔をアップにして実況アナが出身地や経歴の紹介までして差し上げる。おいおい、公務員だろが。

 白バイ隊員が何をしているかといえば、排ガスを若いランナーたちに吹きかけながら、歩道の観衆に「ハイ、下がって!」とマイクで連呼しているだけである。暴漢が出てきたって、300kgもある特装バイクに跨った警察官なんか役に立たないだろう。
 なのに、日本の公道ランニングイベントはすっかり白バイが仕切るみたいなことになってしまった。
 ボストンマラソン、ベルリンマラソン、ロンドンマラソン、あるいはツール・ド・フランス、世界のどこでこんなことをやっているか。
 
 来年からはNHKのラジオ中継を聴こう。

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 国内の原発に溜まった使用済み核燃料をアメリカと共同でモンゴルに引き受けてもらおうという計画があった。民主党に政権交代する前の自公政権の時代である。

 経済大国から出た核のゴミを、自然豊かな開発途上国に捨てる。悪魔の所業である。新聞で見たのかニュースで聞いたのかは忘れたが、日本の為政者の倫理観って、ここまで堕ちているのかとあきれた。

 その計画がダメになったのは、TBSがすっぱ抜いたからだ、と、先日、BSフジのプライムニュースで小泉政権の腹心、飯島勲元秘書官がいまいましげに語っていた。
 そうだったのか! と納得がいった。自民党広報メディアみたいなこの番組も、こういう裏話が聞けるのでおもしろい。

 TBSがやったようなスクープ報道をできなくさせるのが今度の特定秘密保護法である。
 罰せられるのは、秘密を漏らした公務員と、「漏えいをそそのかした者」。要するに「聞き出した者」、つまりジャーナリストのことである。
 公務員を罰する法律を、公務員がつくるはずがない。しつこく聞かれたから答えたのであって、漏えいの元を断つには聞くほうをせん滅するのが手っ取り早い。報道の自由を担保するためとかいって、委員会審議の最後に善後策を講じるフリをしてみせたが、小芝居もいいところで、もともと報道の自由を制限するのがこの法律の大きな目的なのである。

 秘密の対象は、外交、防衛、テロなどにかかわるものとされる。
 プルトニウムが取れる使用済み核燃料をプールしている原発なんて、軍事施設そのものなのだから、拡大解釈しなくたって、防衛にもテロにも当てはまる。

 世界で唯一、フィンランドがつくった核廃棄物の最終処分場を見に行って、小泉元首相は「原発ゼロ」に宗旨替えした。永久に安全に地層処分が可能な同じ施設を地震国の日本にはとてもつくれないと実感したからだという。

 すると、自民党はこれから国が主導で最終処分場の選定を急ぐと言い出した。
 悲願の特定秘密保護法もつくったし、もう自治体や住民やメディアなんかに四の五の言わせないってわけか。

下野康史(かばた・やすし)
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