ここから本文です

書庫チェロ好き達の宴

記事検索
検索

チェロ忘年会

イメージ 1

 きのうは磯野正明チェロ教室の“シチュー会”。先生自ら煮込んだおいしいビーフシチューが振る舞われる忘年会だ。50人集まった。料理教室が開かれるような市民センターの調理室を利用すると、こういう自炊パーティが屋内でできるんですね。

 ディナーが終わると、余興。AKB48の物真似や裸踊りをやる人はいなくて、やりたい人がチェロを弾く。可愛い男の子のバッハ無伴奏に始まって、ミニ発表会みたいになった。
 忘年会の余興なんだから、こないだ来日したイケメン“2Cellos”のマネでマイケル・ジャクソンナンバーとかやればいいのに、なんて今でこそ思うけど、そのときはそれどころではなかった。ぼくも四重奏アンサンブルに参加しなくてはならなかったからだ。出しものは勇壮なタンホイザー。担当は2チェロだ。

 メンバーのだれも録音の用意をしていないようなので、せめてもとアイポッドミニを譜面台に置いて、ボイスメモで録った。あとでメールでみんなに送れるし。

 後半、1音トチったが、なんとか無事終了。でも、アイポッドはマイクの指向性がこういう用途にはまったく向いていなかった。6分間、恥ずかしい2チェロの音だけが、がなりたてるように録音されているだけだった。

イメージ 2

2011弦楽器フェア

 チェロ友達と「弦楽器フェア」に行ってきた。大手の楽器店や楽器商から、小さな製作工房までがブースを構える弦楽器のショーである。会場は日本武道館の隣にある科学技術館。

 入場料は1000円だが、その気になればすぐに元が取れる。出展される高価な楽器をけっこう自由に弾かせてもらえるからだ。
 楽器商がマンションの一室でやっている弦楽器店なんか、ふだん気軽に立ち寄って弾かせてもらう雰囲気など、ゼロである。来店前に電話でアポをとらなきゃいけないところもある。そんなところ、気の弱い人間が行ったら、ただじゃ帰れません。

 それが年に一度のこの催しでは大違いなのである。太っ腹なところだと、「ご自由にお弾きください」と貼り紙をしたブースに、楽器と弓が置いてある、なんてこともある。そのため、会場には買い気たっぷりの音大生ふうも目立つ。格違いにうまいプロらしき人は、弾き始めると人だかりができて、即席ミニコンサートみたいになっている。

 同じ科学技術館では毎年冬、ハンドメイドメイド自転車ショーが開かれる。小さなフレームビルダーが自信作を持ち寄るマイナーながら楽しい催しだが、さすがに試乗はできない。「エーッ、木製フレームなの!?」と、目で驚いたあと、北の丸公園のなかで乗れたりすると、サイクルモード並みの人気イベントになりそうだが、無理かな。


イメージ 1
「海峡を渡るバイオリン」の著書もある在日韓国人のカリスマ弦楽器作家、陳昌鉉さんがつくったチェロ。この人のバイオリンは世界的に有名だが、チェロもつくっているとは知らなかった。
 お聞きしたところ、大きいからタイヘンなので、やはり1年に1本くらいとのこと。ヴィオラもチェロも、構造的には“大きなバイオリン”に違いないのだが、チェロになると、バイオリンの3倍くらい木を使う。しかし、なかなかバイオリンの3倍の売値はつけられない。売れなかったら、場所もとる。需要(奏者人口)の問題はべつしても、チェロの出回る本数が少ないのはそうした理由も大きい。
 陳昌鉉チェロ、音もきれいだったが、見た目も美しい。年1本だと、完全な受注生産だろうな。


イメージ 2
 大手楽器商のブースで弾かせてもらった18世紀の英国製オールド。作者はジョン・ベッツ(1752〜1823)。日本だと江戸時代中期から後期の人ですね。
 濃いブラウンのせいもあって、年式よりもっと古びて見える。耐久消費財のゴミ捨て場にあっても、一顧だにされないんじゃないか。
 ところが、音を出したとたん、シビれた。今まで弾かせてもらったオールドで、あんまりピンときた楽器はないのだが、これは惚れました。
 弦に軽く弓を当てただけで「アッ」と声を漏らすくらい、いわゆる“発音”がいい。すぐに大きな音が出る。エンジンでいえば、スロットルレスポンスにすぐれるのが、いい弦楽器の一大特徴だ。音色もまったく雑味のない丸い音。具体的には、ぼくみたいな素人が弾いても、いちばん高いA線がビャービャー言わないのだ。「楽器より練習だ」とは思うけど、いい楽器は七難隠してくれるのも事実である。
「いかほど?」と、店の人に聞いたらファイルを調べながら「えーと、ですね。ジョン・ベッツは……イッセン……」。さよか。

イメージ 3
 会場の一角にひっそりと置かれていたストラディバリウスのチェロ。バイオリンより桁違いに現存台数は少ないはず。今までに生で聴いたチェリストのだれかはステージで使っていたかもしれないが、こんな間近で現物を見たのは初めて。修業中の陳昌鉉さんが楽屋で初めて本物のストラディバリウスを見たとき、どんなニスを使っているのかを知りたくて、持ち主の目を盗んで“舐めた”という話が前出の本に出てくる。
 さすがにこれは、弾くどころか、触ることさえ御法度。ケチ。値段はブガッティ・ヴェイロンくらいかな。
                                                                                                                                                                       

フェラーリを弾く

イメージ 1
(弾かないとき、チェロはこうやって横に寝かせておくのがふつう。人が多いと、ときどき蹴っとばされる惨事が発生する)


 真夏の暑さだったきのうは次回磯野チェロ教室発表会に備えた「アンサンブル火曜日」の練習。前回は急病で倒れた人の代役で入ったのだが、そのままメンバーに入れてもらえることになった。音域の広いチェロはアンサンブル(合奏)がいちばん楽しい。

 曲はゴルターマンの4重奏曲ノクターン。ぼくは2番チェロ。メロディの1チェロはむずかしいけど、2チェロ以降はけっこう簡単。とタカをくくっていたわけでもないのだが、合わせてみたら、ぼくのパートがむずかしかった。

 合奏というのは、掛け合いとか追っかけとか、合わせてみて初めてひとつの曲になるわけだから、ほかのパートに引っ張られたりして、ひとりの“家練習”じゃ出てこない困難が次々と生じる。そうなると、実は2チェロもタイヘンだったのである。それ以前に、ぼくは譜読みの能力が低いため、3拍子のところを部分的に4拍子で弾いていたりして、みんなの足を引っ張ってしまった。

 リーダーのTさんが楽器を新調した。退職金で買ったというイタリア製の新作。
 バイオリンやチェロを大量生産するという考え方は、イタリアにはない。イタリアの新作楽器はぜんぶ職人が手づくりする手工品だ。フェラーリと同じ。だから、ストラディバリウスの時代からイタリアの弦楽器は世界一である。

 ストラディバリウスに代表される何百年も前の古い楽器に比べたら、新作は屁みたいな値段だが、それでもチェロだと300万円は下らない。バイオリンほど需要がないし、使う木の量が多いし、製作時間もかかるからだ。「クルマ買えますね」と聞いたら、「買えます」とオーナーも言っていた。

 でも、フェラーリだと思えば、安いものである。イタリア製くらいになると、新作だってほとんど値落ちしない。なぜなら、いい木を使った弦楽器は、経年変化で木の水分が抜け、どんどんいい楽器になっていくからだ。古い楽器が高価なのは、基本的にはそのためだ。

 ちなみにぼくのはドイツの学生用量産品。フェラーリと比べると、価格的にもVWポロあたり。ドイツにはマイスター制度があるので、安い量産品のわりに品質が高い。
 ぼくのポロはどんな先生やうまい人に弾いてもらっても、必ずほめてくれる。ちょっとしたラブストーリーの末に手に入れた楽器でもあるから、まったく不満なしだ。

 Tさんは豪気な人で、どうぞどうぞとみんなに弾かせてくれた。写真正面の女性が試奏中。赤っぽい塗装なんて、やるのはイタリアか、フランスか、くらいである。明るい音で、弾きやすかった。

 しかし、いろんな楽器を弾くたびに思う。楽器より、練習だ。
                                                                                                                                                    

チェロ四重奏デビュー

イメージ 1
(磯野正明チェロ教室発表会、オオトリのお楽しみは磯野先生の模範演奏。今回は速弾き超絶技巧のポッパー作「ハンガリー狂詩曲」)


 先月、糸魚川にゴールして携帯を開けたら、チェロ友達からメールが入っていた。次の発表会でやる四重奏アンサンブルを昨年末から練習してきたところ、本番1カ月あまり前になって、ひとりが腹部大動脈瘤で入院してしまった。代役を引き受けてくれないかというのである。年に一度のイトイガワ、息も絶え絶えだったゴール直後にガーン!である。

 曲はゴルターマンの室内楽。ゆっくり“聴かせる”6分くらいの小品。パートは2番チェロ。最後みんなが下がってゆくなか、2チェロがハイCの高い音で終わる。そこだけは心配だったけど、なんとかなりそうだったので、混ぜてもらうことにした。チェロは4人くらいのアンサンブルがいちばんおもしろい。

 で、きのうはその本番だったのだが、前日夜の練習後半あたりから、すごく気分が悪くなってきた。ン、なんだこりゃ……熱ではないか。のど風邪をこじらせたらしい。
 熱を測ったって、いまさら代役の代役を頼むわけにはいかない。明日は這ってでも八王子カレッジタウンホールへ行かねば。アスピリンとビタミンCを飲み、汗を出すために、首にタオルを巻いた田吾作状態でウンウンうなりながら苦しい一夜を過ごす。

 午後になるとまた熱が出てきたが、頭がボーッとしているおかげで、本番でもそれほど緊張せずにすんだ。途中、2小節くらい迷子になったが、残りの人がちゃんと弾いていてくれれば、リスクはヘッジされる。素人アンサンブルの妙味だ。
 最後のハイCは過去最高の出来くらいにうまくいった。隣の弦につけたサインペンの目印も観客席からはけっして見えていないはずである。

 家に帰って初めて熱を測ったら、38.5℃あった。この熱でも人前でチェロ弾けるのだから、イトイガワのおかげでオレも体力ついたよなあとヨメさんに言ったら、イトイガワで体力落ちてるから、そんな熱が出るのよと口答えされた。                                                                                                                                                             

新幹線のチェロ

イメージ 1

 新型ボルボS60で福岡まで走るというWebCGの企画があった。途中、好きなところに立ち寄っていいというので、前から興味津々だったアルミ・チェロを触らせてもらいにいく。

 オール・アルミニウム製のチェロ。チェロ弾きなら、だれだって興味を持つだろうが、それ以上にこれは鉄道オタク物件である。
 つくったのは、山口県下松市の山下工業所。初代新幹線0系の時代から、先頭車両のノーズ部分を製作している。しかも、職人の手仕事。金属を切り出して、叩いて、曲げて、ふくらませ、自在に3次元曲面をつくってゆく。
http://www.youtube.com/watch?v=FjN0iBguyiA
 ところが、今やハイテクの代名詞みたいな新幹線車両を「職人が手づくりしている」と言っても、なかなかイメージしてもらいにくい。ノーズパネルだけ見せてもわかりにくいし、だいいち大きすぎる。ならばと、プレゼンテーション用に製作したのがアルミ・チェロである。

 そんな経緯なので、音を追求してつくったわけではない。とはいえ、なにごとも徹底してやるのがこの会社らしく、1台目はアメリカの博物館に保存されているアマティの図面をコピーしてつくった。ストラディバリウスと並び称されるクレモナの名品だ。
 表板は厚さ4mm。でも、アルミとはいえ金属だから、総重量が11kgにもなってしまった。木製の4倍近い。持ち運べないし、いざ弾こうと、エンドピンを立てて、ネックを肩に寄りかからせたら、ぼくなんか重さで後ろへひっくり返りそうになった。だが、5台目の最新モデルは1mm厚になり、重さも5kgまで減量している。

 音はYoutubeで聴いていたし、木製に勝る弦楽器の素材があるとは思わない。ただ、意外だったのは、そんなに感触が冷たくなかったこと。冬弾いたら、手がかじかむんじゃないかと思ったが、指板を指で押さえてもそんなことはなかった。熱伝導のいいアルミのせいだろう。ホンダ・タイプRのアルミ・シフトノブも、握るとすぐ人肌の温かさになるもんな。

 実物に接して、感動をあらたにしたのは、なんといってもこの存在感だ。プラスチッキーなカーボン製チェロとはぜんぜん違う。非売品だが、売れば、工芸品として高い値段がつきそうだ。しかも、新幹線のノーズを叩き出す“現代の名工”が、まったく同じ技術でつくったチェロなのだ。

サイレントチェロがお好きな方へ http://ammo.jp/daguerreo/0110/kabata/1010.html

イメージ 2

下野康史(かばた・やすし)
下野康史(かばた・やすし)
男性 / O型
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について

過去の記事一覧

よしもとブログランキング

もっと見る
本文はここまでですこのページの先頭へ

[PR]お得情報

ふるさと納税サイト『さとふる』
実質2000円で特産品がお手元に
11/30までキャンペーン実施中!
いまならもらえる!ウィスパーWガード
薄いしモレを防ぐパンティライナー
話題の新製品を10,000名様にプレゼント
いまならもらえる!ウィスパーうすさら
薄いしモレを防ぐ尿ケアパッド
話題の新製品を10,000名様にプレゼント

その他のキャンペーン

みんなの更新記事