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書庫今日はファットバイクで行こう

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雪化粧現地調査

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↑先週木曜日の夜、久しぶりに雨が降り、富士山を借景にする近在の山々も、ごくうっすら雪化粧した。
 遠くから見てこれくらいだと、実際、現地にはどれくらい雪があるのか。土曜日、ファットバイクで確かめに行った。


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↑向かったのは、八王子/あきる野市境界の入山(いりやま)峠である。
 ウチから33km。陣馬街道と別れると、「ここより北極圏」みたいなポイントがあった。
 といってもここは川沿いの日陰で、カーブを抜けるとまたドライになった。


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↑盆堀林道に入り、標高460mまで上がっても、まだこんな感じ。路面は基本ドライ。こいでいると汗ばむし、グローブなしでも冷たくない。むしろ春が近いなあと感じた。

 さすがに自転車とはすれ違わなかったが、路肩でお弁当を食べている熟年ハイカーのカップルと、ポールを持った若いトレイルランナーに会う。みんなニコニコしていた。


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↑入山トンネルを抜ける。北側の出口だけ、雪が吹き溜まっている。


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↑しかし、日陰の斜面に入ると、完全な雪道になる。彼方には晴れた新宿副都心が見えてるんですけどね。
 ごくうっすら雪化粧の山は、中に入るとこんなふうにまだらな積雪状態なのでした。

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↑アラスカ発祥自転車、ファットバイクの面目躍如。轍(わだち)は一見よさそうに見えるが、底が凍っていることも多いので油断ならない。
 こうした状況で轍のことを考えていると、必ず『わだち馬鹿よね〜♪、お馬鹿さんよね〜♪』と頭で歌ってしまうのはワタシだけでしょうか。


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↑標高594mの入山峠を無事クリアして下り始めると、除雪作業をやっていた。峠のこっちは北側なので、積雪が多いのだ。

 向こうへ下りるのは断念して、来た道を引き返す。というのも、この写真を撮った直前に転倒したのである。黒い舗装部分を選んだつもりが、ツルツル氷だった。超低圧ファットタイヤも氷にはお手上げだ。とくに下りは危ない。
 ファットバイク歴5年で初の落車。防水防振カメラでよかった。

 武蔵五日市へ下りて、おいしい朝鮮漬け(焼肉)を買って帰るのも断念。安全第一である。
 でも、右の股関節、ちょっと痛い。
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 普通免許をとると、もれなく付いてくるのが「原付」の免許である。
 正式名は「原動機付き自転車」。いまのスクーターやスーパーカブを見て、どこが自転車なんだ!? と思うかもしれないが、起源はこれ。
 マイカーも軽トラもまだなかった1950年代、自転車にエンジンを後付けしたこういう二輪車がつくられて、使われた。文字通り、原動機付きの自転車に乗るために制定されたのが、原付免許のそもそもなんですね。

 この原付は、愛知県でつくられていた1950年トヨモーター。去年の夏、オートバイ愛好家所有のコレクションが刈谷市美術館で「トヨモーター展」として公開されたその1台。


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 いま見ると、実にカッコイイ。とくに後輪に付くエアロシェイプなエンジンカウル。素材はマグネシウムと聞いて驚いたが、当時、軍需用の安い放出品が出回ったらしい。

 トヨモータースが製造したのは2ストローク単気筒エンジンや燃料タンク、そのほか駆動系や操作系の部品だけで、自転車本体は市販品である。フロントサスペンションが付いた、ロングホイールベースのこれもフツーの自転車として売っているものだった、

 ファットバイクユーザーとして驚くのは、後輪の太いこと。ファットタイヤとそんなに変わらなく見えるが、当時、配達用に使われる重運搬用自転車は、これが標準サイズだったという。つまりこれをナマアシでこいでいた。
 しかも、道路はまだ未舗装があたりまえでしょ。昔の人は健脚だったんですね。


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梅野木峠初詣

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 暖冬とか言ってたけど、フツーに寒いじゃありませんかのお正月である。
 多摩川も凍る寒い日だったが、天気はいいし、風はないし、ファットバイクで初乗りに出る。
 目指すは、日の出町と青梅市の境にある梅野木峠。くっきりと見える奥の山脈のどれかだ。

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 秋川沿いの広場でフリスビードッグ大会をやっていた。
 DJ風実況付きだけど、静かな競技なので、盛り上がりはイマイチ。犬のキャッチ技術より、人間の投げる技術のほうが重要に見えた。


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 梅野木峠へはここから林道に入る。都道をまっすぐ行くとすぐ梅ケ谷峠。どちらも日の出町/青梅市境で、まぎらわしい。
 でも、青梅というくらいで、このへんは梅が有名だ。“バイゴー”(梅郷)という名のドラッグストアも多い。


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 梅野木林道を走るのはだいぶ久しぶりだが、道が整備されて走りやすくなっていた。
 峠までは3.6km。定期的にヒルクライムが開かれるつるつる温泉側のような激坂はない。そのかわり、大半はフラットダート。途中、オフロードバイクのグループに追い越され、男性トレイルランナーとすれ違う。


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 風流な落石防止柵。


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 いつ見ても美しい大曲のカーブ。この坂を上り詰めると標高630mの梅野木峠。ウチから45km。初詣甲斐あり。
 とはいえ、右側の斜面からこんなにデッカイ落石が墜ちてくることもあるわけだから、そこんとこ今年もよろしく、と林道は言っている。

 帰りはつるつる温泉方面へ下りる。都道まで9kmの日陰ダウンヒル。寒いのなんの。
 でも、午後から北風が強くなり、追い風に押されてラクだった。

 箱根大学(と白バイ)駅伝。日本テレビの中継だと、白バイばっかり映るので、NHKラジオで聴くほうがいい。
 帰ったら、東海大がまさかの総合優勝だった。青学は復路優勝で総合2位にランクアップ。5連覇を逃しても、悲壮感がないのはさすが青学。
 12月に入ったのにあったかい。週末も小春日和の予報。遅咲きの紅葉黄葉見物と未踏路探検を兼ねて、ファットバイクで武蔵五日市へ。

 ややこしいけど、武蔵五日市はあきる野市で、まだ奥多摩ではない。でも、駅の裏手からはずっと山である。「前奥多摩」と勝手に呼んでいる。

 走ったのは、武蔵五日市駅の近くから北に上がる道だ。地図だと駅前通りから6km入ったところで行き止まりになっている。さて、どんな道なんでしょう。


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 いきなり急坂の洗礼を受けるが、2km行くとすっかり“東京の山里”といった風情。奥多摩周遊道路を目指すクルマやバイクや自転車や白バイが行き交い、最近はインバウンドの観光客でも賑わっている武蔵五日市駅周辺とは別世界だ。


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 石垣の切り通しにもみじ。ああ、日本に生まれてよかった。
 もみじは紅葉の王様ですね。なんたって「もみじ」を漢字で書くと「紅葉」ですから。


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 4km進んだところで人家がなくなると、舗装も途切れて林道になる。
 予想していない展開だったが、ここで引き返したらファットバイクの名がすたる。


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 林道に入ると、伐採されて坊主になった山と涸れ沢。なんだか殺伐としてきた。
 と、いま書いて気づいたけど、殺伐の「伐」は伐採の「伐」だった。まさにこういう景色のことなのかも。


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 大きな砂防ダムがあった。このあと急坂の右ヘアピンカーブをこぎあげてダムを見下ろすと、土砂がコンクリ堰堤の低いところ(写真左端)からそろそろ越流しそうだった。この先どうするのだろう。水のダムも、底には土砂が溜まり続けていて、いずれは水が溜められなくなるんだけど。


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 激坂になってきた。心臓が耳のところまで出てきた。
 今日はもみじ狩りのつもりだったのにィ、と思っていたら、また同じ林道看板が現われ、その先は再び舗装路になっていた。

『林道が舗装に変わるとその先は激坂』理論をワタシは発見している。舗装で固めないと、雨で土が流失してしまうから。
 小春日和予報はウソっぱちで、まったく日が出ない。寒いも寒いし、今回はここにて撤収。ウチからは39km走った。
 残りは来年のお花見シーズンかな。

ちょっとソラまで

 自転車で川沿いを走っていると、さまざまな趣味に打ち込む人を見る。
 各種スポーツ、バードウォッチング、ラジコン、楽器演奏(サックスとかトランペットとか津軽三味線とか)、ベンチに座って、チェロを弾こうとしている若い人を見たこともある。
 だめじゃん、弦楽器、直射日光に当てちゃあ。近くに寄ってみたら、3万9800円くらいで売っている中国製だったからよかったけど。

 いろんな人がいるが、行きつけの川沿いでこれやってる人は初めて見た。モーターパラグライダーだ。


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 エンジン駆動のプロペラを背中にしょって、パラシュートの浮力で飛ぶ。


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 パラシュートを付ける前に、エンジンチェック。回転を上げると、自分の起こした推力と押しくらまんじゅうみたいなことができて、おもしろそう。これでマラソン走ったらラクだろうなあ、と、つい思ってしまったが、背中の一式、30kgですか。


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 向かい風を捉えて、いざテイクオフ。ってことはつまり、走る。
 1回目はパラシュートが崩れて、失敗。2回目に成功。
 おお、浮いた浮いた!


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 さっきまでここにいた人が、空飛んでるって、感動しますね。
 いつもは海岸で飛んでいるそうだが、川沿いは気流が悪くて、酔うと言っていた。
 ここまでは軽のワンボックスで来ていた。おトシは、ぼくより上か下か、とにかく年配だ。こんなハイカロリーな趣味をひとりで楽しんでおられるとは、大尊敬である。

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下野康史(かばた・やすし)
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